私たちの歴史上18番目の監督となったことを、誇りに感じていますか?
ものすごく誇りに思っている。フットボールと監督に関してのこのクラブの伝統は、まさしく他のどこにも負けないものだ。断ることは絶対に不可能なチャンスだったよ。これからリバプールの監督として働くことを、私は誇りに思うと同時に興奮している。
フルハムのファンたちはあなたを愛していましたが、リバプールの仕事という誘惑は、断るには強すぎたんでしょうか?
心から正直に言うが、私をフルハムから引き離すほど誘惑する仕事は、そう多くあるとは思わない。あそこで、会長、チーフエグゼクティブとそういう良い関係を築いていたし、選手たちはすばらしい仕事をしてくれ、何もかもが良好だった。しかし一方で、リバプールが私を欲しがっているというチャンスがあり、彼らは私と話し合うことを求め、私は会長にその許可を求めた。彼はその許可をするのに渋ったが、私にとって幸運なことにこの仕事がやって来て、私はここにいられて本当に幸せだよ。
クラブがあなたに関心を抱いていると最初に聞いたのはいつでしたか?そして、リバプールを監督する可能性について、最初はどう思いましたか?
しばらく前のことだったよ。確か南アフリカへ行く前だった。クラブは非常に入念な手法を取った。おそらく私は彼らが話し合いをした最初の人物だったが、彼らは完全なプロセスを踏もうと決意しており、全てをリサーチした。私はそのことに感謝しているよ。彼らは他の候補者たちとも面談をし、あらゆる課題をこなし、そして最終的に私を選んだということだからね。それは、私が今日ここにいることをさらに喜ばしい気持ちにしてくれる。
リバプールが関心を持っていると聞いた時のお気持ちは?
非常に大きな期待と予感、そしてもちろん、彼らが事前に議論をして、私をこの仕事に適切な人間だと彼らが決断したんだと願ったよ。
あなたが監督業へ足を踏み入れたのは、リバプールがヨーロッパを支配し始めた頃でした・・・ボブ・ペイズリーのような人たちの仕事を間近に見ていたことは、あなたの監督業の力になりましたか?
我々が掴んだのは、リバプールのスタイルだった。机上ではそれは比較的シンプルなスタイルだが、現実的にはシンプルというのは最も達成するのが難しいことなんだ。私はその頃スウェーデンで仕事をしていたんだが、彼らのパスの質、動きの質は非常に印象的だったね。選手たちは常にお互いが連動していた。もちろんあの頃の彼らの選手たちの能力、まず始めにトシャックとキーガン、そしてダルグリッシュとラッシュがおり、後方ではスミス、トンプソン、ハンセン、ローレンソンがすばらしいパートナーシップを築いていた。我々はそれに育てられたよ。私のキャリアの初期段階に監督のグループがあったが、ボブ・ペイズリーはすばらしかった。グレアム・スーネスが監督をしていたがボブはその時もメルウッドにいて、彼と一緒にお茶を飲んだことを覚えているよ。彼は本当に会って楽しい人だった。時計は元に戻せないし、あの頃に帰ることはできない。しかし、そういう人々が古い昔に開拓したイメージを、何らかの方法で作り出すことができれば嬉しいね。
このクラブの伝統と歴史について、どのくらいご存知でしょうか?また、それはあなたがここへ来ることを決断する動機の一つとなりましたか?
監督として、それを知っているのは非常に重要なことだ。ここの伝統は本当に偉大なもので、リバプールではそれは際立っている。しかし、たとえそれが小さなクラブであっても、クラブがこれまで何を成し遂げ、人々にとってどんな意味を持っているかを知ることは重要だよ。クラブが人々にとってこれほど強い意味を持っている場所は、リバプールの町以外にはない。
あなたはこれまで、インテル、スイス代表、フィンランド代表といったところを指揮してきました・・・今回の仕事は、それらの中でどのランクに位置づけされますか?
比較するのは愚かなことだが、私のキャリアのハイライトになるだろうと言わなかったら、それも正直ではないということになるだろうね。このレベルに達するまで、私は長い間懸命に働いて来たよ。
指揮を取ってからの最優先事項は何でしょうか?
