リバプール 4-1 ベンフィカ

フッハッハッハッハ、11人揃えばこんなもんです、余裕･･･というのは強がりで、前日に見た試合の展開が頭をよぎり、3-1にされたすぐ後に再びゴール前でFKを与えた時は、心臓が痛くなりました。しかしトーレスが4点目を見事に決めて、試合を終わらせてくれました。1対1とはいえそれほど簡単ではなかったと思いますが、レッズのエースはいとも簡単に決めて見せました。前半に右ひざに違和感があったようで気にしていましたが、後半の動きでは意地を見せましたね。

試合開始から10分ほどはベンフィカの方が前に出て来て押され気味になり、アウェイチームのペースになりました。相手に何度かコーナーを与えていやな感じでしたが、次第に押し返し、そして28分のカイトのゴールが、非常に、非常に大きかったです。あれでベンフィカはさらに前がかりにならざるを得ず、カウンターを仕掛けるスペースが空きました。カイトのゴールは副審が旗を上げましたが、あれはキルギアコスが触っていると判断したからではないかと思います。結局ゴールは認められましたが、追加副審がしっかりと見ていて触っていないと主審に伝えたんだとしたら、第5審判のルールさまさまですね。ファーストレグのキャラのハンドもしっかりと見られましたが、ゴール前の混戦に対してより正しい判定ができるのならば、この制度はぜひ全ての試合に適用すべきだと思います。

それからの追加点は、全てカウンターでした。2点目は低い位置で持ったベナユンが相手の選手を2人引き付けてキャプテンをフリーにしてボールを渡し、受けたキャプテンが良い飛び出しをしたルーカスにぴったりと合わせて、ルーカスが相手キーパーをかわして見事に決めてくれました。ベナユンはああいうのが上手いですね～。ルーカスに駆け寄ったトーレス、ベナユン、3人が揃って「この人から！」とキャプテンを指差していたのは微笑ましかったです。

3点目はすばらしいゴールでした。相手のセットプレーからのカウンターで、ベナユンがいいスペースに走りこんだところへマスチェラーノがしっかりと渡して、相手ディフェンスを引き付けたベナユンからカイトへのパスはちょっと厳しかったですが、カイトが足を伸ばしてトーレスにピンポイントのクロスを送りました。あれは美しかったですね～。何もかもがぴたりとはまってこそ決まるゴールです。4点目のカウンターもお見事。

この試合は左サイドバックをどうするか、それとも3バックで行くのかが注目で、ラファの選択は4バックで左にアッガーでした。事前会見には3バックをほのめかしていましたが、煙幕を張るというのはラファにしてはめずらしいことです。キルギアコスのスピード対応が心配でしたが彼は集中して危なげなくしっかりと守り、サイドバックのアッガーも全く不安はなかったし、サイドにいることで特に前半は積極的な上がりも見せていました。守備ではむしろ右のジョンソンの方が不安なくらいでした。

カイトも頑張って良く走っていましたね。彼には疲労というものはないのか。それから今季フル稼動している若いルーカスが、このシーズン終盤にも疲労の気配なく、2点目はしっかりと走って裏を取り、落ち着いて良く決めてくれました。3点目は彼の股間クリアが起点だったし、4点目も彼の体を張ったボール奪取からです。いろいろと言われ続けた彼がここで活躍してくれたことは、本当に嬉しいですね。彼もまた、精神的な強さを感じさせる頼もしい選手の1人です。

今日は残念ながらキャプテンのズバゴーンやトーレスのあぐらは見られませんでしたが、ラファのサムアップが見られたので良しとしましょう。そのラファのコメントです。

●ラファ（公式HP）
「（シーズンこれまでで最高のゲームか、と質問されて）そうは思いません。非常に良いゲームでした。対戦相手がとても優れたチームですから、4ゴールはおそらくすばらしいパフォーマンスと言えるかもしれませんが、ポゼッションとコントロールに関しては、今回よりももっと良い試合があったと思います。しかし私たちはとても満足していますし、すばらしいパフォーマンスでした。
一つ一つ全ての試合が重要ですが、重要な大会のこの段階での試合は特にです。上手く行けば、私たちは良いプレーをし、ゴールを決めることが出来るでしょう。それでトップ4にもっと近づき、さらに決勝までたどりつければ、ファンは本当に喜んでくれるでしょう。

（今夜最も嬉しかったのは）チームスピリットと選手たちの努力です。3点目のゴールは本当に良いもので、ルーカスのゴールは決定的でした。今夜は誰にとっても大きな夜ですが、ルーカスにとっては特にだと思います。

（カイトの1点目の判定に関して）私に言わせれば、彼ら（審判）はミスをしたと思います。もしあれがファウルならば、主審がしっかりとそれを見ていたはずです。私はリプレイを確認しました･･･あれはファウルではなかったし、彼はオフサイドになりようがありません。ですから、あれはミスだったと思います。おそらくラインズマンは、コーナーキックではなくフリーキックだと勘違いしていたんでしょう。

試合は本当に難しいものでした。トーレスはフィットして疲労はしていませんでしたから、良い試合ができるはずでした。しかし序盤に膝に問題を抱えてしまい、できることなら選手を休ませたい状況でした。
今最も重要なことはフルハム戦です。私たちはフェルナンドを守りたいと思っていました。

（この勝利の仕方は、リバプールがヨーロッパでのトップクラブであることを再確認させたと思うか、と問われて）私たちはヨーロッパのトップチームの一つです。過去数年間に渡ってこのレベルを維持しており、ベンフィカもまた優れたチームの一つです。ベンフィカは好調で、順位表の首位にいます。彼らは巨大なクラブ、ヨーロッパのトップクラブの一つです･･･それに関して疑問はありません。

（準決勝について）アトレティコが相手でもバレンシアが相手でも非常に厳しい対戦になると思っていましたが、マドリー行きが決まりましたね。トーレスは長い間あそこに在籍していましたから、おそらく私よりも彼の方が興奮しているでしょう。しかしスペインのチームが非常に優れていることを私たちは知っていますから、タフで難しい試合になると思います。

（CLでプレミア勢が全て敗退したことで、より満足感を感じるかと聞かれて）そんなことはありません。ヨーロッパの大会の準決勝に勝ち進むことは私たちにとって本当に嬉しいことですが、チャンピオンズリーグで他のチームが勝ち進むかは関係ありませんよ。上手く行けば私たちは決勝でフルハムと対戦することになり、二つのイングランドのチームの戦いが実現するでしょう。」