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FIELDS OF ANFIELD ROAD

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間もなく発売予定のトーレスの自伝「My Story」からの抜粋が、ミラー紙に掲載されています。
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僕がリバプールに移籍して最初に直面した最も大きな問題の一つは、言葉の障壁だった。僕の英語は、Fuenlabradaの学校の授業で学んだだけに過ぎなかった。自分は少しは英語はわかるし何とかやれると思っていても、実際にイングランドに来てみたら、すぐにさっぱりわからないことに気がつく。
僕は、正直にこう言えと言われた。「聞き取れませんでした、もう一回言ってもらえますか?」でも本当のところ、いつもそのアドバイスに従っていたとは限らなかった。僕はほとんどいつも、「NO」とぼそぼそつぶやくだけだった。スーパーマーケットに行ってキャッシュバックサービスを受けるかどうか聞かれた時に、いつも僕がしていたのはそれだった。スペインではそういう習慣はなくて、それが何なのかもわからなかった。彼らが何のことを言っているか、それを僕が知ったのは3ヶ月後だった。
(※キャッシュバックサービスとは、スーパーでクレジットカードで支払いをした時、商品代金を払うついでに同じカードで現金引き出しもできる便利なサービスです。クレジットで支払う時に、レジ係の人が「一緒に現金引き出しもしますか?」と聞いてくれます)
ある午後、ランチを取った帰り道、僕たちはショッピングに行くことにした。コストコのことは聞いていて、そこに行って見てみようということになった。僕たちはドアを通り抜け、そこで警備員に止められた。彼が僕たちは持っていないメンバーズカードの提示を求めているんだと思い込み、英語で説明できないために僕たちは一言も言わずにただ引き返した。次の日、メンバーでなくてはそこで買い物できないんだということを教えてもらった。

この町での最初の数日間は、2人の人間が生命線だった。ロブとアラン、リバプールが僕のために手配してくれた英語の先生たちだ。彼らがまず僕にやらせたことの一つは、新聞広告に出ている人たちに電話をし、話すことだった。電話を取って、売りに出ている子犬や、広告に乗っている子猫、または中古車の値段について問い合わせる。
狙いは、電話で英語を話すことに僕を慣れさせるためだった。しかし最初は、その狙いは僕を脅えさせた。何もわからなくてパニックになるあまり、ペペ・レイナに電話しなくてはならないほどだった。

カー・ラジオは、僕の欠かせない旅仲間になった。毎朝メルウッドへトレーニングに出かける途中、ラジオを聴いて言っていることを理解しようとした。最初はほんの数語しか理解できなかったけど、少しずつ少しずつ、自分が進歩していると感じられた。広告板の前を通るたびにそれを訳そうともしたし、日一日と過ぎるごとに、僕は上達して行った。

ある夜は、僕は電話を取り上げて食べ物を注文する勇気さえあった。それが来た時は、だいたい僕が欲しいと思っていたものだった。試合の前にホテルに泊まった時は、字幕をつけて英語で映画を見た。その他には、いつも任天堂DSの「英語トレーニング」という語学学習ゲームを持ち歩いていた。それは僕の英語の上達の役に立った。

自分がいつか電話で会話をしなければならない時が来ることを考えると、恐ろしかった。消防署と話さなくてはならないことがどれほど大変かを、想像してみて欲しい!僕の借りていた家の火災報知機はひっきりなしに鳴り、ある日の午後に僕は電話を受けた。電話の向こうの相手が地元の消防署の人間であることだけはなんとかわかったけど、それ以外は全くわからなかった。その数分後、消防車が家の前に現れ、中は出動を要請されたと思っている消防士で一杯だった。

料理の煙が早まって警報を鳴らしてしまうことを突き止めるまで、彼らは3日間に3回やって来た。その次に警報が鳴った時には、彼らはまず最初に電話をして来て、本当に出動しなくてはならないのかを確認するようになった。

僕はビートルズがとても好きだ。自分がリバプールに来るなんて想像もしていない頃から、僕は彼らの歌を聴いていた。彼らの歌を聴くのは言葉の勉強にも役立つから、今は改めて聴き直している。好きな歌は、"ペニー・レイン"と"イエロー・サブマリン"だ。

