スターティングメンバーには、レイナもトーレスも、カイトもいませんでした。代わりにウィルソン、ヨバ、エクレストン、そしてジョーンズも入っている!と、希望していたフォーメーションにかなり近かったので、試合開始前にテンションが上がりました。そしてキャプテンマークを巻いたシュクルテルがトンネルの先頭に立っているのを見て、早朝にますますテンションがゴゴゴと上がりました。しかし試合が進むにつれてそのテンションがだんだん下がって行き、強烈な睡魔が・・・。若手やプレーチャンスのない選手たちに、もう少しイキのいいプレーを期待していたんですが、見所の乏しい試合に。
前線はバベルとエクレストンがコンビを組み、ウィングのポジションはヨバが右に行ってジョーが左に入りました。ヨバは開始まもなくに目のさめるようなミドルシュートを放ってバーに当て、ゴールラッシュの予感を感じさせたんですが、結局前半にチームが放ったシュートは、ほとんどそれだけだったと思います。ユトレヒトはとにかく引いて引いて、徹底してリスクを排除したプレーをしました。対するリバプールは試合の主導権こそ握っていたものの、相手の守備網に手こずって前線でパスが繋がらずボールを簡単に失い、シュートまで持っていけませんでした。それでもヨバはまだ中に入ってなんとかこじ開けようというプレーが見られましたが、ジョーの方はサイドに張り気味でほとんど消えていました。バベルにももう少しがんばってもらいたかったんですが、彼も前線でほとんど効果的なプレーができず不発。
攻撃の流れが変わったなと思ったのは、後半の早い時間にパチェコが入ってからです。エクレストンに代わったんですがそのままトップ下ではなく、彼が左に入ってジョーがトップ下に移りました。これでジョーがボールにもっと触れるようになり、パチェコがその後ろで良いボールを供給することで、攻撃にリズムが生まれたと思います。パチェコが入ってすぐにジョーにすばらしいスルーパスを送った時は、スタジアムがどっと沸きました。彼はかなり中にポジションを取るので、左の開いたスペースをアウレリオが使えていましたね。しかし前線の選手たちにお互いの意思疎通が今ひとつ合っていないのと、パチェコも良いところばかりでなく簡単にボールを失ったりして、結局ゴールには結びつかずそのまま終了しました。
ウィルソンはあまり脅かされるシーンはありませんでしたが、まずまず及第点のプレーだったと思います。ケリーは積極的に前に上がっていいクロスも上げて、彼がこの試合で一番良かったと感じました。シェルベイもエクレストンも悪くはなかったですが、まだファーストチームには遠いというのが率直な感想です。それからアウレリオからいいロングレンジのパスが何度か出ていて、彼をリーグ戦でもSBで起用して欲しいと改めて思いました。
クリーンシート、若手が良い経験をできたこと、主力をしっかり休ませられたことでは、最低限のノルマは果たしたという試合でしょうか。今日は無料でおそらくたくさん訪れていた子供たちにとっては、あまり楽しめる試合ではなかったですけどね。ジョーやバベルのようなプレーチャンスをもぎ取らなければならない選手たちには、もう少し若手との違いを見せ付けるプレーを見せて欲しかったです。ジョーが良い位置でFKを取った時は、蹴りたそうなパチェコに頑としてキッカーを譲らなかったので、結果を出したい気持ちは強かったと思うんですが、残念ながらそれが形にはなりませんでした。
シュクルテルとキルギアコスが半分ずつ出場したのは、プランどおりだそうです。カイトがおよそ20分プレーしたのも、おそらくはプランどおり。トーレスとレイナがスタメンで出なかったのは、ホジソンが昨日から今日の間に、考えを変えたからだそうです。これは本当に良かったと思います。前半にヴォルフスヴィンケル君がウィルソンとハイボールを競り合って肩から落ち、負傷退場をしました。彼の顔つきから推測してかなり重傷そうで、おそらく右肩の骨折か脱臼だと思います。こういうグループステージの消化試合でエースを長期で欠くようなことになったら、目も当てられません。ヴォルフスヴィンケル君が担架で運び出される時は、アンフィールドから大きな拍手が起こっていました。さすがです。そしてカイトが交代で出た時は、今度はユトレヒトのファンから大きな拍手が起こっていました。こういうのはいいですね。もしかしたらこの試合の一番の見所はそこだったかも。
試合後のホジソンのコメントです。非常に長いです。抜粋しようかとも思ったんですが、偏りが入るといやなので全文訳しました。
●ホジソン
(公式HP)「フェルナンドが出場して45分間すばらしいプレーをすれば、それが彼の自信を増して、おそらくゴールを決めて彼に少し勢いがつくというビジョンを私は持っていた。彼を45分間だけプレーさせるつもりだったんだ。彼はアストンヴィラ戦ではプレーしておらず、プレーすることをとても楽しみにしていた。
しかし我々がテーブルについてもう一度そのことを話し始めた時に、私には利益の可能性よりも、損失、あるいは損失の可能性の方がはるかに勝っているように感じたんだ。どの試合にも負傷のリスクは存在し、我々は明日は良いトレーニングセッションをしたいと思っている。もし彼が45分間プレーしたら明日はウォームダウンだけになっただろうが、今はフルハム戦に向けてしっかりと準備をするトレーニングセッションを行うことができるだろう。(彼がプレーしていたら)そういうことを全てあきらめなければならなかっただろうし、私は何のためにそれをあきらめなければならなかっただろうか?
