前半は完全に試合を支配しながら決めきれない。そして相手のワンチャンスから失点。こんな展開は今シーズン何回見てきたか。前半はカイトとベナユンが右から本当に良い仕事をしていたんですが、チャンスの数の割に枠に飛ぶシュートが少なすぎました。ギブンに仕事をさせるまでもありませんでしたね。フィニッシュまでの流れは作れても、その精度ということになると最後は個人の力です。
後半は両サイドにたっぷり空いていたスペースをシティが修正して来て、前半のようなサイドからのチャンスが作れなくなりました。失点してからはあせりも出たのか、パスミスが目立ちましたね。エル・ザールを投入して彼は良い働きを見せてくれましたが、ベナユンが左に回って、ドッセーナとどうもうまくかみ合わず消えてしまいました。アウレリオに変えての連携で得点に結びついたのを見れば、スタートから彼を使っていたらなあ、と思ってしまいました。ドッセーナの攻撃力の方に期待したんでしょうが、守備はやっぱりちょっと危なっかしかったです。そして逆転すべく投入されたバベルは、自分で行こうという意識が空回りしているように見えました。
しかし同点にしてからは、攻撃でいいシーンは何度もあったんですけどね!逆に言えば、前半にああいう気迫のあふれる攻撃で1点もぎ取っておけば、というのが残念です。
失点シーンはディフレクションという不運もありましたが、それ以前に簡単にロビーニョに前を向かせて仕事をさせてはいけなかったでしょう。そして決めたのはベラミーですが、ゴール前で最後にロビーニョを離していたことがものすごく気になりました。
ベラミーはトッテナムサポーターの前で決めたにもかかわらず、セレブレーションを控えようとしていましたね。彼は気性の激しさでいろいろと言われたりする選手ですが、ああいうところがすごく好きです。
これでユナイテッドとの差は7ポイント。残り12試合で、直接対決を制したとしてもなおかつ2試合分の差です。プレミアの火は消えたのか?現実的には非常に厳しくなりました。ここでチームとファンは実質的に白旗を揚げるのか、それともあくまで戦う姿勢を貫くのか。これから悲観論や批判がプレスにどっと飛び交うでしょうが、その中で3日後のマドリー戦に向けてラファがチームをどう立て直すのか、注目したいと思います。
●SKY SPORTSのレーティングレイナ:6
アルベロア:6 レイナを越したシティのゴールのディフレクトは不運
ドッセーナ:5 £7mの男はまだ印象を与えていない
キャラガー:6 堅いが、ジェラードと同じ流儀でチームを鼓舞はできなかった
シュクルテル:6 ミカ・リチャーズを抑えた
リエラ:5 絶好のチャンスを外した
マスチェラーノ:5 今一つの午後
ルーカス:5 まだ勉強中
カイト:7 1ポイントを救い、常に100%
トーレス:5 彼のベストではなかった
ベナユン:6 同点弾を演出
(SUB)アウレリオ:5 創造性を作れなかった
(SUB)エル・ザール:6 生き生きとしたインパクト、しかし脅威にはならず
(SUB)バベル:5 シティをこじ開けられなかった