直ちに仕事に取り掛かることが重要だ。選手たちと共に働き、我々がもっと改善できるチャンスを得られるような環境づくりに取り組み、願わくは昨シーズンよりも進歩したい。
ビッグネームたちをアンフィールドにキープすることは、あなたにとってどれくらいの鍵となるでしょうか・・・中でもフェルナンド・トーレスとスティーブン・ジェラードについてですが?
重要だよ、もちろんね。このクラブに在籍している選手の誰も、失って歓迎という選手はいないと思う。間違いなくファンは彼らを失うことを歓迎はしないだろうし、それは我々クラブも同じだ。彼らを留めておくために、我々はできることは全てやると私は確信している。ここが彼らのいる場所なんだと、私は彼らを説得するつもりだよ。私たちと共に働き、昨シーズンよりも進歩するチャンスを与えて欲しいと彼らに言うつもりだ。昨シーズンの結果で彼ら全員が落胆していることは間違いないだろう。私はやれるベストを尽くすつもりだ。選手たちの代弁は私にはできないから、彼らが残ると保証することはできない。しかし、彼らをキープするために全力を尽くすつもりだよ。
現在ワールドカップにいたり、あるいは既に母国に帰っているシニアの選手たちと、彼らがトレーニングに戻ってくる前に話す機会を作る予定はありますか?
今日ここにいる選手たちとは会うつもりだ。今日の午後にシニアの選手たちと2つミーティングが予定されており、特にスティーブンとジェイミーとだが、他の選手たちとも電話で連絡を取り合うつもりだよ。週末までには選手全員と何らかの連絡を取って、自分が監督に就任したことと、彼らが戻って来た時に会うのを楽しみにしていると伝えるつもりなんだ。
ヨーロッパリーグの予選を7月に控えて、ワールドカップはグループとしての戦力をあなたが分析するための障害になっていませんか?
障害ではあるが、だからと言って文句や不平を言うのは愚かなことだよ。それに何かできるわけではないからね。ワールドカップは4年ごとに訪れ、選手たちにとっては非常に重要なチャンスだ。彼らが良くやってくれること、そしてこの経験を楽しむことを願うのみだよ。
クラブの監督としては準備が分かれてしまうのは疑いようのないことだし、特に我々にとっては今シーズンは試合が7月29日という早い時期にある。理想的なシナリオとは言えないが、フットボールというのは理想に足りない状況に投げ込まれるものだ。我々監督と選手は、その中でやらなければならないんだよ。
新規獲得の可能性について、何か確認しましたか?
まだ、そのことを話すだけの時間は実際のところないんだよ。私が新監督になることが決まったのはほんの火曜日だった。座って会長やチーフエグゼクティブや、特にチーフスカウトが何を追っているのか話す時間はほとんどなかった。選手たちのことは知っているし私に考えはあるが、今の時点でそれを細かく話し始めるのは大きな間違いだろう。仕事の主要な部分だよ。
補強予算について、役員会と話はしましたか?
いや、ほとんど。彼らが私に対して一つ明言したのは、クラブの中で適切な制約が設けられ、その中で作業しなければならないということだった。しかし、不幸にして誰か選手を失うことがあれば、その資金は使えるとも明言したよ。私はそうならないことを願っている、誰も失いたくはないからね。しかしそれ以上のことは話していない。会長は今日ここにおり、今日のうちに私は選手たちと話をし、そういう件についてのミーティングと議論もあるだろうと思う。
あなたはヨーロッパの数多くの国で成功を収めて来ました・・・イングランドで、リバプールで優勝杯を勝ち取ることはどういう意味を持つでしょうか?
大きな意味を持つだろう。外国にいた時は、私は自分の英国らしさを強調したことはないんだ。様々な文化に適応しようと努力して来たよ。私は「イングランドではこういうやり方はしない」と言うタイプの人間ではなく、常にそういうことは避けようとして来た。しかし同時に、自分が英国人以外の何者かであるような偽りもしなかった。だから、自分の母国で何かを勝ち取るというのは本当にすばらしいことだよ。もし私がここリバプールでそれができるなら、それは私にとって最高の名誉となるだろう。
この仕事を受ける前に、元リバプールの選手やスタッフの誰かと話はしましたか?あなたが離れる前に、ダニー・マーフィーは何か言っていましたか?