もし彼がすばらしい45分間を送って2ゴールでも決めたら、本当に有益だっただろう。しかし今日のユトレヒト戦のプレー、ボールをとにかく後ろで回すようなプレーぶりの中で彼が45分間だけプレーしていても、それは全員にとって完全に時間の無駄だった。考えを変えるように説得されて、私はうれしいよ。
正直に言って、彼をベンチに入れた理由の一つは、ユースチームが出払っていて他に誰もいなかったからなんだ。私は試合に入る時はいつも、絶対に必要だと思えば彼ら(ベンチの選手)を使おうと考えている。ディルク・カイトを入れた時にそう感じたようにね。
(レイナを起用しなかったことについて聞かれて)彼は実際、私がその決断をする助けになったよ。ステアウア戦後に彼は私に、次の試合はブラッドにチャンスを与えて欲しいと言っていたんだ。そしてそれから我々は、オーストラリア代表監督が今夜の試合を観戦に来ていることを知った。
だからつまるところ、難しい決断ではなかったよ。彼は、この試合はブラッドが代表監督の前で自分の力を見せるチャンスだとわかっていたんだ。ぺぺがプレーを欲する選手であることは間違いないが、彼は私が言わなければならないことを、とても言いやすくしてくれたよ。
(若手にとって)役立つ実習だったね。今回は、試合経験が非常に、非常に乏しい選手たちのチームだったことを、忘れてはならない。シニアの選手たちでさえ、ほんのわずかの試合しかプレーしていない。そこに、ファーストチームでのプレーはおそらくわずか2試合か3試合目の若手が大勢入っていた。そのうちの一つか二つはアウェイの試合で、その点では、アンフィールドで4万人近い観客の前に、大きな期待を膨らませた熱狂的なファンたちの前に出て行き、勇気と力を持ってプレーするのは全く別物だ。
(試合の中に)ポジティブなものは間違いなくあったが、最高級とは言えなかったね。0-0という結果は決して最高級ではないし、今回は残念ながら、典型的な0-0の試合だった・・・ユトレヒトはナポリやステアウアでもそうだったように、深く引いてボールを上手くキープしていた。
具体的にポジティブだったものは、一人か二人の若手選手だったね。例えばウィルソンだが、彼は非常に良くやったと思う。ケリーもその一人で、パチェコも交代で入ってからとても良くやった。そしてブラッド・ジョーンズも、出場わずか2試合目でクリーンシートをキープした。そういう点では我々に得られるものはあり、そしてこのグループをポイントの上で首位通過できた。
さらに実に、実にポジティブなのは、トーレスとレイナをプレーさせるという当初の私の考えを破棄したことにより、ソリティオス・キルギアコスとマルティン・シュクルテルを別として、私は土曜のフルハム戦を完全にフレッシュなチームで戦えることだ。
私にとって最も満足なのは、我々がグループを勝ち上がり、もっと名の知れた選手たちを酷使することなくこの結果を成し遂げたことだ。トーレスはユトレヒト戦でプレーし、ジェラードはラボトニキ戦で途中まで、そしてナポリ戦の後半でプレーし、ジェイミーは1試合か2試合プレーしたが、メイレレス、マキシ、コンチェスキー、グレン・ジョンソンのような選手たちは、ヨーロッパの試合では全くではなくともほとんどプレーしていない。
だからそれは好材料だ。我々は余裕を持ってグループを突破した。もちろん私がそういう選手たちを起用していれば、今夜見せたよりもさらに強いチームだったはずだ。
(※実際はキャラは予選を含めると10試合中6試合に出場、メイレレスはグループステージ6試合中3試合にフル出場しています。)
しかし、この試合には我々全員が少し落胆している。当然のことながら、目指していたものではなかった。実際、試合の終盤ごろには我々は何度か悪くないチャンスを作ったが、問題は我々がファイナルサードでの技術的な能力に欠けていたことだった。我々は、本来ならば何かできたり問題を起こすことのできるはずのエリアまでボールを運んではいたが、そこでパスを繋げず、1度か2度はボールを相手に渡していた。
私はもっと満足すべきなのかもしれないが、私は自分たちがスタジアムにいる大勢の観客の前で輝くプレーを見せることを願っていたから、残念ながらその力がなかったことに、フラストレーションと落胆を感じているよ。
(ジョーの出来について聞かれて)彼は自分に高い水準を課しており、自分に妥協せず、正直な男だ。『これは自分がやりたかったパフォーマンスじゃない。自分はもっと優れていて、もっとやれる』そう考えながら彼がピッチを降りたのは、間違いないと思う。我々はユトレヒトを賞賛しなければならない。彼らはしっかりと組織され、守備で統制され、大勢の選手たちがボールの後ろに引いてスペースを与えなかった。彼らのこの大会での結果が、それを証明している。
