熱く踊った夏

今回の移籍市場も冬に続き、最終日に大きな動きがありました。中でも驚きだったのは、クローズ30分前に公式HPにアナウンスされた、「メイレレス、移籍志願書を提出」というニュースでした。その後間もなく、移籍完了が正式にアナウンスされました。チェルシーの公式HPによると、4年契約だそうです。移籍金は￡12mと見られています。

最終日の早いうちに、「どうやらメイレレスの移籍はなさそうだ」という情報が複数のジャーナリストから出ていたんですが、大どんでん返しでした。とは言え、「やっぱりそうか」と感じた人も多かったのではないかと思います。

昨シーズンあれだけ良いプレーをしてくれた彼にプレシーズンから移籍のうわさが絶えなかったこと、クラブが中盤の選手を次々と獲得したこと、プレシーズンからの起用法、アジアツアーでの彼の表情、何かおかしいなと感じることはいろいろとありました。考えてみれば、アジアツアーに彼が帯同するのかどうか、危ぶんだ時期さえあったんですよね。この移籍は降ってわいたように起こったのではなく、ずっと以前から水面化で進行していたんでしょう。ヘンダーソンをいち早く獲得したのも、今になってみれば納得です。

メイレレスの方が先に移籍を望んだのか、それともクラブが先に放出を考えたのか、それは今のところわかりません。どちらにせよ、彼がリバプールから心が離れてしまったのなら、放出やむなしでしょう。サイドからトップ下、真ん中まで複数のポジションを高いレベルでこなせて、チームにいてくれるととても心強い選手ですが、今のケニーの起用法を見ると、キャプテンが戻って来ればなおさらベンチの公算が高い。それに彼が納得できなかったんだとしたら、その気持ちは良く理解できます。

ただ行先がチェルシーっていうのはね、やっぱり腹が立つ（苦笑）。昨シーズンの彼のプレーは忘れませんし、暗い状況の中での光になってくれたことは大感謝していますが、残念ですがこれからの活躍は祈れません。今季は絶対、リバプールはチェルシーより上に行ってもらいたいです！またダブルだっ！いや、トリプルだっっ！！！

最終日はその他にも出入りがあり、コモリにとって忙しい一日になりました。まず、エンゴグのボルトン行きが正式に発表されました。移籍金は￡4mと見られており、ボルトンの公式HPによると3年契約だそうです。コイル監督がこうコメントをしています。
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●オーウェン・コイル監督（ボルトン公式）
「ダビドは私たちのスカッドのすばらしい補強となるだろう。彼は速く、ゴールを決めることができ、プレミアリーグを完全に熟知している。加えて彼は、リバプールでチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグを戦い、欧州戦の経験がある。彼はジュニアレベルで何度も母国を代表しており、我々のチームに攻撃のオプションを増やしてくれるだろう。能力があり、将来性のある若い選手をまた一人ボルトンに連れて来ることができて、我々は喜んでいるよ。」

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コイル監督は優秀な監督さんだし、ずっとエンゴグを欲しがっていましたので、彼にとってこれは良い移籍だと思います。頑張ってレギュラーをつかんでもらいたいです。トゥンジャイに負けるな！

ジョー・コールはリールへの1年ローンが決まりました。ガーディアン紙によると、彼のサラリーの60%、週給￡60,000はリバプールが払う契約だそうです。このローン移籍にエデン・アザールの優先交渉権をつけようとしたそうですが、それはリールに拒否されたと書いています。しかし、ジョーのローンに年俸￡3mをリバプール側が持つことで、今後1年のアザール獲得交渉にアドバンテージが取れるかもね？ってことだそうです。

さらに、デゲンがクラブと選手の両者合意の元に契約を解除したこともアナウンスされました。うわさはちらほら出ていましたが、クローズまでに移籍がまとまらなかったようです。

入る方では、ベラミーの獲得が決まりました！シティとの契約を解除したフリーでの移籍で、2年契約です。メディカルチェックではMRIを使ってひざの状態をみっちり検査したそうで、大丈夫という診断だったんでしょう。ポジションとしては第4FWということになるでしょうが、スタメンを取ってやるぞという気合の入ったプレーを期待しています。２桁ゴールくらい決めてほしいですが、彼はゴール以外でも前線からの鬼チェイスでチームに貢献してくれますから、これからが楽しみです。

最終日は嬉しいだけの一日になってもらいたかったんですが悲しいこともあり、熱かった夏の市場はとうとうクローズしました。獲得した選手、放出した選手を見てみます。

IN
ヘンダーソン･･･￡16m　アダム･･･￡8m　ドニ･･･フリー
ダウニング･･･￡20m　エンリケ･･･￡6m　コアテス･･･￡7m　ベラミー･･･フリー
合計･･･￡57m

OUT
コンチェスキー･･･￡1.5m　アジャラ･･･￡0.8m　インス･･･0.1m　マヴィンガ･･･￡0.5m
ヨバノビッチ･･･フリー　エル・ザール･･･フリー　キルギアコス･･･フリー
インスーア･･･フリー　ポウルセン・・・フリー？　エンゴグ･･･￡4m　メイレレス･･･￡12m
アクイラーニ･･･ローン　パチェコ･･･ローン　グラクシ･･･ローン
ダービー･･･ローン　ハンセン･･･ローン　J･コール･･･ローン
合計･･･￡18.9m

差引･･･￡38.1m

これからシーズンを戦うREDMENはこれで揃いました。では、ホームグロウン・ルールに沿ってメンバーを見てみるとどうなるでしょうか。
 

ホームグロウン枠 （8名以上）	外国籍枠 （最大17名まで）	U-21枠 （数の制限なし）
キャプテン キャラガー ジョーンズ ジョンソン ダウニング スピアリング キャロル ベラミー	レイナ ドニ エンリケ アッガー アウレリオ シュクルテル ルーカス アダム スアレス マキシ カイト	ウィルソン ケリー コアテス フラナガン ロビンソン スターリング ヘンダーソン シェルベイ コーディ ・・・・・・
計8名	計11名

PLのスカッド登録は25名までですが、8名＋11名＝19名になりました。昨シーズンは21名登録しましたので数だけ見れば少なくなったものの、実際にはその層ははるかに厚くなったと感じます。19人にはスタメンをどうしようかと悩みたくなる実力あるメンバーがそろっており、加えてU-21枠にもスタートから使いたい選手が何人も入っています。

この夏の取引には、個人的には大大大満足しています。メイレレスが残っていたらもう一つ大がついたかもしれませんが、まあしゃーない。「中盤多すぎでどうするんだろう？」と思った時もあり、CBとLSBの補強はないんだろうかと危ぶんだ時もあり、ファーストターゲットを逃して地団太踏んだ時もあり、さんざん踊ってしまいましたが、最終的には第4FWまできっちり、必要なポジションに的確な補強をしてくれたと思います。若干不安なのは唯一ルーカスの控えのところですが、ケニーはこのスカッドでやれると判断したんでしょう。

獲得だけでなく、放出の方も思い切って動きました。フリーで放出した選手がずいぶん多く、戦力外と判断すれば数合わせのためだけに選手は置かないという、クラブの厳しい意思が感じられました。もちろん年俸削減という経営上の理由もあったでしょう。

コモリとヘンリーは本当に良くやってくれました。お疲れ様でした！これからはケニーの仕事です。これだけしっかりと補強をしてもらっちゃあ、言い訳はできませんね。このスカッドをキングがどこへ導いてくれるか、期待でワクワクしながらこれから力いっぱい応援します！COME ON,REDMEN！