英国の
SPORT誌10月2日号に掲載された、トーレスのインタビューです。
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Sport:リバプールはシーズン最高のスタートを切ったとは言えませんね、フェルナンド?今のドレッシングルームの空気はどうです?
Torres:そうだね、トッテナムと、そしてホームでアストン・ヴィラと序盤に2敗して、僕たちにとっては難しい時だった。でも今は改善されつつあるし、僕たちはもっと良いプレーが出来ていて、順位表の中位と下位のチームを相手には特にだ。それが過去の僕たちの弱点だった。それについては満足していいはずだけど、これ以上さらに改善しなくてはならないことはわかっているよ。
Sport:ウェストハム戦で2ゴールを決める前には、世間はあなたが調子を取り戻そうともがいているようだと言っていました・・・これまでのご自分のプレーには満足していますか?
Torres:うん。昨シーズンは僕にとって長いシーズンで、何度も怪我をしたし、その後にはコンフェデレーションズカップがあった。でも僕は元気だよ。たくさんの試合でプレーしていて時々ほんのちょっと疲れは感じるけど、でも大丈夫だ。もう少し自分のフィジカル面を強化する必要はあるけど、でも今はフィットしている。
Sport:今シーズンの何試合かでは、スティーブン・ジェラードがもっと深い位置でプレーし、ディルク・カイトがあなたの後ろのホールの位置に入っています。あなたと、そしてチームが、ジェラードが深い位置に下がることで何かを失いはしませんか?
Torres:そう、それは試合次第だね。スティービーがペナルティボックスに近いところでプレーするのが、僕たちにとって本当に良いことだというのは誰もが知っている。彼はそこで実に危険な存在だからね・・・ほとんど毎試合ゴールを決めることが可能だ。そして、ストークやバーンリーのようなチームとの試合では、彼はミッドフィールダーとしてプレーすることが多くなる。でもそれも僕たちにとって本当に良いことなんだ。彼はボールを動かし、ボールを持って動くことが出来るからね。それで僕たちは、ストライカーを二人置いてもっと攻撃的にプレーすることが出来る。今の僕たちは、そういう試合で楽に勝利を重ねている。だからチームにとって良いオプションだと思うよ・・・僕たちは違うやり方でプレーでき、勝利を重ねている。
Sport:あなたはリバプールでは1トップでプレーしていますが、一方でスペイン代表では大抵はダビド・シルバとペアを組んでいます。どちらが好みですか?
Torres:どっちでも構わないよ。1トップでプレーする時は背後に複数のディフェンダー、センターバックたちを背負うし、2トップでプレーする時も、もう一人がボールを受けるために下がるから多かれ少なかれ同じなんだ。僕はいつも、最終ラインの前でプレーし、相手センターバックの間に留まろうとしている。だから1トップでも2トップでも多かれ少なかれ同じなんだ。僕にとっては全く問題はないよ・・・肝心なのは、チームが勝つことだ。
Sport:リバプールのスペイン隊の一員として、シャビ・アロンソとアルバロ・アルベロアが夏にレアル・マドリーへ去ってしまったことを悲しく思いましたか?
Torres:僕たちにとって難しいことだったよ。彼らは友達だし、このチームにとって重要な選手だからね。でも僕たちが考えなくてはならないのは現在と未来についてで、彼らはもうここにはいない。彼らのレアル・マドリーでの成功を祈るよ。でも僕たちは、今いる選手たちのことを考えなくてはならないんだ。ルーカスは進歩しつつあり、僕たちにとって重要な選手になりつつあると思う。そしてグレン・ジョンソンはすばらしいシーズンスタートを切った。彼はもう既に2ゴール決めていて、それはライトバックとしては驚きだよ・・・僕たちはこれからもっと決めて欲しいと思っているけど、もし今シーズンこれ以上ゴールできないとしても、もう十分だよ!彼は僕たちにとってとても重要な選手であり、チームで最も重要な選手の一人だ・・・彼はディフェンスもできる、完璧な選手だよ。僕たちにはこの選手団があり、それで出来ることをやらなくてはならないんだ。
Sport:2週間前、ペペ・レイナはリバプールを今シーズンのタイトル候補と考えるのを「非現実的だ」と言いました。あなたはそれに同意しますか?
Torres:たくさんのチームがプレミアリーグ優勝を狙っているんだから、困難だろうということは僕たちはわかっている。でも僕は、僕たちは自分自身を信じなくてはならないと思っている。僕たちには、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシー、シティ、アーセナルと同じようにチャンスがある・・・自分たちは優勝できるんだと信じ続けなくてはいけない。そうやって、シーズンの最後にどうなっているかを見てみようじゃないか。
Sport:このチームで改善しなくてはならないとあなたが感じている、特定のエリアはありますか?