(シュクルテルのキルギアコスとの交代は負傷かという問いに)いや。もし他にセンターバックかディフェンダーがいたら、私は彼ら2人ともプレーさせなかった。ジェイミー・キャラがーが負傷し、ダニエルも負傷しており、我々がリザーブとアカデミーでかなり買っている選手は一人二人いる・・・ジャック・ロビンソン、ジョン・フラナガン、コナー・コーディー・・・今夜はFAユースカップのユースチームの試合があり、彼らを引き抜いてユースチームを弱くしたくなかったんだ。」
●SKY SPORTSのレーティングジョーンズ:6
ケリー:7 シュクルテル:5 ウィルソン:5 アウレリオ:6
ヨバ:6 ポウルセン:4 シェルベイ:5 ジョー:5
バベル:6 エクレストン:5
(SUB)キルギアコス:6 パチェコ:6 カイト:6
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無題
トーナメントでは相手も強くなるのでトーレスの代わりとなるストライカーが絶対に欲しいです。そうでなくても補強が必要なポジションなので。
Re:無題
ストライカーは、下にすぐ上がってこられそうな若手もいないですからね~。と書いたら、今度はブラウワーのことを思い出しました・・・彼はどうしているんだろう。
無題
若手にはいい経験になったと思いましたが退屈な試合でした。
パチェコをスタメンにしてほしかったですね。
フニクラさんと同じく拍手の場面が見所だったかもしれませんね。(笑)
もしかしたら、トーレスのウォーミングアップに行ったときの拍手かも。
Re:無題
トーレスのウォームアップの時の拍手も大きかったですね~。てっきり途中から出すんだろうと思ったんですがそれもなくて、あのウォームアップはせめてものファンサービスだったのかな。
無題
スタメン観た時にフニクラさん喜んでそうだと思ったんですが、眠た~い試合内容でしたね;めんこい君が怪我しちゃって切なくなったのとヨバのシュートくらいしか前半は覚えてないです(途中でドルトムント戦に惹かれてしまってました;)スタンドの子供達も寒いのを必死に堪えてたけどつまらなそうで~せっかくの無料招待が残念^^;無料じゃなかったらガックシかもですね・・・トーレスがアップで出てきたのとカイトへの暖かい拍手だけを見に来たの?(あとホジゴシゴシ・・笑)みたいでしたし;若手君らのガツガツさを観たかったなぁ。ただ、後半途中でパチェコが出てきて流れが一瞬だけ良くなったのは嬉しかったですし、ケリーだけは十分自分のプレーに自信持って出来てたのは良かったかなぁ~です^^。
それにしてもホジのコメントはクドイし、自分で言ってて分からなくなってるのかなぁ(苦笑)選手のことも把握できてないのはガックシです;
※LFCTVでちょっとだけ見直したらエンゴクの隣にアッガー居たんですね^^ちっと良いもん観れて嬉しいです☆☆
Re:無題
>スタンドの子供達も寒いのを必死に堪えてたけどつまらなそうで~
覆面しながらちっちゃくなってる子どもはめんこかったですが、相当寒かったんでしょうね。ホジソンはまたゴシゴシしてましたね、あれは絶対カメラの標的にされてますよ。
アッガーいたんだ!気がつきませんでした。レイナは確か、ベンチ入りしていないはずなのに、私服着てベンチメンバーと一緒に座ってましたよね。一瞬でしたがほのぼのしました。
無題
起きた時点で80分くらいだったのでスタメンを見た程度なのですが、レイナやトーレスがいないので、まさか怪我か?と思いましたがそういうわけではないですよね?
メンバーは若手が多くいい感じだったみたいですね!カイトも出場できたようで。他のサイトで見た感じではヨヴァノビッチが一番得点の気配があった印象です。
カイトが拍手されたシーンは見たかったです!それと、ヴォルフスヴィンケル君は噂もあった選手なので感想をお聞きしたかったのですが怪我をしてしまいましたか…残念です
試合を見ていないので何とも言えませんが、結果や感想を見た感じホジソンのコメントでまたイライラしたくないので長いですし読むのはやめておきます 笑。せっかく訳していただいたのにすいませんm(__)m
それと以前にお話を聞いていただいたので報告なのですが、接骨院への就職が決まりました!あの時は貴重なお話を聞けてよかったです!ありがとうございます
Re:無題
ヴォルフスヴィンケル君は、怪我していなくてもほとんど見所はなかったと思います。ユトレヒトはそれくらいベタ引きでした。代わって入ったひょろっと背の高いFWもすごく若そうでしたが、ユトレヒトは前に若いFWが多いんですね。