強くなった･･･のか？

4人の選手を獲得して、どうやら補強の方はひと段落した模様。今後の方向について書かれた、タイムズ紙のトニー･バレット記者の記事をご紹介します。
-----------------------------------------------------
リバプールの夏の補強は、差し当たっては終わりを迎えた。クラブの目下の最優先事項は選手獲得よりも放出であることを、ケニー･ダルグリッシュは確認している。
￡40mの獲得資金を使ってスチュワート･ダウニング、ジョーダン･ヘンダーソン、チャーリー･アダム、アレシャンデル･ドニを獲得し、リバプールのオーナーであるフェンウェイ･スポーツグループ（FSG）は、売却によって支出の少なくとも一部を取り戻したいと考えている。

ダルグリッシュはまだ移籍市場でセンターバックとレフトバックを求めているが、彼の更なる補強は、余剰人員と見なされている大勢の選手たちを放出した場合にのみ実現しそうである。
リバプールの監督は、この夏のここまでにクラブが行ったビジネスに関して満足している。しかし彼は、自分のスカッドを整理する必要性がより緊急であると認識している。「自分たちのこれまでの仕事に、私たちは満足しているよ。」ダルグリッシュは語った。「さらに補強があるかどうかは今のところは様子見で、出て行く選手次第だ。」

リバプールはクリスティアン･ポウルセン、ブラッド･ジョーンズ、フィリップ･デゲン、エミリアーノ･インスーア、ダビド･エンゴグへのオファーに関してドアを開いており、左サイドバックのポール･コンチェスキーを既に￡1.5mでレスターに売却している。
アルベルト･アクイラーニとラウル･メイレレスも、リバプールが相応の額のオファーを受け取った場合には移籍が認められるだろう。イタリア人ミッドフィールダーが最も出て行きそうだ。クラブの筆頭オーナーであるジョン･W･ヘンリーは、ツイッターでアクイラーニのプレシーズンの出来を賞賛したが、リバプールは彼の売却に備えてもう久しい。フィオレンティーナが、彼のイタリア復帰のオファーを準備していると考えられている。
ジョー･コールも移籍を容認されるだろうが、彼の週給￡110,000というサラリーが他のクラブからの興味の障害となっていることを、リバプールは認識している。

放出のプロセスが成功した場合にのみ、ダルグリッシュは少なくとも、ターゲット候補として出現しているアトレティコ･マドリーとウルグアイのセンターバック、ディエゴ･ゴディンを獲得する資金を与えられるだろう。

-----------------------------------------------------
コモリの「望む獲得はほぼ終了」発言もありましたし、どうやらクラブは「売らないと買えない」モードに入ったようです。そうか･･･。うわさになっていたマヴィンガのレンヌ移籍とブルーナのブラックプール移籍は正式に発表されましたが、リザーブの若手たちの放出では、それほど資金調達もサラリーカットもできません。記事にずらりと名を連ねたいわゆる「放出候補」をもしも全員売却したら、センターバックと左サイドバックを補強する資金は捻出できそうです。しかし、メイレレスとアクイラーニ、2人とも放出しちゃってもいいんでしょうか？ここのところはすごく疑問です。

ジョー･コールについての最近のクラークの「期待してるよ」発言は、彼の売却が困難である状況を受けてのものかもしれません。しかし残る理由がネガティブであったとしても、彼がそれに奮起して活躍してくれれば万々歳です。

獲得候補としてバレットがゴディンの名前を挙げているのは、とてもびっくりでした。最近のうわさにちらっと出てはいましたが、信憑性のありそうなところからではなかったので「また新しい名前か～」くらいに思っておりました。彼は今ウルグアイ代表でコパを戦っていますが、負傷しているそうで試合には出ていません。というわけでどんな選手か全く知らないんですが、どうやらここ2年くらい怪我が多いみたいですね。スアレスの推薦でもあったんでしょうか？
そのスアレスは、今日のコパ準々決勝で2ゴールを叩き込み、ウルグアイを決勝に導いています。1点目はこぼれ球によく詰めて、角度のないところからしっかり決めました。2点目は美しかったですね～。ペレイラのスルーパスが宮間のように絶妙でした。それをオフサイドぎりぎりで飛び出して受けて、キーパーをあっさりかわしてゴール！決勝ではハットトリックして、得点王とMVP獲ってください。

