7月3日にトーレスがリバプールの選手になってから1年、オフィシャルサイトで彼が1年前の出来事を振り返っています。また、Champions Magazineにリバプールでの暮らしについて語った内容がタイムズ紙に紹介されています。
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●トーレス
(オフィシャルサイト)「『これが‘au revoir'(※フランス語で'また会おう')で、さようならではないことを願っている。』これは、12年間在籍したアトレティコ・マドリーを去る時に、僕が用意していた最後の言葉だった。クラブは今まで常に、そしてこれからも常に僕の中で大きな一部になるだろう。でも新しいチャレンジに向かう時はやって来て、僕がそれをやるのにリバプールフットボールクラブよりも良い舞台はなかった。これが今までの僕のフットボールキャリアの中で一番重要な決断だったことに、疑いの余地はなかったよ。
アトレティコ・マドリーでのピッチの上の出来事は、その前の年よりも良いものではなかった。シーズンの最終日に、僕たちはそれまで1年間のほとんどを守り通して来たヨーロッパ参戦の順位を逃した。またしても、僕は自分たちが目標を達成出来なかったという気持ちを抱いて休暇に入った。僕たちが9月からずっとやって来た懸命な努力全てが、瞬く間に消え去ったんだ。
夏は、休みを取ってシーズンを振り返る時といういつも通りに始まった。でも1本の電話が全てを変えたよ。リバプールの監督ラファ・ベニテスが、彼の新しいプロジェクトの中で僕を欲しいと言ったんだ。午後の遅い時間で、彼は僕が犬と散歩している所を捕まえたんだよ!電話が鳴った時、僕はそれが外国からだということに気がついた。電話は取らなかったよ。次の日に僕はもう一度電話を受けて、今度はそれを取った。ラファの声を聞いた時、僕は固まったね。彼から電話が来るなんて予想もしていなかった。彼は自分の計画と考えを僕に説明し、僕は、彼はアトレティコ・マドリーのオーナー、ミゲル・アンヘル・ヒルと話すべきだと答えたよ。クラブ間で合意に達することができる限りは、そこには何の問題もなかった。僕はこれが単なる一オファーではないと感じたよ。偉大なクラブ、イングランドフットボールで最も成功したクラブ、どんなワールドクラスのストライカーでも追いかけることの出来た彼らが、僕を求めていた。
リバプールFCは、名誉ある過去とエキサイティングな現在、そして輝かしい未来を持つ世界で最も偉大なクラブの一つだ。あのラファ・ベニテスからの電話で、僕はリバプールがエキサイティングな新しいプロジェクトの一部として自分を欲しがっているということを、はっきりと知った。アンフィールドのクラブは世界のどんなストライカーも選べたんだし、僕は自分がその役割に選ばれたことを誇りに感じて光栄に思ったよ。僕はアトレティコ・マドリーにリバプールからのオファーを検討して欲しいと頼み、取引は僕が想像していたよりもずっと早く決まった。実際僕はその時は休暇に入っていたんだけど、瞬く間にリバプールの選手になっていたよ。
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タイムズ紙より、リバプールでの生活について)なんだかもう、この人(ラファ)は僕に息もつかせない、と思う日もあるよ。そういう時は、彼はただ自分の成長を望んでいるだけなんだってことを忘れてるんだよね。何もかもがだいたい上手く行っているチームにいる時は、どうしてもリラックスしがちになる。でも常に自分を駆り立てていなくてはならないんだ。絶対に自己満足してはいけない。一日一日、全力を尽くさなくてはならない。
リバプールのようなクラブでは、20ゴール以上を決めたからといって『よし、終わった。』と椅子にふんぞり返っているわけにはいかない。20ゴール目を決めた後も、ラファは次のトレーニングセッションの間中僕のそばにいて、毎日、毎週、僕を取り仕切るんだよ。
彼は、独り立ちして新しい課題に取り組めと言う。僕は、安心せず、自己満足せず、生涯成長していたい。そして、近くにそれを続けろと言ってくれる誰かは必要なんだ。それがなくては不可能だよ。そういう人に近くにいて欲しいとはあんまり思わないかも知れないけど、長い目で見れば、絶対にみんな彼に感謝するはずだ。
僕はスティーブンには本当に感嘆している。彼が毎日受けているプレッシャー、皆が朝から晩まで彼のことを話していることで受けるプレッシャーを僕は知っている。更衣室で、パブで、スタジアムでね。彼はもっと強くなるべきだ、性格的な強さを持つべきだと人々が言うのを僕は聞いたことがある。
僕は経験上、そういうことを扱うのがどれほど大変かを知っている。リバプールは巨大なクラブだからね。そして彼は違うレベルの人間だ、もちろんね。
人々は離れた場所から彼に目を光らせて批評する。毎日スティービーにはそういうことが起こっていて、そして彼はいつでも期待される全てに対処している。彼は常にその一挙一動にものすごいプレッシャーを受け、誰もが彼にリーダーシップと、チームを鼓舞する力を求めて見ている。
彼はすばらしいお手本だよ。そして似たような状況にいたことのある僕たちのような人間は、それがどれだけ大変なことかを知っている。周りで何が起ころうとそれに影響されない彼の振舞い方は、信じられないぐらいだ。僕もいつかは違うチームでキャプテンをやりたいと思っているんだけど、スティービーは僕に、偉大なリーダーとはどういうものかを見せてくれている。
(ガールフレンドのオラーラについて)彼女は、落胆してわめいたり嘆いたりされることに我慢しなくてはならなかったんだ。僕がアトレティコにいた時は特にね。今は彼女自身も楽しい時を過ごしているよ。
彼女は、僕が暗いトンネルを抜け出す方法がわからない時に僕をなだめる方法や、寝ている僕を起こす方法を知っているんだよ。僕に励ましが必要な時、彼女はそれをしてくれる。共に暮らす人というのは、自分がどれだけ落ち込んでいるか気づいていない時、そこから救い上げてくれることの出来る唯一の人になるんだ。」
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厳しく自分を成長させてくれる監督、偉大なキャプテン、自分をわかってくれる優しいガールフレンド、彼が「リバプールで幸せ」と頻繁に口にするのはリップサービスでも何でもなく、心からの言葉なんだなあと改めて思いました。さらに彼には良き友人にして頼れる隣人、偉大なエンターテイナーのレイナと、どこよりもクラブに強い愛情を注ぐファンたちがついています。良い環境に恵まれて、2シーズン目にさらなる成長を期待したいですね。
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