ニューカッスル 3-1 リバプール

ここまでチームパフォーマンスが良くなっていただけに、アウェイでの流れを変えるならこの試合だろ！と非常に期待していたんですが、ホームで良くてアウェイでがっかり、のループが続いてしまいました･･･残念です！

試合は前半は一進一退、どちらに転んでもおかしくない流れでした。中盤の二人は、フィジカルなニューカッスルを相手にとてもよくやっていたと思います。特にメイレレスが良かったですね。彼とルーカスの二人はどちらが攻撃的に行くと役割が明白に決まっているわけではなく、お互いがバランスを取りながら動きますが、今日はわりとその分担がはっきりしている印象でした。しかしニューカッスルは中盤で主導権を取れなくても、そこを飛び越して前に当てて起点を作ることができます。1失点目はキーパーからキャロルへのロングボールを競ってファウルを取られ、そのFKでさらにキャロルに競り負けてゴール前に落とされての失点でした。あれはニューカッスルのお得意なパターンなので、チームがそれにしっかりと対策をしていたのか、疑問が残りました。コンチのノーランへのマークが甘かったと思います。

リードされたとはいえ、相手にほとんど決定的シーンは作らせていませんでした。そして後半開始から間もなく、カイトのハードワークに幸運が手伝って同点に！ニューカッスルはファーストチョイスのセンターバック二人が不在で、その不安定さを露呈した場面でもありました。そして立て続けにトーレスのキーパーとの1対1、エンゴグのヘッドという決定機が！どちらも決めて欲しかった！トーレスは決めなきゃいけないし、エンゴグは枠に飛ばさないと･･･。

そのままの流れならば逆転できそうな気配があったんですが、しかし続きませんでしたね～。そして流れが決定的に変わったのは、アメオビに変わってレンジャーが入ってからでした。空中戦無敵状態のキャロルにレンジャーのスピードが加わって、最終ラインが怖がってますます下がってしまいました。キャロルが空中戦に強いのは当然わかっていることで、その脅威を減らすためにはなるべく彼をゴールから遠いところに置かなければならないんですが、それができなくなりました。こうなると前と後ろが分断されて、中盤のサイドにスピードや突破力がないのが響いて来ます。そうして相手のロングボール一発から、大変お粗末な失点。高いボールの目算をどうしてシュクルテルはこんなに誤るんだろう（泣）。あわてちゃうんですかね･･･？

2失点めはシュクルテルのミスですが、それ以前に、まるで1-1でOKのように引いてしまい、ニューカッスル得意の攻撃を呼び込んだのがまずかったと思います。こうして主導権を渡して結局失点してしまうのが、今シーズン何度も繰り返されたパターンです。なんでこうなるかなあ。ビハインドになっても特に手立てをするわけでもなく、エンゴグの負傷交替と、残りわずかになってからPLでほとんどプレーしていないヨバを入れるというのが、唯一の策でした。しかしヨバを入れてどうしたいのか、チームとしての意図は全く見えませんでした。

交替カードを一つ残しながら使わず、ロスタイムに入ってからはキルギアコスを前線に残すという捨て身の奇策に！これはびっくりしました。案の定というか、キャロルに十分すぎる余裕を与えて失点。あそこは結果論としてはルーカスが飛び込んでいくべきだったかもしれませんが、後ろにシュクルテルしかいないので彼は最終ラインのフォローをかなり意識したプレーをしていたので、ヨバが行くか自分が行くか、一瞬判断が遅れたんだと思います。もう少し早く、ああいう奇策に出る以前にもっと何かプランはなかったのか。･･･なかったんだろうなあ。

後半の幸運な得点からの良い時間帯にもう1点決められていれば試合は変わったかもしれませんが、それにしても無策でした。今シーズン、前半よりも後半が良くなった試合をほとんど見た記憶がありません･･･開幕戦の、一人少なくなってからのアーセナル戦ぐらい？ホジソンは、ここまで勝ってきてるから同じメンバーで行って、あとは頑張ってねくらいしか考えてない･･･んでは･･･。顔をゴシゴシしたり座ってブツブツいう暇があるのなら、劣勢を跳ね返すべくチームに指示を送るべきなのでは、というしごく単純な疑問がわきました。確かにDFラインは非常にお粗末だったし、トーレスは精彩を欠いていましたが、そこで手をこまねいて見ているだけでは何も変わりません。

