チェルシー戦後に、リバプールについて書かれた2つの記事をご紹介します。テレグラフ紙とタイムズ紙からです。
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リバプールの選手たちは、スティーブン・ジェラードとフェルナンド・トーレスの影から出て来いアラン・ハンセン
(テレグラフ紙)ピッチの上で一つミスをしたのは選手たちで、それは監督ではない。しかしリバプールの一番の問題は、彼らがスティーブン・ジェラードとフェルナンド・トーレスに頼りすぎていることから生じている。
ジェラードは今シーズン序盤のボルトン戦で彼らを救い、トーレスはウェストハム戦で同じことをした。しかしあのゴールとインスピレーションを、他の場所でもやり始めなくてはならない。ジェラードとトーレス以外、今は誰もいない。
グレン・ジョンソンはポーツマスからやって来て以来違いをもたらしているし、ヨッシ・ベナユンはファイナルサードに創造性を与えることが出来る選手だ。しかし、もしベナユンにそれだけの力があるなら、ベニテスは彼を日曜のチェルシー戦でスタメン起用しただろう。
アンフィールドでハルに納得の快勝をしてからわずか1週間で、その後のフィオレンティーナ戦とチェルシー戦の敗北で、ベニテスにとっては全てが振り出しに戻ってしまった。
浮き沈みがあまりに大きく、良い時と悪い時のパフォーマンスに落差があり過ぎる。ある週は彼らはすばらしく、次の週は谷底だ。しかし、もしもこういうことが続くならば、今シーズンのリバプールは何も勝ち取れないだろう。
リバプールは決してパニックに陥るようなクラブではない。従って、私はベニテスにいかなるプレッシャーもかかってはいないと思う。この段階でそれはあり得ない。もしも彼らがチャンピオンズリーグ出場権を逃すようなことがあれば、その時にはプレッシャーがかかるだろうが、私はリバプールがトップ4に入る方を支持する。
しかし、彼らにとっての懸念材料は、マーク・ヒューズのチーム、マンチェスター・シティが2試合少ない状態で彼らと同ポイントということだ(※日曜日の時点)。私はシティにチャンピオンの可能性はないと見るが、彼らは強力な戦力となりつつあり、リバプールは既に8試合で3敗である。リバプールはまだチャンピオンになる可能性はあるが、そのためにはクリーンシートをキープし始めなくてはならない。彼らがセットプレーで守備に着いている時はいつであろうと、ゴールを許してしまうのではという恐れがある。それを続けているわけにはいかない。
トーレスは相手側のペナルティボックス内では恐ろしい存在だが、リバプールのコーナーキックの守備ではニアポストにポジションを取り、そこでやられ続けている。そこはベニテスが取り組まなくてはならない問題だ。
ジェイミー・キャラガーはリバプールのレジェンドだが、彼は今シーズンは不調のスタートを切り、個人的なミスをあまりにも多く犯している。チェルシー戦では、二つのミスが二つのゴールに繋がった。
もしこれが続くならば、ベニテスはどれだけ長く彼を使い続けるだろうか?キャラガーはこれまでこのクラブのために非常に良くやって来ており、それは彼を起用し、プレーをさせ続けることを許している。彼は平気で切り捨てるにはあまりに優れた選手だ。私はチャンピオンズリーグ準決勝で彼がディディエ・ドログバに対応し、1つのキックも許さなかったのを見た。しかし、現時点ではあまりにもミスが多すぎる。
チャンピオンズリーグ出場権を逃すことは、リバプールに壊滅的な打撃を与えるだろう。しかし私はまだ、日曜にアーセナルがブラックバーン戦で6点を取ってはいても、彼らの方が大きな危険があると見ている。
リバプールはとにかく浮き沈みを根絶し、全てを安定させる必要がある。チェルシーはゆっくりと歩んではいるが、彼らは気を緩めることなく、ウィガン戦の敗戦から二つの勝利で立ち直った。日曜の彼らは非常にプロフェッショナルで、まさに我々が予想していた通りのプレーをした。派手さはなく、これぞまさしくチェルシーというパフォーマンスだった。
1月には彼らはマイケル・エッシェンとドログバをアフリカネーションズカップで欠き、それは痛手になるだろう。彼らはチェルシーの重要な選手たちだ。昨日(※日曜)のドログバは半分の仕事しかしてはいなかったが。
彼がチャレンジを受けて倒れると毎回足を押さえて転げ回るのは、道化芝居のようになりつつある。誰か、彼の監督かプロフットボール協会でも、ひとこと言う必要がある。
しかし彼がたとえ1試合で175回転げまわろうとも、起用されるだろう。それだけ彼がチェルシーにとって重要な選手だからだ。
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1シーズンを占う、リバプールにとって命がけの3試合、9日間トニー・バレット