いいや。私はBBCでアラン・ハンセンとマーク・ローレンソンと一緒だったんだが、その話題は上手く避けて、全く話に出なかったよ。ケニーとはクリスティアンと共に会った。彼は新監督選定作業の一員だったからね。ケニーは私とは旧知の間柄だが、それ以外は私は仕事について誰かに聞いて回りはしなかった。火曜まで、「我々はあなたにこの仕事を依頼します。全てが合意に達しました。」という言葉は聞かなかったからね。人に話すことについては私は非常に慎重になっていたんだ。その間にダニー・マーフィーは私に電話をして来て、私がリバプールに行くといううわさを耳にしていると言ったよ。それは単なるうわさで、話すことには意味がなかった。
ダニーと話すおつもりは?
私がダニー・マーフィーと話そうと思うのはフルハムのことで、選手たちに自分の出来る限りのことをしようと思う。あそこで彼や他の選手たちと一緒に仕事をすることがどれほど楽しかったかを伝え、そして彼らがフルハム・フットボールクラブと監督としての私のためにどれほどすばらしい努力を払ってくれたか、それに感謝の言葉を言うよ。そのことが私を、リバプールの監督という場所まで押し上げてくれたと思っている。私は彼ら選手たちに、感謝すべき大きな借りを負っている。それを彼らにはっきりと伝えるつもりだ。しかし、リバプールのことを彼と話すつもりはないよ。ここにはリバプールのことを話せる人々が大勢いるからね。
ケニー・ダルグリッシュは選定作業のキーパーソンで、実際にあなたと面談もしました。彼に対してどれくらい敬意を抱いているか、そしてリバプールでこれから彼と一緒に働くことをどれほど楽しみにしていますか?
私は皆と同じように、ケニーに大きな敬意を払っている。彼は間違いなく、リバプールのシャツを着たこれまでの選手の中で最高の1人だろう。クラブで伝説的な地位を確立し、リバプールファンの心の中に常にある人物だ。ケニーのような人間が我々と共にいてくれるということは、リバプール・フットボールクラブにとって極めて重要だよ。我々と共に働き、クラブの上昇の力となり、彼のできるあらゆる方法で力となってくれることがね。彼の名前は本物の偉大な人々と同じところに挙げられ、そしてそれに値する。彼は見事な選手だった。
昨シーズンのチームには困難な時が続き、19試合に負け、全てのカップ戦に非常に早い段階で敗退しました。今シーズンのあなたの大望はどこにありますか?
今のところの大望は、改善することだ。リバプールにとっての大望というのは、常にチャンピオンズリーグの場所を獲得することでなければならないし、我々はそれにできる限り早く取り組むつもりでいる。目標を達成した時にそれをもうちょっと良く見せられるからといって、目標を低く設定してもそれには意味がない。選手たちもスタッフも、リバプールの成功のジーズン以外の何も望んでいないと私は思うよ。我々はすぐにでも取り掛かりたいと思っている。それを目指して仕事をする、それ以上にできることはない。空約束をしても意味はない。言葉は言葉、そして行動は行動だよ。私たちはまず始めにトレーニンググラウンドの上で我々の行動を示さなければならず、その次はアンフィールドの上で、そしてアウェイのスタジアムで、我々は準備ができていて十分に強いということを証明しなければならない。それが私の仕事だ。選手たちと仕事をし、我々に十分な強さがあることを確実に示す。
リバプールのサポーターに向けて、何かメッセージはありますか?
メッセージは、私をここに来させてくれたことへの感謝だね。私は自分のチームと共に働くことを本当に楽しみにしており、長年に渡って私が何度も見続けてきた我々のサポートを受けることを楽しみにしているよ。最近私は言ったんだが、ここは、自分たちのモットーである'You'll Never Walk Alone'がファンの中に本当に息づいているクラブの一つだよ。自分は1人ではないと感じられるクラブだ。私は多くの助けと多くのサポートを必要とするだろう。そして、私は1人でないと君たちが確信させてくれることを心から願っている。それが私のメッセージだ。私が良い仕事をするのを助けて欲しい。私はそれをするために全力を尽くすつもりだよ。
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●ブロートン会長インタビュー
(公式HP)
ホジソンをリバプール・フットボールクラブの新監督に任命するまでの過程を、説明していただけますか?
