ロスタイム突入

木曜にはロンドンとテキサスの法廷で、それぞれ動きがありました。まずはリバプールからの公式ステートメントです。
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●リバプールFC公式ステートメント（公式HP）
リバプール･フットボールクラブは、本日ロンドンで行われた法廷審問後にステートメントを発表した。
「リバプール・フットボールクラブの独立取締役たちは、本日の午後、高等法院でフロイド判事が出した判決に喜んでいます。その内容は、ヒックス氏とジレット氏は明日（15日）の午後4時までに、テキサスに提出した差し止め命令を取り下げるよう命じています。
売却プロセスの完了に向かって、もう一歩重要なステップを踏み出したことを、我々はうれしく思っています。」

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リバプールFCに有利な判決を出したのは、またしてもこの人、フロイド判事！--------＞＞
「この案件はテキサスとは全く関係がない。」オーナーたちのダラス法廷への申し立てを「不毛」とばっさり。コントのおじさんみたいだけどかっこいいよ。しかし申し立て取り下げの期限は、LFCが主張する木曜日中ではなく、翌日金曜の午後4時（日本時間で深夜0時）と設定しました。これでオーナーズにはほぼ丸一日、対策を講じるための時間ができました。
NESVの代理人弁護士は法廷でこう訴えました。「我々はリバプールのオーナーです。墓から出てきたオーナーたちが、この会社を掴み取ろうと死者の手をうごめかしています。」

一方、テキサスの法廷でも審理が行われていました。差し止め命令の撤回申し立てをしたのはNESVの弁護団でした。審理の結果、テキサス州地方裁の判事は、よく検討して明日の午前7時（英国時間で午後1時、日本時間夜9時）から審理を再開すると決めて閉廷しました。
審理を取り扱っている優柔不断の早起き判事、ジム･ジョーダンはこの人--------＞＞
普通の人だ！午前7時からの審理は、1時間程度で終わって判決が出る見込みです。

フロイド判事が訴えの取り下げ期限を金曜に設定したのは、ダラス法廷が英国高等法院の判決を尊重するための時間を作ったものと見られています。また、LFCの「売却が一歩進んだ」という公式ステートメントに対し、オーナーズ側弁護士は「差し止め命令が出ているのに進めちゃいかーーーーん！法廷侮辱罪（※命令を守らなかったので）で逮捕！逮捕！」とおっしゃっておられます。

リバプールは木曜中に差し止め命令の撤廃を受けてクラブ売却まで一気に進めたかったんでしょうが、その理想のシナリオにはなりませんでした。ブロートンとパースローはこうコメントしています。
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●ブロートン（SKY SPORTS）
「我々はすぐそこまで来ています。まだ成り行きを見なければならず、差し止め命令を除去しなくてはなりません。
ヘンリー氏は依然として非常に熱心です。我々には熱心な買い手候補が大勢いました。（彼は週末にグディソン･パークに来れるか、という問いに）私の推測では、我々は取引を終えて彼はあそこにいるでしょう。しかしまず、この命令を取り除かなければなりません。」

●パースロー
「私は（取引完了を）願っています。今日は法廷で良い結果を得ることができ、今はテキサスからの結論を待たなければなりません。我々はテキサスの法廷で異議を申し立てています。」

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さて、これからどうなるのか？時間で追ってみると

① PM1:00 ･･･ テキサスの法廷で、売却差し止め命令停止についての審議始まる
② PM2:00 ･･･ テキサスの法廷で判決が出る見込み
③ PM4:00 ･･･ オーナーズの売却差し止め請求の撤回期限
④ PM4:30ごろ？ ･･･ RBSへの負債のうち￡200mの返済期限

こういう流れになります。現在のところ、ホームチームが2-1でロスタイムに突入といった状況です。②で差し止め命令が停止されれば、そのまま一気に売却まで進むでしょう。そうでなくとも、その２時間後には③の期限がやって来ます。この時までにオーナーズが差し止め請求を取り下げなければ、彼らは法廷侮辱罪に問われます。

