激しい雨が降り続く試合でした。開始9分にアッガーからグラウンダーのスルーパスを受けたヨバノビッチがさくっと2人かわしてファーに決めた時には、楽勝の気配が漂ったんですが。公式戦ファーストゴールを決めた彼も喜びを爆発させるわけでなく、エンブレムにさりげなくキスしただけで、笑顔さえ浮かべませんでした。さあこれから何点?と思ったんですけどね・・・。
この試合はバベルとエンゴグの2トップで、前後の関係ではなく基本的に横並びでした。どちらかといえば、むしろエンゴグが下がり目のポジションを取る方が多かった印象です。トップで入ったバベルには炎のプレーを見せて欲しかったんですが、存在感を出すことができませんでした。2人の役割がどうもはっきりとせず、お互いが同じところにボールを受けに行ったり、あるいは左に流れてヨバとかぶったり。
失点はどちらもディフェンスのミスと言っていいと思います。1点目はアーリークロスに対してマークが外れた選手にヘッドでゴール前に落とされ、そこに走りこんでいた選手をアッガーが捕まえ切れていませんでした。2点目は、左サイドでウィルソンがぶち抜かれてグラウンダーのクロスを入れられ、一度はシュートをジョーンズが止めたんですが、そのこぼれ球がフリーの相手選手のところへ転がって万事休す。この試合を見る限り、ウィルソンは「サイドもできる」程度で、サイドバックらしい攻撃ははほとんど見られませんでした。ガンガン上がってボックス内まで進入していくケリーとは対照的でした。今度はCBでの彼を見たいです・・・って、リーグカップがなくなってしまってそのチャンスはあるかなあ。
延長に入って1-2とリードされ、ホジソンが打った手はキルギアコスがFW!バベルに代わって入っていたシェルベイからいいクロスが入って惜しいヘッドのシーンがあったんですが、残念ながら得点には至らず。それでも、シェルベイのCKを彼がヘッドで落とし、ファーにいたエンゴグが押し込んで同点ゴール!しかしその直後、相手に攻め込まれてあわや再度逆転されるかというシーンがありました。ジョーンズが飛び出していてゴールマウスにはケリー一人が相手選手と1対1になり、彼が体を張ってクリアしてくれました。その後でハムストリングを手で押さえていたので痛めたのかと心配しましたが、元気に走っていたのでほっとしました。
PK戦はホジソンの言うとおりくじ引きのようなものですから、これはレッズに今回は運がなかったということでしょう。しかし、4部のチームを相手にホームで敗退というのは、非常に、非常にショックな結果でした。これが相手のラッキーゴールとかこちらのシュートが神がかったセーブに止められたというならまだしも、内容でもレッズが試合を支配しているとは言えないゲームでした。守備の連携はちぐはぐ。2トップの役割ははっきりしない。前線と中盤との連携もちぐはぐ。チームの前から後ろまで、とにかく「何をしたいのかわからない」という印象でした。選手個々の誰が悪いと言うのではなく、チームがどうにもうまくかみ合っていないんですよね。連動したプレスができていないので簡単に相手にボールを持ち込まれ、中盤を支配できず、後手後手に回ってバイタルエリアにスペースを作られる。
パチェコは気を吐いて頑張っていましたが、右サイドは少々やりにくそうでした。攻撃に関しては彼に一番可能性を感じたんですが、最後は足が攣っていたようなので交代はやむなしか。ベンチに、流れを変えられるような経験ある主力が一人いたらなあ、そう感じた試合でした。
ちぐはぐなのはピッチの上ばかりでなく、延長前半にキルギアコスのポジションチェンジを伝えるまでほとんど椅子に腰を下ろしたままのホジソン、対して何度もピッチサイドに出て叫ぶサミー・リーの姿にも、「連携できてる?」という違和感を感じました。ホジソンは最後はずぶぬれになりながら、ずっとタッチラインに立って指示を送っていましたけどね。彼は誰より悔しかったでしょう。違和感と言えば、キャプテンマークを巻いたのがアッガーでもルーカスでもなく、キルギアコスだったのもちょっと不思議でした。
むうう、これも我慢ですね!若手の絶好の舞台であるリーグカップがなくなってしまったのは非常に残念ですが、まだELもFAカップもあるし、そこで見せてくれ!交代で入ったエクレストンやシェルベイ、インスには、俺が流れを変えてやるという気合の入ったプレーを見せてもらいました。エクレストンはPK失敗に凹むことなく、「次も俺が蹴ったるわ!蹴らせろ!」という気持ちでいてもらいたいと思います。
試合後のホジソンと、公式戦初ゴールを決めたヨバのコメントです。