リバプールの補強の話に戻って、今後の獲得は放出が前提なのだとしたら、クラブの方針としては、これ以上の補強は絶対必要というわけではないと考えていることになります。これまで4人を獲得し、放出したのはローンに出ていたコンチェスキー1人。昨シーズンに比べれば戦力が強化されたことは明らかです。しかし、リーグタイトルに最も迫った08/09シーズンと比べると、果たしてあの時からチームは強くなったのか？「それはやってみなければわからないでしょう」という正論はひとまず横に置いておいて、3年前のシーズンと現状を比べてみようかと思います。

08/09シーズンのリバプールは4-2-3-1でした。夏に獲得したキーンを冬に放出するという大変手際の悪い補強（？）があった後、チェルシーをホームで2-0で下した試合のメンバーはこうでした。

＜08/09＞
　　　　　　　トーレス
　　リエラ　キャプテン　カイト
　　　マスチェラーノ　アロンソ
アウレリオ　シュクルテル　キャラ　アルベロア
　　　　　　　レイナ

（SUB）カバリエリ　ドッセーナ　アッガー　ベナユン　バベル　ルーカス　エンゴグ

では現状でのベストメンバーはどうなる？と予想してみると･･･

＜11/12＞
ダウニング　キャロル　スアレス　
　　　　　キャプテン　
　　　ルーカス　アダム
ケリー　アッガー　キャラ　ジョンソン
　　　　　　レイナ

（SUB）ドニ　アウレリオ　シュクルテル　ヘンダーソン　メイレレス　マキシ　カイト

こんな感じでしょうか？センターバックのスタメンを誰にするかは意見が別れるところかもしれませんが、たぶんキャラは元気なら外れないだろうし、そうすると相棒はアッガーってことで。左サイドバックも誰にしようか迷いました。インスーアは依然として番号がつかないし、ロビンソンはスタメンにはまだちょっと早すぎるし、アウレリオは現在消息不明なので、ケリーにしてみました。

08/09シーズンの面子は、3年前というところもポイントです。3年経って力に陰りが見えて来た選手もいれば、逆に3年の経験で成長した選手もいるでしょう。そういうことも考えて二つのチームを比べてみると、スターティングメンバーは08/09シーズンの方が強いんじゃないでしょうか。なんたって、キャプテンとマスチェラーノとアロンソという輝くトライアングルに、その前にトーレスがいますからね･･･豪華です。さらに最終ラインの4人も、08/09シーズンの面子の方が守備が堅そうです。

しかしベンチメンバーに目を移すと、こちらは11/12シーズンの方が強いと思います。ベンチメンバーも誰にしようか大変に迷うところで、ロビンソンやフラナガン、スピアリング、シェルベイ、アクイラーニ、J･コール、インスーア、エンゴグ、皆負傷者が出た時のバックアップに廻ってしまいました。スターティングメンバーの質はまだ3年前に及ばないとしても、スカッドは確実にあの頃よりも厚くなったと思います。これは長いリーグ戦を戦うために非常に大事なことです。

これからはどうやら人員整理に軸足が移動しそうな感じですが、9月1日赤いシャツを着てファンの期待を背負ってくれる選手たちは、果たして誰になるのか。本音を言えば、「売らないと買えないなんてみみっちいこと言わないで、スパっとセンターバックと左サイドバックを連れて来てよヘンリー！」と叫びたいところですが、ご予算があるんでしょうからね･･･。

アウレリオはどこに行ったんでしょう？月曜にはメルウッド居残り組のジョンソン、ヘンダーソン、ダウニングの3人の練習風景が公開されていましたが、アウレリオの姿はやっぱりありませんでした。それからキャプテンもまだ一緒に練習できる状態ではなく、別メニューで調整の模様です。早くフルトレーニングに復帰してくれないかなあ。