依然として残っている恐れは、この午後４時までのどこかで、ヒックスがミル･フィナンシャルから借り入れができて、RBSに負債を返済することです。そうすれば差し止め命令がどうなろうと、彼らはそのままLFCの所有者です。木曜のBBCでは情報筋の話として「ミル･フィナンシャルはすでにヒックスの持ち株を取得した」という情報が伝えられましたが、現在のところヒックスはまだ自分の持ち株を保有していると考えられています。
これまで数ヶ月間に渡って資金調達に奔走して果たせなかったオーナーズが、残り数十時間でそれを成功させられるのか。これは誰も予想がつきません。テキサスの法廷でオーナーズの代理人弁護士は、「我々側の人間は、RBSとの負債返済期限の約束を解決しようと積極的に動いています。」と訴えました。ジレットはどうやらロンドン入りしているらしく、オーナーズが何かを画策していることは間違いありません。債務不履行に陥っているんだから、カナダの家にこもっておとなしく泣いとけ！それから、シンガポールのLim氏は今になって「購入やめました」と正式に表明しました。買う気ないなら最初っから出てくんなよ！

オーナーズが売却差し止め請求をがんとして取り下げなかった場合、LFC側は強引に売却に踏み切るのか？オーナーズが資金を調達してきたら、RBSはすんなり受け取るしかないのか？などいろんな場合を想定した議論があり、意見は百出です。ホームチームは今頃あらゆる場面を想定して対策を練っているでしょうし、オーナーズもぎりぎりまで悪あがきを続けるでしょう。時代劇の越後屋みたいな人間って本当にいるんだなあ、と思いながら、最後は正義が勝つと信じて見守ります。

最近すっかりおざなりになってしまったフットボールの話題も。負傷者の現状について、ホジソンがコメントをしています。
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●ホジソン（公式HP）
「当初オランダから入って来たうわさでは、ひどく長くかかる負傷で、おそらく数ヶ月とのことだった。しかし我々のドクターとスポーツ科学部門のスタッフは、それよりはるかに楽観的だよ。彼らは１ヶ月程度と見ている･･･もしくは幸運ならば３週間だ。
彼はひどく足首をひねって靭帯を痛め、間違いなく何試合かは彼を失うことになる。

彼は非常に早く回復するし、常にフットボールのフィールドに戻りたいと切望している、ディルクはそういう男だよ。３週間で回復できるのなら３週間。２週間で回復できるのなら、彼は２週間で戻って来るだろう･･･しかし我々はどれだけ休むことになるか見定めているところだ。
彼が代表チームで負傷し、数週間失うことになるのはこれで２度目だ。だから落胆しているよ。

（他の負傷者について）コンチェスキーは順調な回復を見せており、フェルナンド･トーレスも順調で、我々は彼らの復帰を迎えられるよ。２人の優れた選手を取り戻せるが、カイトという優れた選手を１人失う。

フェルナンドのシーズンには弾みが必要だ。彼は負傷とワールドカップに起きたことがちょっと妨げになっている。我々は、日々元気になり、良くなっているフェルナンドを見ているよ。ブラックプール戦で怪我をしたのは本当に不運だったが、幸運にもインターナショナル･ブレークがあって、彼はこれ以上リーグ戦を逃さずに済むだろう。

アウレリオは良い回復を見せており、週末の出場も考えられる。彼はかなり長期に渡って欠場しており、彼の起用はありそうにないが、メディカル的に言えば、選んでさしつかえない状態にフィットしているよ。

アッガーはサンダーランド戦の負傷で２週間離脱していたが、デンマーク戦で間に合うよう回復してプレーし、そこでまた負傷してしまった。彼の状況に関しては、私はまだわかっていない。」

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カイトすげー。彼はやっぱり種族が違います。２週間って言ったら本当に２週間で戻ってくるかも。でも今度は足首なので、決して無理はしないでください。
負傷者が続々戻って来そうなのはうれしいですね！現在公式の負傷者リストに入っているのは、カイトとアッガーの２人だけです。アッガーはデンマークのメディアには「ふくらはぎを打った」と言っていましたが、公式のところでは腰になっています。彼の状態も気になりますが、「彼に関してはわからん」というホジソンのコメントも何だか気になります。考えすぎかな･･･。