Torres:僕は一つのチームとして考えている。リバプールの強さの源はそれで、一つのチームとしてプレーする時、僕たちはどこであろうと倒せる。僕たちは一つのチームとして改善し、ホームで順位表の中位や下位のチームと対戦する時に、もっと強さが必要だ。そういう試合で僕たちはもっとポイントを取れると思うし、その上でユナイテッドやチェルシーと互角にやれれば、トップに立てるだろう。でもまだシーズンの終わりのことを考えるのは早すぎる・・・今現在は次の試合のことを考え、それから後で何が起きるかを確かめるよ。
Sport:あなたはアトレティコ時代に既に、自分が忠誠心のある選手であることを証明しています。しかし現在25歳で、もしもリバプールがすぐにトロフィーを獲得し始めることが出来ないとしたら、移籍を考えるまでどれくらい待てますか?
Torres:僕たちには忍耐が必要だと僕は思っている。違うかい?僕たちにはすばらしい選手たちがいて、まだ若い・・・ダニエル・アッガー、マルティン・シュクルテル、ルーカス、そしてスティービー、彼ら全員がこれからまだ長い間プレーするだろう。僕たちは辛抱強くなくてはならない。そしてトロフィーを獲得出来た時には、僕たちは十分な強さを備え、さらにいくつも獲得できるはずだ。僕はプジョルが話してくれたことを覚えているよ。彼は24か25歳で、バルセロナで無冠のまま7シーズン目を送っていた・・・そして今の彼を見ると、全てを獲得している。だから、我慢強くなくてはならないんだ。リバプールのような巨大なチームでプレーしていれば、トロフィーを獲得できる。
Sport:あなたは自伝の中で、「アトレティコ」であることの意味を語っています・・・「支配者層と戦うこと、厳しい道を歩むこと、権力に対抗する人々」あなたはリバプールにそれと似た性質を感じますか?
Torres:うん、僕は二つのクラブと、町の人々のことを考える。リバプールは労働者の町で、人々は毎週厳しい労働をし、それから週末にはフットボールで幸せを感じようとする。だから、マドリーととても良く似ているよ。僕はマドリー郊外の労働者階級の町で生まれ育ち、アトレティコはあの都市の貧しいチームだった・・・レアル・マドリーのような巨大なクラブの横にある、小さなクラブだった。そういう暮らしは楽じゃないけど、それは人を強くさせると思う。相手チームと戦うだけじゃなく、他のあらゆるものとも戦わなくてはならない。
Sport:戦うという言葉は、あなたの今シーズンのこれまでに受けた目の周りのあざの数を考えるとふさわしいですね。あなたは、ご自分がいつも相手ディフェンダーのターゲットになっていると感じていますか?
Torres:(笑)いや、正直に言えば、どっちの時もディフェンスに頭をぶつけたのは僕の方からだったからね。だから僕の責任なんだ。僕は自分のフィジカル面をもっと強くしなくてはならないことを認識しているけど、それがフットボールだよ・・・こういうことは時々起きる。でも別に重大なことじゃない。
Sport:あなたが初めてリバプールに来た時、ラファが最初に言ったことの中に、プレミアリーグでやるのにはあなたは痩せすぎているというものがあったという話は本当ですか?
Torres:(笑って)そうだよ、彼はまずハローと言って、その次に言ったことはこうだった。「明日メルウッドに行ったら、まずはジム行きだな。」だから僕は行ったよ。
Sport:ベニテスはそれなりにプレスの悪評を受けていますね・・・彼と仕事をするというのは、実際のところどうですか?
Torres:ラファは本当にプロフェッショナルな監督だ。彼は、チーム全体と一人ひとりの選手をどうやって成長させるかを、いつも考えている。彼はあらゆる細かいことを認識させようとするし、本当に誠実な人だよ。チームをさらに強くしようと常に努力しているけど、僕たちは自分たちが世界一金持ちのクラブではないことを知っている。マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーと競い合いたいなら、チームをもっと強くする必要があることはわかっているから、それをやっているんだ。僕たちはその途中で、将来的には選手をもっと獲得できる資金を得られることを僕は願っている。でも今シーズンは今ある戦力だ・・・そして、その中で自分たちのできる限りのことをやろうと努力しなくてはならない。
Sport:カルロス・テベスは、マンチェスター・シティに移籍する前に、ユナイテッドのファンに対する尊敬の気持ちから、絶対にリバプールには加入しないと発言しました。オールド・トラフォードに移る可能性について、あなたは同じことを言うでしょうか?