あの伝説のバンドについて僕が言えるのは、この町のシンボルということだろうか?それ以上に僕が言えることはあまりないけど、僕が受けた印象は・・・想像できたことかもしれないけど・・・リバプールの人々は、ビートルズと彼らの成功についてことさら語りはしないということだった。
人々は、彼らに対して非常に大きな敬意と賞賛を抱いている。ロンドンでは誰もが、ビートルズとリバプールFCがこの町の名前を世界中に知らしめたという事実を認識しているからだ。

僕はものすごく家にこもりがちな人間だ。そこが一番快適だし、リラックスできる。毎日の中で僕が好きな時間は、試合が許せば、オラーラと二匹の犬と一緒に夕方の散歩に出かける時だ。彼らはイングリッシュ・ブルドッグで、雄はPomo、雌はLlantaという名前だ。僕たちは家の近所に2つ公園を見つけていて、そこはリラックスできて静かで、まさにほっとできる場所だ。

家では、僕たちは友人や家族とボードゲームをして過ごす。モノポリーやScatergory、ホテルなんかをやり始めたら、本物のバトルになる。趣向を変えてカードゲームをやることもあるが、典型的なフットボーラーがやるポーカーのようなゲームや、スペイン式の40枚のカードを使うMusやPochaはやらない。でもトランプに似たスペインのゲーム、BriscaやTuteでは遊ぶ。

テレビも見るし、スポーツニュースだけではなく、世界の最新ニュースを知るのが好きだ。好きな番組は'The Dog Whisperer'と'Super Nanny'。

僕はスタンレー・パークが大好きだ。アンフィールドとグディソン・パークを隔てている公園で、ナイキのSpanish number 9のCM撮影で訪れた時に知った。チェスターにも行ったし、海岸の町フォーンビーへも行った。天気が許すなら、そこでラズベリー・ソースのかかったFlake99(※アイス)をばくばく食べるのが好きだ。

僕たちはリバプールに完璧に適応しているけど、食事だけは今もスペイン時間でやっている。イングランドの食事の時間は早すぎると思うから、僕たちはスペイン時間でバーベキューを準備した。エバートンのミケル・アルテタも含めて、数人が集まった。ある日曜日のことで、僕たちは庭で食べ始め、その日はいい天気で、妙な雲はあったけど僕たちは何とも思わなかった・・・空が裂けて、雪が降り始めるまでは。そう、雪だ!それ以来、わずかでも天気が崩れそうな気配があったら、僕たちは庭ではなくガレージの中に準備をする。

リバプールでの最初の数ヶ月間は、僕は永遠に金づちやドライバーやペンチ、スパナに囲まれているみたいで、まるで新しい主人を発見したかのようだった。家具を組み立てること。そこら中に道具が散らばっていた。
スペインでは、僕は洋服ダンス一つさえ組み立てたことがなかった。しかしここイングランドでは、僕は自分が、なんとかそれをやるか、さもなければ箱がほこりをかぶるままにしておくか、どちらかを選ばなくてはならない立場にいることに気がついた。時には、最終的にどうしようもなくなったベッドに行き着いて腹を立てていることになろうとも・・・しかしなんとかなるものだ。

仕事を終わらせてやるという僕の決意は、例えば2007年のある夜は深夜までやり続けた。チャンピオンズリーグのホームのオリンピック・マルセイユ戦で1-0で敗れ、僕は不機嫌になって家に帰って来た。気持ちを晴らすためにはリビングルームの家具を二つ組み立てるのが一番だ、と僕は考えた。それを終えたのは午前4時だった。

僕はリバプールでのナイトライフをまだ経験したことがない。チャンピオンズリーグの試合後に2度ほど出かけたけど、そこではいろんなことが見られる。僕が一番驚いたことの一つは、誰もコートを着ないらしいとうことだ。皆が着飾ってドレスアップしていて、それでもほとんど誰も何も羽織っていない。それが氷点下をあまり上回っていないぐらいの気温であってもだ。僕がやりたいと思っていることの一つは、パブで試合を見ることだ。皆が、ファンがビールを片手に試合を観戦する時の情熱のことを僕に教えてくれる。

