ブラックプール 2-1 リバプール

ハフーーーー（大きなため息）。この試合はすごく期待していたんですが、昇格チームにダブルを食らってしまいました。開始3分で上がったケリーからジャストタイミングなパスがトーレスに出て、それをびしっと決めてくれたところで、「アウェイ勝利来るかっ？」と期待は極限まで膨らみました。しかしその後がね、良くなかったですね。失点の一つめは、攻めに出ようという時のトーレスの下げるパスがメイレレスと合わず、彼が何とか足を伸ばして悪い体勢で苦し紛れに出した横パスをかっさらわれて、ついたアッガーがボールをカットしようとしてするりとかわされて決められてしまいました。2点目は、ボックス内に放り込まれたロングボールの競り合いでシュクルテルが負け、折り返されたボールを中でフリーだった相手選手に決められたものです。どちらも守備のもろさを見せ付けた、まずい失点でした。

この試合は、まず先発メンバーから驚きました。ヨバとポウルセンが入っている！ケリーもジョンソンもいる！どういう並びになるのか興味津々でしたが、ケリーが右でジョンソンが左に入り、フォーメーションはユナイテッド戦と同じ4-1-4-1に見えました。キャプテンのところにメイレレスが入り、アンカーにポウルセンです。ユナイテッド戦よりもルーカスが積極的に前に上がり、守備の時は下がり、かなり広い範囲をカバーします。最終ラインは高めで、前からハイプレスをかけて行くというのも変わらず。そして極力意味のないロングボールを放り込まず、後ろから繋いで行こうという意図が見えるところが、ケニーになってから変わりました。

何が悪かったかというと、守備の不安定さに加えて、攻撃の時にファイナルサードでパスが繋がりませんでしたね。ブラックプールは非常に勤勉にプレスをかけてくるチームなので、それを上手くいなすことができずにばたばたしてボールを失うの繰り返しでした。メイレレスはどうも調子を落としているのかこの2試合は良くないし、ワイドなエリアで突破できる選手がいないのも厳しかったです。ヨバは久しぶりにチャンスをもらって気持ちが入っているのは見ていてわかりましたが、ボールを自分で持ってなんとかしようとして囲まれて奪われるの繰り返しで、あれでは厳しいです。カイトもいいところがありませんでした。疲れているのかな。

後半になると前半ほどブラックプールは激しいプレスをかけて来られなくなり、オープンな展開になりました。お互いかなりの数のチャンスを作っていて、お互いに惜しいシーンがありました。レイナが二つスーパーセーブをしてくれて、彼がいなかったらもっと簡単にリードを許していたかもしれません。この試合のMOTMはレイナです。

チャンスを作っていたので試合はどちらに転んでもおかしくない流れで、選手を交代させにくかったんでしょうが、リードされてケニーが切ったカードがカイトに代えてシェルベイだったのには驚きました。ケニーは彼をかなり高く買っているんじゃないでしょうか。しかし彼がボールに触るチャンスはあまりなく、違いを作ることはできませんでした。エンゴグが入ってからは2トップになりましたが、彼もほとんどボールに触れないまま試合終了。

残念な敗戦ですが、もちろんポジティブなことはありました。まず、トーレスが切れの戻ったプレーをしてくれたのは非常に大きい！ケリーも、この試合もとても良くやっていました。彼が右でジョンソン左という選択は間違っていなかったと思いますが、ジョンソンは左だと持ち味が出ませんね。クロスを上げにくそうだし、得意の中に切れ込んでいくプレーも、なぜか左の方がやりにくいみたいで不発。それでもコンチを使うよりも彼の方がいいと思います（コンチごめん）ので、ここは冬の補強ポイントだろうと改めて思いました。
ケニーがやろうとしている、その方向性は間違っていないと思います。攻撃の方は連携強化とキャプテンの復帰で期待するとして、問題は守備ですね～。いくらレイナが頑張ってくれてもあれだけ守備が不安定では、カバーし切れません。かと言って他に誰が入ってどうにかなるかというと、うーんうーん。アンカーを2枚にする？うううううーん。今日しきりにケニーと言葉を交し合っていた、クラークの手腕に期待しましょうか。