Torres:うん、そう思う。マンチェスター・ユナイテッドとリバプールの間の感情を、僕は理解できる。僕は外国人選手だからそういう風に考える必要はないのかもしれないけど、リバプールのファンがどう感じるかを知っているし、ここに来た時に僕が受けた歓迎を覚えている・・・それはまさに驚くべきものだった。だから、僕はリバプールは僕の英国のクラブだと思っている。長い間ここでプレーしたいと思っているし、もしかしたらここでキャリアを終えるかもしれない。それはわからないけど、リバプールは僕の英国のクラブで、他の所でプレーすることは考えていないよ。
Sport:アトレティコで、地元出身の若者で上がって行った人間として、リバプールにとってのスティーブン・ジェラードとジェイミー・キャラガーの重要性ををどれほど感じていますか?
Torres:全てのビッククラブに、アカデミーから上がって来た選手たちがいる。スティービーやキャラのようにね・・・彼らはリバプールの心臓であり、精神であり、このチームの魂だ。僕たち全員が、彼らから学ばなくてはならない。彼らはそういうやり方を示してくれる人間なんだ。リバプールで少年時代をすごし、今もここにいる、チームのキャプテンたちだ。僕たちは彼らを尊敬し、彼らから学ばなくてはならない。
Sport:キャラガーの言うことは理解出来ますか?
Torres:(笑って)うん、もちろんだよ。正直に言うと・・・来たばかりの頃は、本当に難しかったよ。特に彼が他のスカウサーと話している時はね・・・でも今は理解できるよ、ちゃんとね。
Sport:最後に、あなたがここに着たばかりの時に、リバプールがあなたの英語教師として雇った二人の人物が、地元紙の広告に電話をかけさせたというのは本当ですか?
Torres:うん、彼らは僕に、何でも尋ねさせたよ。犬、猫、売っている動物、イグアナとか何でもね。あれは、そうだね、いい経験だったよ・・・。
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トーレスの目の周りのあざについて、彼は「自分からぶつけたんだから自分のせい」と言っています。一度ぶつけて流血の怪我をして、それでもまたすぐにぶつかって行く、そういう得点に対する執念がいいですねえ。彼のインタビューを読むと元気を貰えます。
このSPORT誌というのはフリーペーパーなのか、オフィシャルサイトから本誌をPDFファイルでダウンロードすることが出来ます。そこにはプレミアの6人のストライカーの能力判定も出ています。
速さ
巧妙さ
強さ
決定力
空中戦
BOXの外
人気
PLのゴールレート
合計(240点満点)
|
ルーニー
22
22
26
22
19
26
26
20 (0.37)
183 |
ドログバ
22
16
28
27
24
21
11
22 (0.43)
171 |
トーレス
26
22
20
28
23
24
25
28 (0.68)
196 |
ファンペルシ
23
22
21
25
17
24
19
18 (0.33)
169 |
アデバヨル
24
17
25
25
24
22
10
23 (0.46)
170 |
デフォー
26
17
17
28
9
21
24
19 (0.34)
161 |
これはトーレスの記事ですから、少々サービスが入っているでしょう。彼の人気はルーニーの次。やっぱり英国人選手は人気が高いんですね。ゴールレートは、9月25日までの30試合の集計だそうです。ちなみに今季のこれまでのトーレスのPL得点レートは1.07です。昨季は0.73、一昨季は0.85でした。
それからトーレスのインタビューと全く関係はないんですが、今ちらちらと報道されているジレットのラファに対する発言についてちょっとだけ。報道されているのは、9月26日のハル戦の前にサポーターズユニオンSOSのメンバーがジレットとアカデミーで会談をした一問一答からの抜粋で、既にチェルシー戦前にはサポーターの間で話題になっていたのを、プレスがこの時とばかりに取り上げ、しかも内容を微妙に編集してラファ批判のように繋いでいるものです。ジレットはラファを直接非難こそしていませんが、クラブの財政は健全だとか、スタジアムを建てられないで批判されているのはヒックスのせいだとか、18ヶ月で選手獲得に£128m使ったとか、まあいろいろ怪しい言い訳をしています。SOSは早速
「ジレットは信用できない!」とその内容に対して反論しています。
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どうも
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こんにちは
Re:こんにちは