役員会は、マネージングディレクターであるクリスティアン・パースロー、そしてケニー・ダルグリッシュを、プロセスの統括と面談の役割に任命しました。我々は可能性のある候補者の長いリストを持っており、そのリストを絞り込むために数多くの電話での照会を行いました。
クリスティアンとケニーはリストを5人にまで絞り込むことで合意し、それから実際に候補者と会っての面談を行いました。彼らは最終的に2人を推薦し、先週末に私とクリスティアンでそれを検討し、その結果ロイを選んだのです。
新監督に求めた能力は何でしたか?
あらゆる分野に渡ってですが、我々が求めていたのは経験、多文化・多国籍での経験と、ある意味では全てをこれまでに見せたことのある人物でした。今売り出し中の人物を求めるのではなく、何よりもまず、選手たちの尊敬を集めることのできる人物を求めました。優れた功績を持ち、現在の我々を前に進ませることのできる人物です。
このポジションには大勢の名前が取りざたされました。ロイは常にクラブのファーストチョイスだったんでしょうか?
私たちはファーストチョイスは設定せずに取り掛かりました。ロイは実際に我々が面談をした最初の人物でしたが、ファーストチョイスを設定してはいませんでした。我々はしっかりとした、プロフェッショナルな選定過程を望んでいました・・・リストを作成し、リストに沿って動き、全員と話をしました。話をした結果で何が浮かび上がってくるかはわかりません。期待以上に優れている人物もいれば、期待以下の人物もいます。彼は偶然私たちが話をした最初の人物で、後でファーストチョイスであることが判明したんです。
役員会がロイについて受けた印象で、何か私たちに話していただけることはありますか?
彼はすばらしい印象を残しました。非常に思慮深く、準備ができており完全であるという印象を受けました。彼は、現存の選手たちから何をもっと引き出せるかに焦点を合わせたいと考えていました。彼の焦点は、「いくら資金をもらえますか?」や「私はこの選手やあの選手を連れて来たい」ではありませんでした。彼の焦点は、「私は現存の選手たちからはるかに良いパフォーマンスを引き出せる、そしてさらに良い未来を構築するために建設的な補強ができる、そう信じているし、それを証明できるだけの実績を持っている。」ということでした。
監督を最終的に決めたのは誰で、それは全員一致の上でしたか?
全員一致ですが、それは役員会の責務でした。ですから役員会の全会一致、つまり私たち6名・・・3名の取締役と私、そして2名のオーナーです。
ケニー・ダルグリッシュは決定の一員でしたか?
彼は決定には加わっていません。彼は推薦チームの一員で、ロイを推薦したんです。
クラブは、負債を払うために選手を売却する必要がありますか?
いいえありません、私はいろんなうわさを耳にしましたので、それについて明らかにしたいと思います。以前にもこう言いましたし再び言いますが、私たちは負債を払うために選手を売る必要はありません。もし私たちが誰かを売却するのなら、その金は補強に廻されます。
クラブ売却について最新情報はありますか?
売却はプランに沿ってかなり順調に進行しています。思い出していただきたいのですが、私は売却プロセスを統括しており、バークレイズ・キャピタルが売却プロセスを進めています。
私たちはこれまで、大勢の興味を抱くグループへ情報を発信しました。彼らはまだ私たちに返答を寄こしてはいません。予定では、彼らがもう返答を寄こすことは予想していませんでした。
私たちは目標に向かって順調に進んでいます。我々がこのオファーを断った、あのオファーを断ったといううわさをプレスで耳にしています。これまでに寄せられたオファーは一つもありませんから、断ったこともありません。しかし私は、今の段階で何かオファーが来ることを予想していませんでした。
クラブの価格設定に関してですが、£800mと設定して、その価格が買い手候補の意欲を削いでいるんでしょうか?
