Rafa:いつものように、大勢のサポーターがチームをサポートするためにやって来ていました。そして帰途に私たちが空港で出会った時、彼らは歌いジャンプし・・・警察はどうしていいのかわからなかったようです。彼ら(サポーター)は私を歓迎するために走り寄って来て、彼ら(警察)は私にどうしようかと聞いて来たんです。私は大丈夫、彼らを近づけてくださいと答え、彼らは私を囲んで歌い、ハグをしました・・・。
AS:まるで人々の監督のように感じていますか?
Rafa:私はリバプールの監督だと感じていますし、それを大きな誇りを持って言えます。
AS:しかしここ数週間、サポーターは圧倒的にあなたを守りに行動を起こしてきましたね・・・。
Rafa:何よりもまず、リバプールのサポーターたちは非常に目が肥えており、チームが勝利に見放されていた状態から、ここ3年でどれだけ進歩したかを理解しています。彼らはそいうこと全てをとても感謝していると私は思いますし、日を追うごとに彼らの愛情をひしひしと感じています。
AS:そういう監督へのサポートは、スペインでは考えられませんね?
Rafa:スペインに限らず、他のどこでも起こるかどうか私は疑問です。インターネットでの嘆願、デモ、スタジアムでのサポートのチャントやバナー・・・彼らは信じられないですよ。そして、私たちは彼らにとても感謝しなくてはならない、私はそう力説します。
AS:そういう大衆のサポートが、オーナーのプレッシャーにブレーキをかけたようですね・・・
Rafa:物事は落ち着き、私たちは全ての試合に集中し、チームは非常に良い結果を出しています。
AS:オーナーとあなたの関係はどんな感じですか?
Rafa:個人的なレベルでは、関係は良好です。プロフェッショナルとしての面では意見の相違がありますが、いったん会って話し合えば、全ては解決して誤解以上の何物でもなくなるでしょう。
AS:彼らがリバプールにいないというのは問題になりますか?
Rafa:距離があるということが物事をやや難しくはしていますが、だからこそ一度彼らがここに来れば、全て解決するでしょう。
AS:アメリカ人たちと面と向き合う話し合いに、何を期待しますか?
Rafa:私たち全員が望んでいるのはリバプールにとってベストのことですから、私たちはお互いにとても良く理解し合えると確信しています。
AS:(オーナーたちとの)状況がこんな風になると知っていたら、あなたはリバプールに来ていたでしょうか?
Rafa:私は、仮説に基づいた仕事はしないという長所を持っているんです。私が言えるのは、ここリバプールでとても満足しているということ、そして長い間ここに残りたいと心から願っているということです。
AS:しかしイングランドではいろいろなことが起こっているように見えます。あなたはよくイングランドの哲学について語りますが、それは失われつつあるように見えます。今シーズンはすでに5人の監督が首を切られていますよね。
Rafa:おそらく、プレッシャーが高まっているんでしょう。誰もが計り知れないほどの結果を望み、投じた資金のためにそれはさらに高まり、そのためにオーナーたちは(投資の結果を得ることについて)ナーバスになっています。しかしこれからは物事は落ち着くでしょうし、イングランドの習慣に従って、監督たちが彼らのプロジェクトを成し遂げるための時間がもっと与えられるようになると思います。
AS:プロジェクトについて話しましょう。リバプールはプレミアの優勝候補でしょうか?