試合後のホジソンのコメントによれば、前半やっていたようなプレーを90分続ければ良かったのだそうですが、えええ？それでもリードされていたんですが･･･。アウェイの成績が悪いのは長く続いて自信が影響しているからなのだそうで、これは前任者から続いていることだからと言いたいのかもしれませんが、それでも9試合して6敗ってことはなかったんですけどね（19戦5勝6分8敗）。
BBCの動画のコメントでは、「順位表のトップハーフにいたいと思うチームとして、十分なパフォーマンスではなかった」「怒っている」と言っています。レッズはいつからトップハーフを狙うチームになってしまったんだろう。昨シーズンは悪かったとは言え10節以降に7位より下に落ちたことはありませんでしたが、確かに今季は7位に入ったら喜んでしまうような状況です。でも、少なくとも選手たちは、トップハーフで満足するようなヤツらじゃないと思うし、そういう面子では決してありません！それはファンも同じです！！ホジソンも、レッズの指揮を執る以上そういう戦い方にシフトしてもらいたい。

●ホジソン（公式HP）
「これは大きなつまずきであり、大きな痛手だ。我々は最近は良い勝利を続け、良いプレーをしていたからね。前半は良いプレーをしていたと思う･･･ほとんどのボールを保持し、相手の4バックに何度も問題を起こし、何度か良いポジションへ侵入した。
私は我々は良いプレーを続けられると大きな望みを持っていたんだが、後半の出来にはがっかりしたよ。ニューカッスルに試合を取り戻させ、我々は2失点目を喫した･･･監督としては見たくないと思うような失点だった。バートンが得点するまでに、クリアすべき状況が少なくとも3度はあった。

（アウェイでの成績を改善するためのプランはという問いに）非常にシンプルな問いだが、我々は懸命に努力しなければならない。明らかに自信が影響している。アウェイでの勝利ができない期間が長くなればなるほど、自信に影響するからだ。
今日の我々は、この試合に勝利するために十分なパフォーマンスを演じられなかった。ニューカッスルのようなチームを相手に勝利を望むなら、前半に我々がやったようなプレーを、少なくとも90分間フルに続けなくてはならない。後半はそれができなかった。あまりに何度もボールを相手に渡し、ボールを失い続けていた。前半にはやれていたような、相手のサイドでの良いボール回しが全くできていなかった。そして非常に悪い形で2ゴールを与えてしまった。

ダビドは（目の上を）何針か縫った。上手くいけば、彼はフルハム戦には問題ないだろう。水曜のユトレヒト戦でプレーするのは難しいかもしれないが、来週の土曜の試合には欠場にならないと思う。」

●SKY SPORTSのレーティング
レイナ：6　2、3度のファンブルを除き、落ち着いて見えた
キルギアコス：7　大柄なギリシャ人の良いパフォーマンス
コンチ：6　時々ボールを失ったが、必要な時に良いディフェンス
シュクルテル：6　ベストのプレーではなかったが、何度が重要なタックルを決めた
ジョンソン：7　非常に良く前に出ていたが、ディフェンスでは抑えるのに苦労
ルーカス：6　エンジンルームでハードワークをした
マキシ：6　攻守両面でハードワーク
メイレレス：7　ニューカッスルの中盤を圧し込み、良く前に上がっていた
エンゴグ：6　やむを得ず交替するまで脅威に
カイト：6　またハードワークをしていたが、時々苦労していた
トーレス：5　彼の標準からすれば、非常にお粗末なパフォーマンス。なぜ彼がホームでしかゴールを決めていないか、理由がわかる
（SUB）バベル：6　交替で入って躍動していたが、持ち前の殺戮本能は出せず
（SUB）ヨバ：5　インパクトをもたらすには時間がなさ過ぎた