メディアは、トム・ヒックスが£800mの価格設定をしていると何度も流していると思います。はっきりと言わせていただきたいのですが、価格設定はしていません・・・売り手と買い手の交渉です。我々は最低価格を設定していません。これはオークションです。最終的には、最高価格をつけた買い手ではなく、最善の買い手に売却することになるでしょう。価格、意図、資金力、その他を総合的に勘案します。
メディアが誰が手を引いたと報道するにせよ、それには信憑性は全くと言っていいほどありません。確証は何もありません。しかし私はとにかくはっきりと言いたいのですが、価格はありません。
オーナーたちは理にかなったオファーでも拒否することができるのですか?
売却プロセスに関しては、役員会が権限を持っています。オーナーたちは、いかなる理にかなったオファーについても、受理を役員会にゆだねています。ですから一旦我々が売却のプロセスに進めば、オークションが行われ、そこで最善の入札者がクラブを得ることになります。
一部のファンは、クラブが何年も売却されないことを恐れています・・・その恐れに現実味はありますか?
いいえありません。私には、そうなる理由が全く見当たりません。私たちは当初から、移籍市場が閉まる前の8月には何かがあることを期待していると発言しています。それは希望であり、予測ではありません。依然として順調であると言っておきましょう。
最後に、一チェルシーファンとして、あなたはご自分がリバプール・フットボールクラブとそのサポーターたちのために最大限の利益を目指して行動すると確約できますか?
もちろんです。それは非常にはっきりしていると思います。会長として私には委ねられた義務があり、このクラブのために全力を尽くすことを法的に約束します。率直に言って、自分の評判のためにも、そうでないことはしません。
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ロイ・ホジソン、ケニー・ダルグリッシュに留まるように促す
・・・Tony Barrett
(タイムズ紙)
戴冠式にキングメーカーは不在で、ロイ・ホジソンがイバラの冠をかぶったような気持ちになっていても無理はなかっただろう。
もし彼がそう感じていたのなら、リバプール新監督は上手にそれをかぶっていた。アンフィールドのレジェンドであるトミー・スミスがボブ・ペイズリーをその成果ではなく人柄の面で引き合いに出したような、謙虚さと尊厳を彼は表していた。
新監督募集作業が機能障害に陥っていたさまは、ラファエル・ベニテスの後任としてホジソンが始めて公式の記者会見を行ったその席に、ケニー・ダルグリッシュが不在であったことから見て取れた。リバプールの監督探しを率いることを依頼されたその後に、ダルグリッシュはクラブの役員会に、この仕事に最適の人物は彼自身だろうと伝えた。しかし上層部は彼について真剣に検討することを拒否した。
「ケニーは彼自身の名前をこの仕事に挙げましたが、彼は候補には入りませんでした。」マーティン・ブロートン会長はこう語った。
ダルグリッシュの欠席は軽蔑でも冷遇でもなかったが、そのように取られてもおかしくはなかった。彼のホジソンとの友情が30年来のものであることを考えれば特にである。しかしながら、彼の道をたどって来た他の全ての人々同様、ホジソンはそれに冷静に対処した。ネガティブな可能性をポジティブなものに変え、この瞬間の喜びを曇らせるものは何もないと明言した。自分がどれほど長くここにいることになるかを、彼が懸念していてさえも。
「私に関する限り、ケニーとの関係に何らかの影響を及ぼすはずはないよ。」ホジソンは語った。「彼には、自分が単に選定のプロセスに加わるのではなく、自分を候補として考慮してもらいたいと役員会に示唆する資格があった。役員会は、彼らはそれを望まないと私にはっきりと言った。
ケニー・ダルグリッシュのような度量のある人間ならば、10年から15年という単位でクラブに在籍してもらった方がいい。サー・ボビー・チャールトンがマンチェスター・ユナイテッドでちょうどそうだったようにね。あの人物がリバプールの力になれる役割は非常にたくさんあり、それは私の在任よりも長く続くだろう。」
元選手であり監督である彼をなだめようとして、リバプールはダルグリッシュにフットボール発展のトップ(head of football development)という新しい肩書きを提示し、昨夜アンフィールドで誤解を解くためのミーティングが行われた。拒絶の傷がまだ痛む中、59歳の彼がそのポストを受け入れたかどうかは不明である。しかしホジソンの外交手腕は、ダルグリッシュが切望していたポジションについた人物に対して、彼が憤りを感じる理由は何もないということを示した。