Rafa:人々がリバプールが費やした資金について話す時には誤解があるように思いますが、私たちは資金を使っている一方で、多額の資金を取り戻しています。私たちはトップに迫るチームと似通ったポジションにありますが、最大のクラブとは近くはありません。細かく分析すれば、ユナイテッドは7000万ポンドを費やし、私たちは4000万ポンドあまりを使う一方で、2600万ポンドを取り戻しています。多くの人々は私たちが多額の資金を使ったからタイトルを勝ち取らなくてはならないと考えていますが、そういう多額の資金を使っているクラブは、チェルシー、ユナイテッド、ウェストハム、アストンヴィラなど他にもたくさん存在します。ですから、タイトルを勝ち取れる保証はどこにもありません。アーセナルは長年にわたって若手の選手たちに多額の資金を投入しており、今はその配当を受け始めています。トップに位置する全てのチームが多額の資金を使っていますが、タイトルの保証はありません。プレミアは獲得するのが難しいですよ・・・チェルシー、ユナイテッドはとても大きなクラブですし、彼らは何年もに渡って築き上げてきたものがあります。
AS:今年のプレミアにおけるタイトル争いは、さらに多くのチームが加わって激しい戦いになっているように見えますね。
Rafa:ええ、トップ4ばかりではありません。どのチームも調子が良ければ相手を倒すことが出来ますから、戦いは全てのチームの間で行われています。
AS:チャンピオンズリーグの話に戻りましょう。あなたたちは間違いなくビッグクラブと対戦します。イタリアかスペインか、もしくはマドリーかバルサか、個人的な希望はありますか?
Rafa:グループステージを勝ち上がるためには非常に厳しい戦いをしなくてはならず、私たちは今はただこの瞬間を楽しんでいます。どのチームが私たちにとってベストか、そういうふうな考えはありませんよ。
AS:そして、日曜にはマンチェスター・ユナイテッドを迎えます・・・
Rafa:それがあるから、私たちはこの幸福感を他の試合のために置いて行かなくてはなりません。マルセイユから戻る飛行機の中で、私は何人かの選手たちと、私たちが改善できたものを確認するために話をしました。賞賛は人を弱くすると私は思いますし、1ゴールを上げたからと言って安心は出来ません。もしそれで安心してしまったら、他のゴールを達成しそこねるでしょう。
AS:個人的な選手について話しましょう。フェルナンド・トーレスはどうですか?
Rafa:私たちは彼には非常に満足しています。彼は優れたメンタリティを持ち、リバプールでとても幸福にやっていると思います。彼はこのチームの一員であることを幸福に思っており、サポーターは彼の事を喜んでいます。
AS:彼がスペインを離れてから、何が成長したんでしょうか?
Rafa:彼の肩からプレッシャーが抜けたんだと思いますよ。アトレティコでは彼は唯一の責任を負った選手であり、クラブの重荷を全て背負わなくてはなりませんでした。しかしここでは彼は多くの経験を持つほかのチームメートたちとプレッシャーを分け合い、それは彼を助け、彼に自信を与え、彼を落ち着かせ、むしろチームプレーヤーにしています。
AS:そういう選手の一人が、スティーブン・ジェラードですね。人々はいつも、あなたたたち二人が非常に良い関係にはないと言っています。
Rafa:それは、プレスの間を巡っている間違った伝説というやつですね。再三再四繰り返されているために、人々は最後には信じてしまっています。こういうことが起こるのは残念ですし、それが真実でないからなおさらですね。スティーブンはすばらしい人間で、私たちの関係は非常に良好ですよ。
AS:今は、イングランドで監督をしているスペイン人監督がもう一人いますね。
Rafa:ファンデ(ラモス)は優秀な監督ですし、スペイン以外の国で指揮をするスペイン人監督がもっと増えるというのは重要なことです。それはスペインの監督たちのレベルを証明することですからね。
AS:彼がこれから直面するだろう、最も大きな問題は何でしょうか?
Rafa:言葉の問題がまず最初です。通訳を介しては言葉のニュアンスまでは伝わりませんからね。英語で物を言えるということは、有効なコミュニケーションが取れるということです。言外の意味を伝えたり、グループを鼓舞したり、そういうことが可能です。非常に複雑なものですよ。
AS:あなたがここに来て以来、このチームが最高のリバプールでしょうか?
Rafa:そうです。このチームは大きく成長しています。この選手の集団には様々な選択肢があり、多くの場合は若手の選手ですが、質の高い選手たちの間にもあります。私たちはまだ発展途上の段階で、私がチームはもっと成長できると言っている理由はそれです。しかし能力のある選手たちがおり、プレミアの中で非常に重要な選手になれる可能性を持つ選手たちがいますよ。彼らには才能がありますからね。
AS:1月にはさらにチームを補強する予定ですか?