ブラックプールはすごく良いチームでした。改めてそう思いました。敵陣の高い位置をプレッシャーをかけるポイントにして、そこで奪ったら一気にゴールまで持っていくぞという姿勢が徹底されていました。運動量もチームの意思統一も、向こうの方が上だったんじゃないでしょうか。ホロウェイ監督は良いチームを作りましたね。彼は試合後のコメントで、「アダムが￡3.5mで獲れるって？出さないよ！」とコメントをしています。今日のアダムは確かにそんな値段だったら飛びついてしまうほど、ものすごく、ものすごーーーく良かったです、ホント。

試合後のケニーと、それから公式HPでちょっとだけ紹介しているホロウェイのコメントです。ホロウェイのコメントは、往年の名脱出マジシャン、フーディーニの名前が出てきたのがあまりに面白くて、LFC.tvの担当者が載せずにいられなかったのかも（笑）。前回の対戦の時はアンフィールドのホワイトボードにこんな → メッセージを残して行って、本当に憎めない人です。

●ケニー（公式HP）
「良いスタートを切れたにも関わらず、アウェイでポイントを獲得できなかったことに、もちろん落胆しているよ。良いパスが2つ繋がってフェルナンドが走り込み、実に上手いフィニッシュをした。
彼らの1つめのゴールは、私たちがまさに攻撃に転じようとするところで、そこでミスパスをしてしまった。公平に言って、あの選手は上手く決めたよ。2つめのゴールは、我々はコーナーはかなりしっかりクリアしたんだが、そのボールが戻され、それを捕まえられなかった。

私たちが解決できることが2、3ある。問題が自分たち自身にあるのならば、当然それを解決するチャンスがある。もし相手チームが自分たちよりはるかに優れているために起きている問題ならば、解決のしようがないけれどね。
大きなチャレンジだが、大きなチャレンジなしに仕事に取り掛かることなどめったにないよ。私にとって励みとなる兆候は、選手たちの姿勢だ。私たちはこれから、自分たちのやり方で取り組むつもりだ。選手たちの献身と努力が見られたのはとても嬉しかったよ。特に、選手たちの大勢が日曜に1時間近くを10人になって戦っていたことを考えればね。彼らは大きな賞賛に値した。

私たちはこの試合からいくつかポジティブなものを得たが、最も選手たちの力になるのは勝利を得ることだ。これまで何かを成し遂げたフットボールチームは全て、少しの運を必要としていた。おそらく今の時点では、それがちょっと私たちからそっぽを向いているんだろう。
私たちが懸命に努力すればするほど、運は向いて来る。そして運を向かせるために、私たちは非常に懸命に努力している。

（相手のボックス内でのハンドについて）私は黙秘権を使っておいた方がいいね。

（連敗について）情状酌量の余地はある。日曜には開始1分でペナルティを与え、30分に我々のキャプテンが退場した。それはあまり幸運とは言えなかったね。
ここでは、我々は良いポジションを取り、（相手の1点目で）我々があのパスを繋いでいれば、ピッチの向こうのエンドまでボールを運び、2-0を狙うシュートが打てていただろう。そうなれば試合は変わっていた。
この試合のターニングポイントはどこかと聞かれたら、あの時だっただろう。」

●ホロウェイ監督
「数ある中でも最高の試合だったと思う。リードされてからこのように挽回するなんてね。もし誰かが、今シーズンの我々はリバプールから6ポイントを取れると私に言っていたら、私はその人物に、君は完全に気が狂っていると答えていたよ。ハリー･フーディーニ（※脱出マジックが得意だったマジシャン）が着ていたような拘束衣を着ろと言っていただろうね。」

●SKY SPORTSのレーティング
レイナ：8　何度かファインセーブをした
ケリー：6　十分良くやった
ジョンソン：5　左サイドバックはやりにくそう
アッガー：5　ブラックプールの1点目で失策
シュクルテル：5　お粗末な出来
ルーカス：7　自信ありげなポゼッション
ポウルセン：6　問題ない出来
メイレレス：6　トップギアには決して入ってなかった
カイト：5　右サイドで最善の努力とは言えなかった
トーレス：7　はるかにシャープ
ヨバノビッチ：5　良く前に出てはいたが、ボールを失っていた
（SUB）シェルベイ：5　ボール扱いがぞんざい
（SUB）エンゴグ：6　ほとんどインパクトを作れず