ウィガン 1-1 リバプール

首位のチェルシーに勝利し、その3日後にはボトム3の、今季2勝しかしていないウィガンに引き分け。これがリバプール？･･･じゃなーーーい！ウィガンは良い時と悪い時の波が大きいチームですが、今日は良いウィガンでした。それにしても、リバプールの試合内容はお粗末過ぎました。

立ち上がりは良かったです。ルーカスの自信を感じさせるキャプテンばりの強烈ミドルシュートから始まり、ケリーはエンゾクビアに挨拶代わりの強烈タックル（やや遅れ気味のキャラテイスト）をかまし、そして早い時間帯に、キャプテンの見事なスルーパスをトーレスがワンタッチコントロールし、コールドウェルをぶっちぎってゴール！久しぶりに見たゴールデンコンビのらしいゴールに、私も写真のように輪になってくるくる回りたい気分になりました。しかしそれもつかの間、10分くらいからは相手に押し込まれる一方に。チェルシー戦の後半が80分続く、そういう試合になってしまいました。

試合開始間もなくから、ルーカスとカイトに疲労が残っているのが見ていてはっきりとわかりました。エンゾクビアが自在に動き回り、さらにフィゲロアもどんどん上がって来て、特にこちらの右サイドは、二人、あるいはキャラも加わって数的優位を作っても苦労していました。最終ラインは相手のスピードを怖がってずるずる下がり、陣形は間延びし、しかしキャプテンは前に行きたいので後ろを留守にしがちで、その広いエリアには動きの重いルーカスただ1人。選手間の距離が開いてパスミス連発、それを相手に運ばれて苦しくなるという、今季見慣れた展開がまたしても。ルーカスの横パスをかっさらわれて、一気にゴール前まで運ばれてロダジェガがネットを揺らしたシーンがありましたが、幸いにもぎりぎりオフサイドでした。

1-0でリードしてはいましたが、なんとかせにゃならんだろうと思っていたハーフタイム、ホジソンは後半開始から右サイドに入っていたメイレレスに代えてシェルベイを入れました。メイレレスは体調不良だったそうです。確かに今日の彼はパスミスが非常に目立ったし、あまりいいところがありませんでした。彼は11日間で4回目の先発で、それまでの3試合もほとんどフルに近い時間をプレーしていましたから、とうとう体が悲鳴を上げたのかもしれません。

しかしこの交代も改善にはなりませんでした。開始わずか5分でシュクルテル、コンチェスキー、シェルベイと立て続けにミスが出て、いつ得点されてもおかしくないと思った矢先、エンゾグビアに中で持たれて左に展開され、同点にされてしまいました。その前にあったシェルベイのミスは、彼の不用意なバックパスをさらわれて一気にゴール前まで持っていかれたんですが、ボールを抑えたレイナがシェルベイに向かって合図して手を叩き、大丈夫だからと励ましているのを見て、なんだか涙が出そうになりました。レイナ、レッズには君が絶対に必要です。

それからはチェルシー戦と同じようにシェルベイとカイトの位置が入れ替わり、そしてカイトに代わってポウルセンが入ってから、またシェルベイが右サイドになりました。この交代は疲労が見えるカイトをとにかく下げたかったんでしょうが、点を取りに行くという意図を感じにくい交代でした。ヨバもエンゴグもいるのに、と世界中のファンが感じたんじゃないでしょうか。試合が進むにつれてウィガンの方にも疲労が見えて動きが重くなり、お互いミスが多発する重た～い展開になりました。そんな中、ルーカスがハーフウェイラインで相手ボールを果敢に奪い、マキシに渡して、そのマキシがすばらしいスルーパスを送ってキャプテンがキーパーと1対1に！しかしシュートはバーを叩いてしまいました（泣）。あれが決まっていれば幸運な勝利が得られたかもしれませんが、そのまま1-1で試合終了。

全体の印象としては、今季の悪い時のレッズそのまんまという感じです。パスが繋がらずミスが多発、チームとしてのプレスがかからないので相手に楽々と前に運ばれ、最終ラインはバタバタ。日曜の試合があっても結局何も変わってなかった？と頭の中を疑問符が飛び交う試合になってしまいました。しょんぼりです。

