DIC始動？

昨日から、DICがクラブの株式取得間近というニュースが、各紙一斉に報道されています。

この話題についてはずっと他紙に先駆けて詳しく報道しているテレグラフ紙によると、DICは最終的に￡400mから￡450mの間でクラブの買収を目指しているそうです。
買収は2段階に分かれ、DICは最初の1段階の期限を3月中旬に設定しています。ジレットとDICは数ヶ月に渡って株式売却の交渉を続けて来ており、彼の持分50%について基本的に売却で合意。DICの銀行家と弁護士のチームがリバプールFCに入り、クラブの帳簿を精査する許可が数日のうちに与えられるだろう、とのこと。
第2段階はヒックスの持分50%の取得になりますが、これはヒックスが拒否。少なくとも短期間は彼は役員に残るだろう、としています。

ヒックスとジレットは、昨年クラブを買収した際の協定で、どちらがクラブの株を売却するにしても、まずは第3者に先駆けてお互いに売却をオファーをしなくてはならないそうです。ジレットは協定に従ってまずヒックスに話を持ちかけましたが、彼は50%を取得する資金の調達に失敗したと記事は言っています。

この一連の報道について、ヒックスは公式HPで否定のコメントを発表しています。

●ヒックスオーナー（公式HP）
「英国のメディアで報道されている、私がリバプールフットボールクラブの株式を売却するとか、そのような売却に備えて、DICがクラブの帳簿を分析出来るように彼らを招き入れるというような話･･･利己的な意図を持った集団による、英国メディアに仕掛けられたそのような報道は、完全に、そして断固として誤報です。
現実は、私は個人的に、そしてプロフェッショナルとして、財政的に、このクラブとサポーターにコミットしており、現在もこれからにおいても、最大限の力を尽くしてその献身という名誉を果たし続けるつもりです。」

また、週末のミドルズブラ戦ではヒックスの息子が現地で試合を観戦。その後まっすぐにサポーターたちの集まるアンフィールド近くのパブ、The Sandonを訪れましたが、そこで「オーナー出て行け」というチャントを浴びせられ、つばを吐かれ、パブを早々に退散することになりました。その件でこうコメントしています。

●トム･ヒックス･ジュニア（Liverpool Daily Post）
「僕が友人たちとThe Sandonを訪れたのは、クラブが誕生した場所を見たいとかなり以前から思っていたからです。それに、サポーターたちと直に話をする機会も望んでいました。一部の客が僕たちに対して大きな意見の相違があることは尊重しますが、そういうことはつきものです。
僕は短い滞在の間に建設的な会話を交わしましたし、次回リバプールに行く時も彼らに会うのを楽しみにしています。」

●サポーター同盟"Sons of Shankly"会長Nicky Alltのコメント（Livrepool Daily Post）
「彼があそこを訪れたと聞いて、全く驚いたよ。彼は二人のボディガードと一緒にパブに立って、最初は彼らだけでいたそうだ。しかしそれから、リバプールサポーター同盟の一人に近寄って来た。
彼は『状況はどうなっている？』『クラブに負わされた負債はどうなる？』『ヒックスとジレットはお互い話をしているのか？』『テキサスからどうやってクラブを運営するんだ？』などとという質問をされていた。それから、周りの人間が口を挟み始めたんだ。」

-----------------------------------------------
ヒックスとジレットの仲の決裂はジレットの息子がリバプールを去った時からもうプレスの中では規定事項で、一連のラファ解任報道から資金の借り換えまで、ヒックスが盛んに発言しているのに対して彼が完全に沈黙を保っていることからも容易に想像できます。遅かれ早かれ彼がリバプールから撤退するだろうということはずっとうわさされていましたが、3月中旬までにそれは実現するんでしょうか。ヒックスのコメントはとても言葉通りには受け取れませんが、本当にクラブ所有にこだわっているのか、単なる価格吊り上げの駆け引きなのか･･･。個人的には、資金力に不安のあるオーナーには早々に出て行って欲しいです。
ヒックスジュニアはああいう風になることはわかっていながら、なんでまたのこのことサポーターの集まるパブを訪れたんでしょうか？しかも「友人」というボディガードまで引き連れて･･･この親子のやることは本当にわかりません（苦笑）。