アトレティコ･マドリー 1-0 リバプール

カルデロンのピッチは芝が深めでボールは転がらないし不規則に跳ねるし、ものすごくやりにくそうでした。ホームの選手たちでさえやりにくそうでしたからね。長い距離を移動してコンディションが不安なアウェイのチームを、やや重の芝でさらに痛めつけてやろうというのは王道か。そのためかミスの多い、どちらもぴりっとしない感じの試合になりました。
結果は良いとは言えませんが最悪でもなく、アトレティコは「これでいいんです」と言うでしょうし、リバプールも「勝負はホーム」と言うでしょう。アウェイゴール欲しかったですけどね。ベナユンはオンサイドでしたが、ぎりぎりだったしアウェイだし、まあ仕方がないと割り切ります。

しかし試合を通じてシュートが枠内0、枠外3本というのは、コンディションがどうであろうと決して満足できるパフォーマンスとは言えません。相手の方もそれほど決定機はなく怖さを感じませんでしたが、しかしレイナの好セーブがなければ、準決勝はファーストレグでほぼ終わっていたところでした。試合はいつものヨーロッパの戦い方で、低めに守って決して無理せず、前線と最終ラインは長ーく間延びして、相手に得点を与えないことが第一というプランです。しかし相手の得点は、こちらの守備がトホホというしかないお粗末なものでした。2人のCBがあれだけ緩かったら、どうぞゴールに入れてと言っているようなもんで･･･。ゴール前のフォルランはドフリーでしたが、あのヘッドには彼自身も守っている方もびっくりしたんじゃないでしょうか。決められてキャラはものすごく怒っていましたが、誰に対して怒っていたんだろう。自分？

前半は得点を入れられてからも決して前がかりになろうとはせず、愚直なまでにロングボール一辺倒でした。後半になると少し前に人数をかけるようになり攻撃に可能性が見えましたが、それにしてもゴールは遠かったですね。相手に上手く守られたというよりも、こちらの攻撃がお粗末でした。孤立するエンゴグと中盤の間を繋ぐのがキャプテンの仕事でしたが、なんとかしようという気持ちは見えたものの、有効な攻めは作れませんでした。バベルは･･･うん、行きたい気持ちはわかったよ。

この試合のMOTMはレッズは100%ペペ・レイナ、アトレティはペレア、なんだか似た響きの2人になりました。今季のレイナは、チームの守備が不安なためもありますが、一段上に上がった感じがします。代表に鉄壁の正キーパーがいるというのは、本っっっっ当にもったいない。今からヨーイドンで競い合ったらカシージャスに勝てるんじゃないかと思いますが、相手にはものすごい量の経験値と実績がありますからね。ジェームズのお面をかぶってこっそりイングランド代表に紛れ込めないですかね？？？カツラもいるか･･･。

●ラファ（公式HP）
「もっと良い結果もあり得ましたが、もっと悪い結果もあり得ました･･･そして、全てが決まるのはアンフィールド、我々のファンがついている場所です。
先日（ウェストハム戦）の私たちは、ゴールを決められることを証明しました。得点できる選手たちはいます。（2戦目は）私たちは前に出て、攻めなければなりません･･･私は得点できると確信しています。
今シーズンは、（リール戦やベンフィカ戦で）同じような状況を経験しており、私たちは勝っています。そして、過去にリバプールは準決勝でファーストレグを1-0で落としたことがありますが、それでも決勝へ進出しました。優勢な方はありません。1-0というのは危険なスコアですから難しいのはわかっていますが、私たちは自信を持っています。
私たちには2、3度得点チャンスがありました･･･そのうち2つは前半でした。そして、主審が取り消したゴールは認められるべきだったと思います。

（守備的MFを2人置いた布陣について聞かれて）今回の場合、両チームに得点機があったのは事実です。そしてアトレティコには2点目を決めるチャンスがありました。私にもっとストライカーがいたらと思いますが、今回はトーレスは不在でした。

（失点は）私たちにとってはまずいゴールでしたね。失点するというのはいつであろうと悪いですが、こういう失点の仕方はさらに悪いものです。落胆していますが、フットボールは試合の後に結果を変えられませんから、分析をして次の試合に改善するよう努力します。

（トーレスのシティ移籍のうわさに関して）トーレスは満足しています。今彼が考えているのは、出来る限り早く回復すること、それだけです。最初から彼がずっと言っているのは、アンフィールドで自分はとても幸せであるということです。」

●レイナ（公式HP）
「最高の結果とは言えない。僕たちは良いプレーができなかったが、ここで得点できると信じていた。それはできなかったけど、まだハーフタイム、これからアンフィールドでの90分が残されている。
カルデロンでは相手は強力なチームだから、最初から押し込んでくることはわかっていた。タフな出だしになるだろうということはわかっていたよ。しかし20分が過ぎて僕たちは落ち着きを増し、相手は後半の1度以外はそれほどチャンスを作れなかった。満足はできないけど、これ以上に悪い結果だったかもしれない。

（フォルランのゴールはハンドがあったのか、と聞かれて）ハンドがあったのかどうかはわからない。僕たちはちょっと運がなかったよ。ソトがスリップしたし、僕はもうちょっとで止められるところだった。

大事なのは、この対戦を生かし続けておくことだ。さっき言ったように、まだアンフィールドでの90分が残されている。今は僕たちはリードされた状態で、難しい戦いになるだろう。しかしサポーターたちが後ろについていてやれるチームがあるとしたら、それはリバプールだ。間違いなく。」