リバプール 2-0 ラボトニツキ（AGG 4-0）

公式戦の今季初ホームゲーム、新監督お披露目の試合はとても楽しい、めでたいゲームになりました。終始相手を圧倒し、新加入の選手たちは良いところを見せ、若手たちは彼らの持つ将来の可能性を見せてくれました。ジョーが前線へ絶妙のループを送ればわっと湧き、ゴールラインを切りそうなボールをヨバが猛スピードで追いかけてマイボールにしたら歓声が湧き、パチェコが低い位置で頑張ってボールを奪えば大きな拍手が起こり、アンフィールドの観客はいいなあ、としみじみ感じました。シーズンのこれからがすごく楽しみになります。

今日の試合は、ボールをむやみに後ろから蹴り込むのではなく、しっかりと繋いで組み立てるフットボールができていました。そして前ではお互いが良く動き回ってダイレクトにパスを繋ぎ、数多くのゴールチャンスを作りました。1点目はキャプテンのショートコーナーを受けたジョーがエンゴグにすばらしいピンポイントのパスを送り、それをエンゴグがヘッドできっちりと決めてくれました。2点目はルーカスがボックス内に入れたボールをエンゴグがキープして前を向こうとして倒され、PKを得たものでした。どちらもセットプレーからで、流れの中からゴールが生まれなかったのはちょっと残念と言えば残念かもしれません。

トップ下に入ったのはパチェコではなくジョーで、パチェコは右サイドに入りました。ジョーはさすがのプレーで、精力的に動きながら前線でボールに絡み、キャプテンとのコンビネーションはもう既に出来上がっている感がありました。個人的に、今日のMOTMは彼です。ヨバとパチェコも左右を入れ替えながら何度もゴールを狙っていましたが、ネットを揺らすことはできませんでした。しかしヨバのスピードはしっかり感じられたし、パチェコはまだレギュラー定着するほどではないにせよ、積極的にシュートに行って意欲と可能性を十分に見せてくれたと思います。

それから左サイドに入ったケリーが良かったですね～。彼は既に体の強さは出来上がっている感じで、スピードもあり高さもあり、改めてこれからが楽しみになりました。オフサイドラインを上げる時に1人だけ上げ損なっていたりしましたが、そういうところはこれから成長していくらでも改善できるでしょう。彼が右と左のバックアッパーに入れるのなら、これは大きな戦力になってくれると思います。そして将来はキャラの後を継いで、CBに定着してくれることを願います。

この試合ではキャプテンとルーカスが中盤のコンビでしたが、2人は完全な縦の関係になるのではなく、ルーカスもかなり積極的に前に出ていました。むしろキャプテンの方は、むやみに上がらずに起点になることを意識しているように見えました。昨シーズンの彼とは打って変わった、ダイナミックなプレーでした。

相手が相手なだけに、こういう試合をリーグでもやれるのかと言うと、そこはこれから見てみなければわからないでしょう。キャプテンを前に上げて、中盤をもっと守備的にしなければならない場合があると思います。今までの起用法を見ているとホジソンはジョーをトップ下で使いたいようですが、試合後のコメントではいろいろなポジションで起用する考えも示唆しています。
それから、やはりFWの補強は必要だとこの試合で感じました。今まで公式戦2試合3ゴール、さらにPKも取ったエンゴグに文句を言ったら怒られるかもしれませんが、今日の彼にもやはり物足りなさを感じました。決めなくてはならないチャンスを外した場面があったし、彼はどうも決定的な場面の判断力に欠ける印象を受けました。このあたりは自信が増せば変わるのかもしれませんが、トーレス不在の時を任せられるかというと、まだ若干の不安が･･･。それでも結局、プレシーズンマッチを含めて5試合で得点したのは彼だけなんですよね。文句言ったら罰当たりかな。試合後のホジソンのコメントです。

●ホジソン（公式HP）
「今夜の彼（ジョー）のエネルギーと熱意は、彼が本当に良いホームデビューをしたということだね。ジョーはプレーしたくてたまらないんだ。彼がここに来たのは、チェルシーよりももっとスターティングイレブンに入るチャンスが得られるかもしれないと考えたからだ。彼は非常に熱意にあふれた元気いっぱいのフットボーラーで、プレーできればできるほど幸せになるんだ。どの試合も少しでもたくさんプレーしたいと思う、そういうタイプの選手なんだよ。それが可能かどうかはまた別として、良い資質だよ。

今日の観客の数には、驚かされたと言わざるを得ないね。我々は地味な対戦相手にアウェイで2-0と勝利している中で、それでもこの試合に3万を越える観客が来てくれたのは、全く信じられないことだと思う。すばらしいことだ。そしてジョーが大観衆の前でデビューを果たし、彼らが今シーズンはジョーからどれたけ楽しませてもらえるかを見せてくれたのは、私はとても嬉しいよ。

ジョーは様々なポジションでプレーできるが、我々が彼を一番どこで必要とするか、そして我々と他の選手たちの中で、彼がどれだけ最高にフィットするか、それがこれからの問いになるだろう。彼のような能力のある選手がいるなら、彼をフィールドに投入するために熱心に取り組み、彼がチームのためにベストの仕事をしてくれるポジションに送り出すものだ。

（アンフィールドでの初采配について）間違いなく私が待ちわびていたことだ。この試合を良いパフォーマンスと勝利で飾れたことは嬉しいね。私は選手と同じくらい喜んでいるし、願わくはファンも同じであってもらいたいよ。

（チャンスを作りながら2点しか決められなかったことに）十分だよ。相手よりも一つ多く決めれば、それで十分なんだ。私は完璧に満足している。私たちは2試合とも良かったと思うし、今日は特に、非常に魅力的なフットボールをして多くのチャンスを作った･･･おそらくこの得点結果以上だった。
大事なのは、この試合が私たちにとって時には比較的易しいものだったにも関わらず、自分たちの規律とプレーのやり方を貫いたことだ。こういう試合では、簡単に自分たちのやり方を失ってしまうものだ。選手たちが規律を守り、正しいやり方のプレーを続けてチャンスを作り出したのは、私をとてつもなく感銘させたよ。

（エンゴグについて）他の選手たちのように、彼もたくさんのゴールチャンスに関わっていた。大事なのは、彼がそういうチャンスに絡めるところまで達しているということなんだ。少なくとも一つか二つ得点を加えることが出来なかったのは、ついてなかったよ。
彼の運動量は今回もとてもすばらしかったし、ジョー･コールやスティーブン･ジェラード、アルベルト･アクイラーニといった、彼の背後でプレーする攻撃的な選手たちにとって必要なターゲットとなっていた。

（11日のインターナショナルデイについて）これについては不満だね。私だけでなく、私の同業者の90％がそうだろう。プレミアリーグでは、メンバー表に代表選手を大勢抱えていないクラブは非常に稀だ。残念なことに、FIFAはこの日をずいぶん前に決めており、8月11日がFIFAの日であることを我々はわかっていた。リーグ開幕の日をその3、4日後としたのはちょっと残念だね。私の意見では、もうちょっと開幕の日を後にして、もっとリーグ開幕が遅いイタリア、スペイン、ドイツと同じくらいの準備期間が取れれば嬉しかったよ。」

※追記）　SKY SPORTSによると、デゲンのローン移籍についてシュトゥットガルトとクラブ間も選手間も合意し、金曜にメディカルチェックを受けるそうです。