(タイムズ紙)ジェイミー・キャラガーは、今シーズンのこれからのリバプールの野望は、インターナショナルブレーク明けの「重大な週」に形を作りそうだと認めた。
日曜には、チェルシーは今シーズンにリバプールを破った3つ目のバークレイズ・プレミアリーグのチームとなった。最近のこの停滞は、2度目のタイトルチャレンジに挑むにはラファ・ベニテスのチームは戦力不足であるという確信に、油を注ぐのみである。
彼らは最近のチャンピオンズリーグでのアウェイ戦、フィオレンティーナ戦に敗れ、リバプールはヨーロッパでも予想外のプレッシャーにさらされている。ベニテスの元で活躍を続けて来たこの大会での彼らの運命は、グループEでのリヨンとの連戦によって決まるかもしれない。
このフランスのクラブとの最初の対戦は、プレミアリーグの二つの試合に挟まれている。10月17日(土)にはアウェイのサンダーランド戦、そして10月25日(日)にはマンチェスター・ユナイテッドがアンフィールドにやって来る。リーグでのリバプールの不安定な序盤を考えると、この3連戦は運命を決する1週間と喧伝され、注目を集めるはずだ。
しかしながら、賭けられているものの大きさをよく理解しつつも、キャラガーは大きな視点を保つことを強く望み、その一方で調子と結果を上げることの必要性を認めている。
「インターナショナルブレーク前に敗れるというのは、絶対に嬉しいことじゃない。こういう大一番なら特にだ。しかし俺たちは、もうそれを過去のものにしてしまわなくてはならない。」このディフェンダーはそう語る。
「代表の奴らを元気良く送り出せたら嬉しかったんだが、そうはいかなかった。今回は、忘れてしまわなくてはならないことになったよ。
俺たちが戻って来たら、サンダーランド、ユナイテッド、リヨンとの3連戦という重大な1週間が待っている。しかし、リバプールの選手なら毎週が重大なんだ。今好調のサンダーランドのアウェイに赴くには、ベストの状態でなければならないことを俺たちはわかっている。」
リバプールがスタンフォード・ブリッジでの2-0での敗戦で許したゴールは、クラブのトレーニンググラウンドでの議論の対象となりそうである。
1点目は、ハビエル・マスチェラーノが相手陣内でボールを失い、チェルシーは瞬時のスピードでボールを運んでカウンターアタックを仕掛け、ニコラ・アネルカがファイナルタッチをする時に大きなアドバンテージを取った。2点目は、フローラン・マルダが混戦の中から至近距離で得点を決める前に、ディディエ・ドログバがキャラガーに勝った。
他には決定的なチャンスやゴール前でのプレーはほとんどなく、その2つの瞬間が、チェルシーが首位に立ってリバプールがそこから6ポイント離されるのに決定的な役割を果たした。
キャラガーのコメントによれば、それはこの二つのチームに差をつけた「小さなこと」であり、この元イングランド代表センターバックが改善が必要と感じているのはそこである。リバプールが不安定なシーズンから脱却するために、のどから手が出るほど欲している勢いをつけるために。
「チェルシー戦は、その悪名が知れわたるほどタイトだ。そしていつも、ほんのちょっとの能力やミスが試合の流れを分ける。」キャラガーはそう語った。「しかし、1点目では俺たちは中盤でボールを失い、2点目では俺自身がもうちょっと上手くやるべきだったと思う。
俺は、自分たちはかなり良くやったと思ったし、試合のほとんどの部分をしっかりやれたと思う。しかしそれでも2-0で敗れた。このレベルでは小さなことがそれほど重要で、自分たちが改善しなくてはならない所があることはわかっている。首位とは差があり、俺たちはそれを埋めなくてはならない。」
レッズの守備面●リバプールは今シーズンのプレミアリーグとチャンピオンズリーグにおいて、2点差以上の負けを既に過去2シーズンよりも多く喫している。
今シーズン:リバプール1-3アストンヴィラ フィオレンティーナ2-0リバプール(CL) チェルシー2-0リバプール
2008-09:ミドルスブラ2-0リバプール リバプール1-3チェルシー(CL)
2007-08:レディング3-1リバプール ユナイテッド0-3リバプール
●リバプールは弱い相手は叩いているが、タフな試合では苦戦している。彼らは最も厳しい6つの相手に、それぞれ少なくとも2ゴール以上を許している。
トッテナム2-1リバプール リバプール1-3アストンヴィラ ボルトン3-2リバプール ウェストハム2-3リバプール フィオレンティーナ2-0リバプール(CL) チェルシー2-0リバプール
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負けた後にこんな記事を紹介しやがってうぜえ、とか言わないで下さい(汗)。上手くいっていない時はいろいろと考えたくなるし、この記事を書いた二人はどちらもレッズ愛満載だと思うので、耳を傾けたくなるということでご勘弁を。
