リバプール 1-1 サンダーランド

不思議な試合でした。サンダーランド戦はいつも何かある。前半と後半のチームの、同じ11人にも関わらずあの変わりようは、一体何があったのか本当に不思議でした。前半は完全に試合を支配しており、ボールを保持していつでも得点が決められるかのような試合運びでした。スアレスのゴールでリードこそしましたが、当然レッドカードのはずがイエローという判定があり、スアレスがPKを外し、キャロルのゴールはなぜか認められず、ダウニングのシュートはバーを叩き･･･そのうち一つでも違う風に行っていたら、おそらく試合は前半で決まっていただろうと思います。

それでも、後半も同じように試合を進めていけば、このまま勝てるだろうと思っていました。しかしサンダーランドが激しいプレッシャーをかけて来て相手にボールを保持されると、とたんにバタバタしてしまいましたね。ずるずる下がってプレッシャーがかからず、相手に押し込まれる展開に。これはフィットネスの問題もあったと思います。60分くらいから選手たちが明らかに疲れを見せ始め、運動量が落ちてきたのがわかりました。これはコンディショニングに失敗したのかと、本気で心配になりました。ルーカスは前半は良かったですが、後半になると疲労で動きが重くなり、アダムはそれをカバーできませんでした。中盤でフィルターがかからないと、相手は時間とスペースを得て簡単にゴール前までボールを運んで来ます。

与えたゴールはフラナガンのミスですが、彼を責めることはできません。前半の彼はしっかりとやれていたのに、失点後に明らかに落ち着きを失い、プレーが非常に不安定になりました。若さに似合わない心臓の強さを持っていると思っていたんですが、やはりまだ18歳。チームの中に、彼に平静を取り戻させるような、強力なリーダーシップや自信といったものが見えなかったのが残念でした。そもそもスタメンを見た時に「なんでケリーでなくフラナガン？」と感じたファンは大勢いたと思うんですが、理由はどこにあったんでしょうか。ケリーをCBのサブと考えたのなら、万一そこに負傷が発生した時には彼のポジションを移せばいいわけで･･･。

しかし上手く行かなかったところはあるとは言え、新加入の選手たちが4人加わっての初試合です。前半のプレーを見ると、これからのチームの可能性が強く感じられました。問題はそれを90分通してできなかったこと、そして得点が欲しいときのプランBが見えず、最後はキャロル目当てのロングボールに終始してしまったことです。まずはコンディショニングの問題を解決して、チームが90分しっかりプレスをかけられるようにならないと。アンフィールドで黒ネコさんたちの方が精力的に動けているのを見るのは、少々寂しいものがありました。

ルーカスとアダムは早く相互理解を築いて欲しいですね。彼らがプレシーズンで一緒にやるチャンスはほとんどなかったので、これから良くなっていくことを期待します。今回は4-4-2の布陣でしたが、中盤を3枚に厚くして、ここでもう少しプレッシャーをしっかりかけられるようにした方がチームが上手く機能するのでは？と思いました。しかしそうすると今度は、前線の組み合わせをどうするかという問題がありますね。この辺はケニーの腕の見せ所です。

アクイラーニはベンチ入りもしませんでした･･･やっぱり彼は今季の構想外なんですかねえ。結果論でものを言うのはすごく簡単なんですが、この試合は何か一人で流れを変えられる、彼のような選手にいてもらいたかったと感じました。

試合後のケニーのコメントです。

●ケニー（公式HP）
「この試合で思ったのは、ペペがヘッドを2、3本キャッチするくらいしか仕事をしていなくても、彼ら（サンダーランド）が見せた努力と献身を考えれば、引き分けはおそらくほぼ妥当な結果だということだ。
我々の方が作ったチャンスは少し多かったかもしれないし、アンディ･キャロルのゴールが取り消されれるという不運もあった。あれが認められていれば2-0だった。しかしサンダーランドは我々を困難に陥れ、実にハードワークをした。彼らは1ポイントを獲るに値したと思う。

（キーラン･リチャードソンへのカードの判定について）誰かが退場になるのは見たくないものだ。（選手の退場に関して）ルールブックにどう書いてあるのか私は知らないが、決定的なゴールチャンスと言うのならば、あのルイス･スアレスのキーパーとの1対1よりも決定的なものはない。
もしもボールをゴールから遠ざけていたからあれはイエローカードと言うのなら、そうだね、ゴールのまん前にいてゴールキーパーをかわしたいと思う場合、ゴールから遠ざからずにそれをやるのは非常に難しいんじゃないかな？

私たちは、誰も退場になるのは見たくない。しかし我々の立場はどこにあり、彼ら（レフェリー）がルールやルールブックの文言をどう適用するつもりなのかは知る必要がある。それが私たちが彼らに問う全てだよ。

（新戦力の起用について）初めて試合に出て行ってプレーをするというのは、非常に厳しい試練だ。特にホセ（エンリケ）は昨日加入したばかりだからね。先週はファビオ（アウレリオ）がいたから私たちは彼がプレーすることは予想していなかったんだが、ファビオが怪我をしてしまっために、ホセを入れざるを得なかった。アンフィールドで初めて本シーズンの試合を戦うに向けて喜ばしい状況とは言えない上、わずか24時間後に投入されたのだからね。

しかし彼ら全員が、君たちが記憶するような何かをこの試合の中でやってくれたと思う。全てを勘案し、我々は彼らに満足しているよ･･･しかし今からシーズン終了までの間に進歩を目指すつもりだ。

（判定に関して）何か議論が巻き起こるような試合が、（この対戦カードには）4試合ほど続いているね！ビーチボールゴールがあり、昨シーズンのここではマイケル･ターナーがフリーキックを蹴るためにゴールキーパーに向かってボールを蹴り、それを我々が奪ってゴールを決めた。それから昨シーズンのスタジアム･オブ･ライトでは我々がペナルティキックを得たが、あれはボックスの外だった。おそらく今回の試合が最後だろう！

（スアレスとキャロルの連携について聞かれて）昨シーズンは、彼らが一緒にプレーする機会があまりなかった。アンディは負傷した状態でこのクラブに加入した。今はもっと体調が戻っているようだ。彼らは問題ないだろう。」

●SKY SPORTSのレーティング
レイナ：6　することはほとんどなかった
エンリケ：6　十分手堅いスタート
フラナガン：5　時々混乱しているようだった
キャラガー：6　ほとんど試されることはなかった
アッガー：6　ギャンを押さえ込む力に
ヘンダーソン：6　なかなかのデビュー
ダウニング：6　ポゼッションを失うことが多すぎた
ルーカス：7　気合の入った仕事
アダム：8　プレーを動かしていた
スアレス：7　良いゴール、お粗末なPK
キャロル：6　多くのヘッダーに勝利
（SUB）メイレレス：5　ほとんどインパクトなし
（SUB）カイト：6　精力的なランナー