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●ホジソン
(公式HP)「2-1でリードされた後に我々は本当にすばらしい努力をしたが、おそらくその延長最後の15分間を除き、私がこのチームから見たいと願っていたことに近いものは何も出せていなかったと思う。(リードされた後も)良くは見えなかったが、試合を取り戻そうと我々は確実に全てを出し尽くした。おそらく、あの時間帯に3点目を決められなかったのは我々は少しばかり不運だった。我々は試合をうまく捕まえており、両チームが疲れていたからね。
しかしPK戦までもつれ込み、ホームでKOPの目の前で、そこで抱く望みは、選手たちがペナルティで勝つための落ち着きと自信を見せてくれることだ。しかし我々はそれができず、今の私にできるのは、ノーサンプトンを称え皆に謝罪することだけだ。今夜来てくれたファンたちは間違いなく、我々の勝利を見られることを期待し、私も我々の勝利を見られることを期待していたが、そうはならなかった。
我々がリスクを冒して完全に違うチームで挑んだことを、ファンは知っている。ファンはいつもどおりとてもすばらしく、チームへのサポートは立派だったと思う。ファンが私が見たものと違う何かを見るだろうとは、私は思わない。彼らに負けず私も落胆している。彼らの心を軽くするようなことは、私には何も言えない。彼らはひどく落胆しながら家路についているだろう。我々はカーリングカップで敗退し、さらにその上、我々よりも何段階か下部のチームによって敗退させられたのだから。
努力はしたと思う、それ以外に言えることは何もない。我々は軽く考えて挑んだり、無気力なプレーをしたために敗退したのではなく、不運にもディフェンスで2度お粗末なプレーが出たことと、我々のポゼッションを十分に行かせるだけの良いボール扱いができなかったことで敗れた。
今夜プレーしなかったもっと名前の知れた選手が、我々には12人、ファビオ・アウレリオを加えると13人いる。しかし彼らを除いても、今夜ピッチに出て行った選手たちは我々の選手であり、彼らがアンフィールドで自分たちのやれることを見せる良いチャンスであると私は考えていた。
私ははっきりと言わなければならないが、ノーサンプトンは明らかに、彼らのこれまでのプレーから予想していたよりも優れたチームだった。我々は彼らを称えなければならない。彼らを見てかなり良いチームだということはわかっていたが、我々がピッチに送り出した選手たちの能力、その国際試合とプレミアリーグでの経験を考えれば、正直言ってこの試合に勝利するには十分な力があると信じていたよ・・・しかしそうではなかった。
事実として、この選手たちは責任を負わなければならない。チームを大幅に変更したことに私も責任を負わなければならないが、私は自分がピッチに送り出した選手たちはこの試合を勝つために十分な力があると考えて、それをした。彼らはそうではなかったのだから、明白な結論は、私はこれほど大勢の選手を代えるべきではなく、マンチェスター・ユナイテッド戦でプレーした選手たちを何人か起用するべきだった。しかし私は、我々がピッチに送り出したチームは、結果を出せる十分な強さがあると心から信じていた。
しかし我々はそうではなかった。それは我々が十分な良いプレーができなかったためであり、試合を通じて良いパスを十分に繋げられなかったためだ。すばらしいハードワークをしたノーサンプトンを称えなければならないし、彼らは自分たちがここで何かを盗み取ったとは全く感じておらず、自分たちは勝利に値したと感じながら帰途につくだろう、そう私は確信するよ。
選手たちは、自分たちの評価を取り戻すために多くの努力を払わなければならないだろう。しかし彼らの何人かに評価を下すのはまだ早すぎる。今夜プレーした選手たちの何人かは、まだかなり若い。
しかし私にとっては非常に落胆していると言うのに十分で、私の顔を見てもらえばそれはわかると思う。ペナルティ戦で敗退してここに座ることになるとは、私は予想もしていなかった。それは間違いなく、考え得る最悪の負け方だ。私はUEFAカップの決勝でPK戦で敗れた経験があるから、それがどれほど苦いものかを知っている。くじ引きのようなもので、ペナルティをはずした選手たちがどれほどダメージを受けるかもね。
これは一試合だ。非常に落胆した一試合だが、これからプレーする試合はたくさんある。今夜の選手たちは自分たちのパフォーマンスに非常に、非常に落胆し、そこから学び、立ち直るだろうと私は思う。そしてもし彼らがリバプールの選手ならば、全員のキャリアの最低の状態から強く歩き出してくれると思う。