財政的な制限のために、ホジソンはリバプールのビッグネームたちに、大金を使ってクラブの野望を膨らませることも、彼らに長期計画を提示することもできない。クラブが売却されれば、彼の在任も短縮されるかもしれないからだ。また同時に、サポーターたちに信頼と興奮を喚起するような、成功の記録を彼の経歴の中に示すこともできない。
しかし彼は、その34年のキャリアで特徴的な、熟考した常識的なアプローチを提示することができる。15年前のインテルで彼は、今のリバプールで彼が直面している仕事と似通った、船を安定させる役割を果たしている。
クラブが財政的に麻痺した状況で窮地に陥っている時であっても、この62歳の監督は平静と控え目さを保ちながら、リバプールが完璧な状況にあったら彼にこの仕事をオファーはしなかっただろうと指摘した。そして、万一新オーナーが現れれば、契約上の保証があっても彼の在任が切り上げられるかもしれないことも受け入れた。
「財政的に何の問題もないクラブは、現在のイングランドにそう多くはない。」ホジソンは語った。「会長とマネージングディレクターのクリスティアン・パースローの双方が、役員会がどのように設置され、クラブが売りに出されており、オーナーたちは完全にクラブを売却すると決めていることをはっきりと言ったよ。彼らは私に、在任期間中のどこかで、おそらくは遅かれ早かれ、クラブは売却されることを私は受け入れなければならないと言った。
私は自分が正しい理由で選ばれ、新オーナーに変わっても彼らは同じように考えると信じている。もしそうでなければ、そして新オーナーが完全な変化を求めるなら、私はそれを受け入れなければならないだろう。それは私のキャリアに大きなくぼみを作ることにはならないが、非常に悲しいだろう。私はここで仕事をしたいと思っているからね。」
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ホジソン監督のインタビューを見て、彼が非常に堅実で賢明な、穏やかな人であるという印象を受けました。そしてリバプールに対する強い尊敬の気持ちも感じることができました。覚悟と決意を持って、この困難な状況で、3年の任期を全うできない可能性も受け入れて仕事を引き受けてくれたことが良くわかりました。本当に頑張ってもらいたい。そして彼が良い仕事ができるように、役員会はとにかく彼を全力で後ろから支えてもらいたいと思います。出来ない金を出せとは言いませんから、約束をしっかりと守ってもらいたいです。
ベナユンの移籍は間もなく正式にアナウンスされそうで、これはホジソンの就任前から決まっていたことでしょう。まず何よりキング・ケニーの去就が気になりますね。クラブは彼に新しい役職をオファーしたようですが、役員会に入れるつもりはあまりなさそうに思います。サー・ボビーは確かボードのメンバーに入っていたと思うんですが・・・。キング・ケニーがクラブの役員会の中に入って投票権を持ったらファンとしてはものすごく心強いんですが、そうなったらパースローは邪魔に思う?と、また邪悪な想像をしてしまいます。
木曜は顔合わせだけでトレーニングは金曜からと聞いていたんですが、その日のうちに早速トレーニングを開始したようですね。ルーカスやインスーア、アクイラーニの元気そうな姿が見られて、ああシーズンが始まるんだなあ、というワクワク感が戻って来ました。変な心配や想像をしないで、純粋にフットボールを楽しもう!と思ってもなかなかね、できないんですけど、早くそういう日が来て欲しいと切に切に思います。
それからタイムズ紙のサイトが登録制に変わっていたんですが、とうとう有料サイトになってしまいました。記事にリンクはしましたが、お金を払わないと読めません。有料サイトの記事を訳して勝手に掲載するわけにいかないので、今後は掲載は差し控えます、申し訳ありません。今回の記事は無料の段階で読めたので、載せてみました。
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無題
ね!やっぱり癒し系でしょ。この写真。可愛過ぎるだろ(笑)。まあホジソンに対してはとにかくやってくれと言うことしかありませんね。個人的に嬉しかったのは
(外国にいた時は、私は自分の英国らしさを強調したことはないんだ。)のくだりと、
(この62歳の監督は、リバプールが完璧な状況にあったら彼にこの仕事をオファーはしなかっただろうと指摘した。)のくだりです。まさに有事の人事って気もするけど、上手くいけば何でもokなんでしょうね。選手売った金は本当に使わしてあげんだろうな、おいP!