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こういう記事を読むと、「アマゾンで予約・・・」とそわそわしてしまいます、商売上手め(笑)。キャラの自伝発売の時も、ミラー紙に抜粋が何度か掲載されていました。結局買ってしまいましたが、まだ読破できていません。しかしハマンの日本での逮捕のくだりはとても面白かったです。
トーレスのこういうインタビューを読むと、彼があまりにも普通の人間であることに驚かされます。スター性満点なのに、私生活は真面目というか堅実というか地味というか。奥さんと犬と公園を散歩するのが何より好きとか、浜辺でアイスを食べるのが好きとか、世界中が注目するCLの試合に負けた鬱憤を晴らすのが日曜大工とか・・・。彼の好きなTV番組はどんなものなんだろうと調べてみると、'The Dog Whisperer'は犬のしつけに関する番組、'Super Nanny'はスーパーベビーシッターが子育ての悩みを解決する番組だそうです。ここまで来ると、どんだけ勉強熱心なマイホームパパだよと笑うしかないですね。彼のとてつもない普通っぷり、そうあり続けられることには脱帽です。

ミラー紙にはパート2も出ています。
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はじめまして

はじめまして、ル タレックといいます。数ヶ月前にこの場所を発見してから毎回見ています。いつもコメントしようと思っていたのですが、コメントを一度もしたことがなく、やりかたがわからなかったので、今回は情報を調べて、勇気を振り絞って送ってみました。このサイト(ブログ?)は本当に最高です。英語もわからない僕にとってはリバプール情報を知る唯一の場所です。話はかわりますが、トーレスのDSの話は驚きました。トーレスもDSやるのか、と思いました。また、トーレスはサッカーから離れたら普通の人なんだなと僕も同じく思いました。トーレスはプレイヤーとしても、また人としても本当にいい人なんだなと思いました。質問なのですが、英語はどのようにして勉強されたのですか?僕も英語マスターして一度はアンフィールドでYou'll never walk aloneを聞きたいと思っています。最後に、コメント、文章下手ですいません。またよろしくおねがいします。

Re:はじめまして

はじめまして、コメント本当にありがとうございます!もしよろしければ、これからも気楽にコメントいただけると嬉しいです。文章下手なんてとんでもない!レッズ愛が伝わってきます。
英語の勉強は英会話スクールに通ったこともありますが、ほとんど独学です。学生時代は英語が大苦手で単位を落としたほどで、英文見るのもいやという人間だったんですが、レッズのニュースを見て何が書いてあるか知りたいという欲求の方が勝ちました(笑)。だから辞書を使ってなんとかかんとか、です。あやしい部分もたくさんあるんですが、これからもよろしくお願いいたします。

無題

いやー普通ですね~なぜ鬱憤を家具を作ることで晴らすのか?個人的に謎です。スーパーナニーって日本でも世界丸見えで紹介してましたよ!英語も家庭のことも勉強熱心なんですね◎でも、何よりもリバプールの生活を楽しんでくれているようでそれがなによりうれしいですね!ビートルズは俺も聞くぜートーレス~「A DAY IN THE LIFE」が好きです。

Re:無題

>なぜ鬱憤を家具を作ることで晴らすのか?個人的に謎です。
ですよね!かえってイライラするし疲れるんじゃないかと思うんですが、面白い人だ。でもおっしゃるようにリバプールの生活を楽しみ愛してくれている、それが何よりです!
スーパーナニーって丸見えで紹介するような人気番組なんですね。そしてmikoさん、なかなか通好みの歌が好きなんですね~。私が一番好きなのはベタにIn My Lifeです。

無題

フニクラさんこんにちは☆
トーレスの普通っぷりについては時々耳にしてはいましたがこう詳しく描写してあると改めて驚かされますね!英語習得に至るまでのくだりなどまるで語学留学生の体験記^^;私もトーレス同様家にいるのが好きな方ですが、そんな凡人の私から見てもこれは素晴らしい!と思える地味さ☆☆有名になって人やお金に囲まれてもこんな普通な生活が保てるとは…本当にスゴイ。すばらしいです。しかし最近マイホームパパは初めての子育てにちょっと疲労蓄積かな???と密かに心配しています。

Re:無題

mickyさんこんにちは!
子育ては私も少し気にしています。夜泣きで悩まされたりしていないかな、と・・・。なんだか真面目に子育てしてそうですからね(笑)。まあ近くにはそれに関しても先輩のレイナ夫妻がいますから、夜中だろうと何だろうと電話をかけまくって助けを呼べるでしょう。なんたって「いつでも来い」のレイナ様ですからね。
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