事実として、カーリングカップは我々が良いプレーができるはずの大会であり、今回は3回戦で、下部リーグとの対戦だった。だから勝利という結果が得られなければ、それは非常にネガティブなものだ。
我々が現時点で直面している多くの挫折の一つであり、努力して潜り抜けるのが非常に厳しい時期だ。しかし我々は努力して潜り抜けるだろう。我々は生き延び、もっと良くなるだろう。今夜の敗戦から私は、非常に大勢の人間のことを非常に多く学ぶだろう。物事が自分たちの望むように行かなかったことに、落胆し混乱しているのは私一人ではない・・・今夜プレーした大勢の選手たちが、同じように落胆しているだろう。
(シェルベイのプレーについて)彼は良くやったが、事実として彼が入ったのは延長戦からであり、皆が疲労していた時間帯だった。ジョンジョ・シェルベイはすばらしい未来のある選手だと我々は思っているが、私はポジティブなことを口にするような気分ではないんだ。我々はカーリングカップで快進撃をしたいと思い、それができなかった。我々が対戦する可能性のあった他のチームを見てみれば、かなり楽な抽選を引き当てたと言っていい。3段階下部のリーグのチームを引き当てれば、勝利を予想される。そしてもし勝利できなければ、上から下まで批判を受けることが予想される。
我々全員が責任を負わなければならないし、私がこれほど大きな信頼を寄せたチームが、今夜は一人か二人の例外を除いてその信頼に応えてくれなかったことに、私はひどく落胆している。」
●ヨバノビッチ
(Liverpool Echo)「カタストロフィーだ。僕はひどく落胆している。何が言えるだろう?僕にとって、選手全員にとって、チームにとって、とても難しい夜だった。もちろん僕たちはファンに対してすまないと思っている。
これはリバプールじゃない、僕たちはそれがわかっている。ものすごく悪かった。このパフォーマンスに、僕はとても驚いている。僕はイングランド・フットボールにそれほどの経験はないが、これは予想していなかった。
ノーサンプトンは本当に良い試合をしたよ。僕たちは悪い試合をした。僕たちはとても良いスタートを切ったが、なぜあれほど早くボールを失っていたのか、なぜボールをキープできなかったのかが、僕にはわからない。僕たちには若手選手たちが大勢いたし、時には経験が必要とされることもある。僕たちは懸命に走ろうとしていたが、コンディションを失い、最後には攻撃で何か特別なことをするのが難しくなっていた。
しかしこれがフットボールだ。僕はひどく落胆している。僕たち全員がだ。この結果には申し訳なく思うが、僕たちは今から進まなければならない。
ここからの毎試合がとても重要だ。今は5試合で5ポイントだ。これは十分とは言えない。僕たちはとても難しい5試合を戦って来た。
僕たちはとにかく、難しい一つのテスト(サンダーランド戦)に合格しなければならない。そしておそらく、その次の3~4試合多くのポイントを稼ぐことができるだろう。
僕たちは一つにならなければいけない。」
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無題
うー我慢出来ません!最近は怒る事がないと言いましたが今回は怒っております、Uに負けた事よりも今回の敗退の方が腹が立ちます。 カップ戦は何があるか分らない、ジャイアントキリングが起こり易い等とはよく言われる事ですが、がっっっ!!いくらなんでもこの段階で四部に負けちゃ不味いだろ!メンバー見る限りファーストチームで何度となくプレイいている面子が大半じゃないか、しっかりしろよ!! 試合見てなくて詳しく内容が分らない自分がブリブリ怒るのは何なんですけど、ここは内容云々の話じゃないレベルでしょ。
カーリングカップにはプライオリティは無いとか言っていられるのはプレミア、CLで優勝候補に名前が上がるクラブが言う事で悔しいけど今のREDSはそんな事言える立場じゃないですからね、なかなか出番が回ってこない若手の為にも勝ち進んで欲しかったです。 今までは自分もカーリングカップなんて日程が苦しくなるんだし要らないと思っていましたが今は違います、数年に渡り無冠が続いているREDSにとってはELを含めて全てが大事なタイトルになっていると思っています。 カーリングカップ負けたくらいでこんなに怒ってるのは自分だけかな? あー腹が立つ!!!
Re:無題
>がっっっ!!