キャラ批判は止みそうにないですね。チェルシー戦の彼は良かったと思いますが、わずかのミスでも失点に繋がればそこは批判されるのがディフェンダー、しかも彼はそれだけのレベルを求められる選手ですから、いたしかたないところです。それに、チームのディフェンスに何らかの改善が必要なことは間違いありません。
2点差以上の敗戦が過去2シーズンを既に上回った、というデータにはちょっと驚きました。で、その敗戦のCBのセットを見てみると、2007-08は順にキャラ+ホッブス、キャラ+シュクルテルでした。2008-09はヒーピア+キャラ、キャラ+シュクルテルです。2008-09のボロ戦は、シュクルテルが右SBに入ったのがまだ記憶に新しい一戦です。
アッガーが入って最終ラインは改善されるか、ということは別としても、今のチームには彼の後方からのビルドアップ能力が必要でしょう。彼は腰があまりに痛くて引退も考えた、なんて最近のデンマークメディアにコメントしていますが、ととととんでもない。ではアッガーを入れるとして、今の二人のどちらを外すのか。
開幕のトッテナム戦のキャラには、一体どうしたことかと思いました。しかし彼のミスが目立つのは今季突然始まったわけではなく、昨シーズンもそれは感じました。それが年齢から来る衰えなのか、そうではないのかはわかりません。しかしシュクルテルがいいかと言うと、彼もまた集中を欠いたようなミスが目につきます。ピーク時のプレーはもう望めないかもしれないキャラと、これからの伸びが期待されるシュクルテル。これは難しい。
もちろん決めるのはラファなんですが、個人的にはキャラとアッガーでこれから行って欲しいと思っています。キャラの経験と最終ラインの統率能力、チーム全体を鼓舞する力を失うのはもったいない。彼がスカウサーであることを別としても、もう少し頑張って欲しいと思っています。そして3人が競争することで、それぞれのパフォーマンスをさらに上げていってくれるのを期待します。さらに若手にも下から突き上げて来て欲しいですね。
エジプトで戦っていたケリーの最終戦は後半だけ見ましたが、彼はひときわでかくて、わかりやすくて便利でした(笑)。コーナーキックでは彼がターゲットになっていて、後半開始直後に2度ほど惜しいチャンスがあったんですが、残念ながらキャラの後は引き継げませんでした。決めたのはシティの選手で、ゴール後に「キャラガー以来、12年ぶりのゴールです!」としっかり実況されていました。ケリーはCBでしたが時には右からぐりぐり上がっていいクロスを供給し、ラファが右SBで起用したくなる理由が改めてわかりました。1-1の残り10分ほどからは最前線に上がりっぱなしで、彼の高さによる得点能力もチームの中で買われていたようです。
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こんにちは
いまは御殿の輪郭も少しぼやけてしまってます・。
この二つの記事、レッズ愛のある人の話なら素直に聞けますね(笑)
私は攻撃面は問題にしなくていいんではないかと・。ただトーレスが怪我でもしたら・という大きな不安はありますが・(恐)
でもやっぱり問題なのは中盤より後ろだと思います。
キャラガーの個人的な問題もそうですが、動きが重なってる場面が多過ぎますし、調子が悪いにしては長過ぎますよね・。
それにチームの重心がどこにもないというか、アラン・ハンセンさんの言うとおり、チームの中にも安定感をもたらす存在が欠けていますよね。
長いリーグ戦を戦う上では安定感は重要なのに・。
今月10月は大きな山ですね。ラファに問題はなく、選手の問題ならラファが解決できると信じます。問題にラファが関わってない事を願います。
あとキャプテンはどこかおかしいですね。先月の代表戦あたりのキャプテンとは別人です。
チェルシー戦を観たカペッロもビックリだったんではないでしょうか・。
Re:こんにちは
キャプテンはどうも好不調の波が激しいですね。本当にどうしたんだろうと思います。「俺が引っ張ってったるわ!」というプレーを見せて欲しいですね。
無題
コンディションさえ整えばまだまだやれると思うし、これからは昨年のサミみたいに出たときに最高のパフォーマンスを見せてくれるというのもありだと思います。
ということで個人的にはアッガーとシュクルテルを望みます。
シュクルテルは今シーズンは集中力の欠如が見られるので、それを改善してくれれば。チェルシー戦では対人はうまく対応してたと思いますし。
ほんとにキャラガーを外すのはチームのメンタル的にも惜しいですが、ここは思い切るしかないと思います。
Re:無題