Rafa:エインセの獲得を失敗し、さらにアッガーが怪我で離脱したっために、私たちはセンターバックに問題を抱えています。このために、私たちは34歳のヒーピアとキャラガーを全試合で起用することを強いられています。ほとんど週に2回試合があること、そしてここのプレーの激しさのために、それを続けていくのは簡単ではありません。私たちはセンターバックを一人連れてきて、そのポジションでのチームのバランスを取ろうと考えています。
AS:ラ・リーガについてはどう見ていますか?
Rafa:まだ自分たちのリズムを見つけていないチームがいくつかあるように思いますし、レアル・マドリーは勝利を続けてアドバンテージを広げていますが、他のチームにもまだ復活の余地はあり、そうなればもっと激しい争いのリーガになるでしょう。
AS:バルサはそういうチームの一つでしょうか?
Rafa:バルサには力がありますし、彼らは以前に良いプレーをしていたんですから、再び必ずそれが出来るはずです。
AS:そしてロナウジーニョは?
Rafa:離れたところから話すのは難しいですよ。彼は今もすばらしいフットボーラーだと思いますが、彼の日々の状況がどうなっているのかはわかりませんので、何か意見を述べるのは適切はないでしょうね。
AS:もう一つ、厳しい状況の中にいるチームがあります。バレンシアです。
Rafa:私は同じお答えをしますよ。この場合は、私はバレンシアのことを良く知っており、彼らに対してもっと大きな敬意を持っていますから、そういう問題についてコメントするのは正しいことではありません。
AS:しかしクーマンとは数回対戦していますから、彼らの監督については話せますよね。
Rafa:彼とではなく、彼の率いるチームとね。もしも私がクーマンと選手として対戦したら、彼は間違いなく私を倒しますよ。私たちがベンフィカと対戦した時は、良いプレーが出来ませんでした。残りあと数分という時にフリーキックからの失点をしてしまい、2戦目は苦しい戦いに直面して、彼らは私たちをチャンピオンズリーグから叩き出しました。PSV戦の時はもっと運が良かったですね。私たちは良いプレーをしました。しかし私たちが彼のチームと対戦する時はいつでも、彼らは良い働きをして危険な状況を生み出し、私たちはポジティブな結果を出すためにはかなり良い仕事をしなくてはなりませんでしたよ。
AS:クーマンはシステムを変更すると主張していますが、あのチームが精神的なダメージなしでそれを出来るとあなたは思いますか?
Rafa:私は選手たちが最も重要だと考えますし、それは明白なことです。そして、賢い選手たちがいればシステムをいじることは出来ますし、相手の弱点を見つけてチームの強さを最大限に生かすことが出来ます。選手またはシステム、どちらかひとつのみを語ることは出来ないと思いますよ。両方が一体となる必要があります。
AS:別のチーム、アトレティコはどうでしょう。トーレスなしで良くなっています。
Rafa:私が唯一言えるのは、幸運にも、フェルナンドは私たちとここにいて、私たちは彼にとても満足しているということです。アトレティコが良くやっているのなら、彼らのために良いことです。
AS:唯一しっかりと結果が出たのは、代表チームでした。
Rafa:あのことは、人には忍耐が必要という証明ですね。監督を信頼すれば、最後には彼らはその考えをチームに浸透させることが出来、結果を得るのが容易になるんです。スペインは個々の能力があり、そして今は彼らは、自分たちがチームとして働き、グループとして良いプレーが出来るというところを見せています。今は、彼らがどこまで行けるか見守りましょう。
AS:そして、リバプールはどこまで行けるでしょうか?
Rafa:出来る限り。私たちのプロ意識、そして私たちのサポーターはそう要求します。
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公式のインタビューと違って、他紙のインタビューは聞きにくいような質問が入ってくるのがおもしろいところです。最後のラファの一言は心強いですね。次は日曜、またマルセイユ戦のような、気持ちの入ったチーム一体のプレーを見せてくれるでしょう。そして今回は必ず勝つ!!!
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