↑ここすごく好きです。お怒りごもっとも。あの試合を見せられたらねえ・・・。デンマーク代表、ギリシャ代表、オランダ代表、U21フランス&イングランド代表というそうそうたるメンバーを揃えながらあれは情けないです。キャプテンにまた「我慢だ」って言われちゃって、私としては大好きなイチゴショートを目の前に「まだ我慢よ」とママに言われてじっと耐える幼稚園児のような心境です(苦笑)。
>カーリングカップ負けたくらいでこんなに怒ってるのは自分だけかな?
そんなこたー全くないですよ、ホジソンやキャプテンのコメントを見ても、現地ファンの怒りをびしびし感じているのがわかります。それをプラスの力に変えてもらいたいですね!今日は快勝をもんんんんのすごく期待しています。
無題
Re:無題
無題
若手を使ったといってもこのメンバーで4部に負けたら選手より監督の責任のほうが大きいでしょう。
キャプテンのコメントにあったように、若手選手は、この敗戦から学んで、もっといい選手になってトップチームに来てほしいです。
若手の機会が減ったのがかなり残念。
関係ない話なのですが、フニクラさんも言っていた、ダービーが同じく心配でなりません。最近、名前すら聞かないのでかなり心配しています。個人的にダービー君には期待しているもので。
Re:無題
>個人的にダービー君には期待しているもので。
ダービー人気ありますね、めちゃくちゃうれしいです!彼にもチャンスが来て欲しい・・・。
無題
だから、私はホジソンをこのことですべて責任を負わせるのはどうかと思うのです。
Re:無題
こんばんは。
でも、若手は自分達のアピールの場を自分達で消してしまったと思います。
今回の敗戦は監督にも責任はありますが、選手にもあると思います。
カーリングカップを若手の使い場と考える1部チームと絶対に倒そうと思ってベストメンバーで来ている4部チーム。
チーム自体の実力差はあっても、その時点で勝ちへの執念は五分五分、もしくは相手の方が勝っている可能性あると思います。だから何が起こっても不思議じゃない。
それがカップ戦だと改めて感じました。
若手には勝利への執念を身につけてもらって、今後につなげて欲しいです。
変な意見ですいませんm(__)m
Re:こんばんは。
>若手は自分達のアピールの場を自分達で消してしまったと思います。
そう、本当に残念です。あまりのチームのちぐはぐさに、彼らはちゃんと決まりごとを与えられてピッチに立ったのだろうかという疑念さえ浮かびましたが、それは内部の人間ではないと決してわからないことですからね。あれこれ想像して批判するのは間違いですよね。選手たちはもっとがんばらなければなりませんでした。
カップ戦は恐ろしい、本当にいろいろありますね。アマチュアチームに一時は2点リードされたこともあったし・・・でもあれは楽しい試合だったなあ。
無題
トップチーム同様ちぐはぐだったようですね。
まぁリザーブ組、サブ組には言い方は悪いですが、自業自得といいますか、自分たちで出場機会をなくしてしまった印象です。そして4部にも負けてしまうスカッドでは残念ながらELやFACもいつ負けてもおかしくないですし、そもそもそんなメンバーを監督自身が信頼してピッチに出せるかってことですね。トップメンバーを使わないと厳しいですね。
そんなことよりトップチームのほうが心配です。まず、ホジソンになってなにが変わったかさっぱりわかりません。ぞくに言われるラファの負の遺産しか受け継いでいないような気がしてならないです。気になるのが自分たちでボールロストする無駄の放り込みとDFラインの異常な低さです。
この点はサンダーランド戦も見て判断しようとは思ってますが・・・
あと、試合内容、結果もさることながら、ここにきてアッガー、トーレスが出ていきそうなそぶりが多いようで・・ホジソンは一体なにを考えているのかなぁ・・練習の雰囲気もよくなったっていうけど、本当は楽になっただけじゃないかってなんでも疑いたくなってくる自分がちょっとはずかしい(笑)
そういえばスコラーリ時代のチェルシーはフィジカルトレーニング不足でHiddinkが一番はじめにやったことは徹底したフィジカルトレーニングだったとか・・そしてその結果は言わずもがな
Re:無題
アッガーは、このままの状況が続いたら出て行くと思います。彼はベンチを暖めて満足できるような選手じゃないですからね。左サイドバックでスタメンで起用され続けても、怪しいと思います・・・。でもホジソンは選手の不満を恐れて自分の思うベストメンバーを崩す監督ではないと思いますから、ここはね~~~。個人的には、アッガーがベストメンバーだって考えてくれないかと望みを抱いているんですが。
ヒディンクはフィジカルトレーニング好きですね!なるほどー。面白い話を教えていただき、ありがとうございます^^。