サブにはDFが1人も入っていませんでした。ジョンソンは間に合わなかったそうですが、アウレリオとウィルソンはどうしたのか不明です。確かにベンチは薄かったですが、それでもあれだけ疲労の見える選手がいてどうしてヨバやエンゴグを使わなかったのが、疑問が残りました。試合後にホジソンは「最後はケリー、シェルベイ、エクレストンがピッチに立っていた。」と選手層が薄いことを彼らを引き合いに出しましたが、これは彼らに対して失礼な発言だと思います。ケリーはチェルシー戦でも今日もすごく良くやっていたし、この試合は確かに終了近くに2度ほど抜かれたシーンはありましたが、それ以外はしっかりと押さえ、後半も疲れを見せず前に上がっていいクロスを上げたりもしていて、個人的にはMOTMに推したいと思った選手です。それに、他にも経験ある選手はベンチにいたのに、シェルベイやエクレストンを選んだのはホジソン自身じゃないですか･･･。最近はコメントが普通になって来たかなと思ってたのになあ。ちょっと怒っております。
それからパチェコは今日もベンチにもいませんでしたが、スペイン人ジャーナリストBalagueは、彼はスペインのクラブへのローンに出るかもしれないと言ったそうです。ええーーー、スペインに行ったら戻ってこない気がする･･･。

試合後のホジソンのコメントです。今回はマルティネス監督のコメントも。

●ホジソン（公式HP）
「我々はこの試合の勝利には値しなかった。今日は疲労が見え、我々のパス回しは期待されるレベルからは程遠かったと思う。試合の序盤と終盤は見事だったんだが、その中間の長い時間帯については、私が我々に期待していたのとは程遠い出来だったよ。この試合で1ポイントを取れたことに関しては、この上なく幸せかもしれないと思う。

我々のゴールは、二人の際立った選手からのすばらしいワンプレーだったと思う。見事なパスと最高のフィニッシュで、我々を一歩前に押し出した。しかし我々はそれを生かせなかった。我々が試合をコントロールしていた時間帯はかなりあったんだが、特に後半開始時のように、ウィガンに思うようにやらせていた時間帯も長くあった。
我々は絶えず相手にボールを渡し、結果として彼らはアドバンテージを得て同点にした。終盤に近づくに従って我々は良くなり、スティーブンのシュートがクロスバーの低い位置を叩いたのは、おそらく少々不運だったね。しかし我々があれで勝っていたら、ウィガンに対して残酷だったよ。

（チェルシー戦のような試合ができなかった理由はと問われて）ナポリ戦、ブラックバーン戦、ボルトン戦、チェルシー戦を原因にするよ･･･選手層が薄いことが全てだ。我々には現時点で5人の負傷者がいる。我々は、マーティン･ケリー、ジョンジョ･シェルベイ、ネイサン･エクレストンを起用してこの試合を終えた。それが現時点の我々だ。上手く行けば、もうすぐ何人かの選手たちが戻って来るだろう。
ジョンソンはまだフィットしていない。私は彼の短いトレーニングセッションを過大評価しており、その次の日にどうなるかを過小評価していた。彼はフィットしていなかったんだ。
これから我々は、また厳しい試練となるストーク戦に向けて、選手たちを適切なフィジカルと心構えに戻すために、懸命な努力をしなければならない。

この試合が難しいものになるだろうということはわかっていた。ウィガンは決して悪いチームではないからね。彼らは良いスタートこそ切っていないが、自分たちが優れたフットボールチームであることを、今夜は何度も証明したよ。

（メイレレスを後半から交代させた理由を問われて）彼は具合が悪かった。回復にどれくらいかかるかはわからない。試合直前のウォームアップ中に、彼は具合が悪くなったんだ。彼はプレーしたがり前半はやり通したが、ハーフタイムにまた具合が悪くなり、そのために選択の余地はなかったよ。」

●マルティネス監督（SKY SPORTS）
「このパフォーマンスを見たら、我々が2ポイントを落としたと感じるはずだ。時には幸運が必要なんだが、現時点では我々にはそれが何もないね。しかし今夜のようなパフォーマンスができれば、結果がついてくるのは時間の問題だよ。
後ろに引いたり、屈服したり、あるいはリバプールに試合を支配させることは簡単だっただろう。しかし我々はそれをしなかった。我々は特別なエネルギーを振りしぼらねばならず、それは前半の終わり20分間、そして後半全体に現れたよ。我々の方が相手を上回っていたと思う。そして、自信に満ちていたリバプールを相手にそれが言えるというのは最大級の賛辞であり、我々が作ったチャンスの数はとてつもなく喜ばしいものだった。私は選手たちを強く誇りに思う。」

●SKY SPORTSのレーティング
レイナ：6　同点ゴールではもっと上手くやれたかもしれない
ケリー：5　ウィガンのワイドの選手から厳しく試された
コンチェスキー：5　また標準以下のパフォーマンス
キャラガー：7　何度か重要なブロックをした
シュクルテル：7　センターの守備で見事
キャプテン：7　何度か針の穴を通すパス
メイレレス：6　ハーフタイムでの交代は奇妙
ルーカス：6　最高のプレーをするのは失敗
マキシ：6　本当に試合に入っていくことはできなかった
カイト：6　スピード不足
トーレス：7　美しくゴールを決めた
（SUB）シェルベイ：5　四苦八苦
（SUB）ポウルセン：6　船を安定させた
（SUB）エクレストン：5　遅い時間の投入