どうでもいいけど、タイムズって、有料になるんですね。なんか最近はwall street journal
なんかもそうするって流れなんですね。フニクラさんみたいにちゃんとしてる人はいいんですけど、(あんな事かいてたヨー!)って、気軽に書いちゃう人は一つ一つ潰していくんですかね?嫌いだなーこういうの。あんまり新聞社も歴史と伝統とかって言ってると、あんまりいい事無いと思うけどね!自由には勝てませんから。
Re:無題
そうそう、にわかファンさんの言うとおり癒し系だなあと思っていました。口元が可愛い(笑)。ルーカスとインスーアといると、文字通りいい爺ちゃんとマゴですね。フットボールですからいつも春の縁側のようにホンワカしているわけにはいかないでしょうが、またメルウッドに違う空気が生まれそうです。
タイムズ紙は有料になってレジストしようと思ったら、エラーが出てできません(泣)。フォーラムを見ていたら「俺レジストしてないから誰か記事貼ってー」なんて平気で催促していますから、そんなに気を使わなくてもいいかもしれないんですが、一応。とにかく早く読めるようにしてもらいたいです、ケチの上に手際悪いぞー!
無題
ホジソン監督の記事UPありがとうございます。見た目から穏やかそうだと感じていましたが・・何もかも承知で引き受けて強い気持ちを持った方だったんですね。ちょっと勘違いしてました;
クラブは気持ちを無駄にせずちゃんと支援していって欲しいですね。。(ケニーも残ってくれそうですねっ)
ルーカスやインスーア久しぶりに観ましたぁ・・ちょっと切なそうに観えますが・・元気そうで良かったです。パチェコや若い子は先輩達が戻るまではいいアピール期間ですね^^ラウリ君もカップ戦はぜひ1stチームに入れて欲しいです。
キャプテン達のことは見守るしかないんですよね;トーレスはキャプテン次第かと・・アレだけ好いてますし^^;でもスペインに戻ることは無いでしょうね~少年と約束したシルバが行くシティ・・も無いでしょうし;やっぱり赤いユニが2人とも似合うんですよね(祈)
Re:無題
トーレスとキャプテンに関しては、どちらか1人が出て行くことが決まったらもう1人が絶望してしまうような気がするので、ぜひ2人セットで手と手を取り合って残ってもらいたいです。電話で話をしたようで、何を話したのかその内容を聞きたくて仕方ありません。「ホジソンさん思ったよりでかいわー」とか、そういう他愛もないことかもしれませんが。
無題
この人は大人ですね。何もかもわかった上での決断。これは応援しないわけにはいきませんね。
監督が決まった事で移籍も視野に入れていた主力選手達ももう一度ここで頑張ろうと思ってくれれば・・・(願)。
オランダ勝ちましたね!
やっぱりレッズの選手がいる国は応援してしまいます。マスチェやマキシ、そしてトーレスとレイナも頑張れ!!
Re:無題
無題
なぜチェルシー。
代わりにアルダを。
Re:無題
無題
ザモラをつれてくるっていう話もあるようですが、彼はシューターとしてもポストマンとしても突出したものは無いように思えるのだけれど、とにかくあきらめない感じは良いですね。Tトバゴ人ですがイングランド人扱いになるのでしょうか。
ブラジルを破る見事なヘッドでの逸らしを見せたカイト、オランダ勢いありますね。ホジソンさんとの面会はかなり遅れそうですね。カイトは今のように使うでしょうが、バベルをどう扱うか興味あります。
Re:無題
ファン・ペルシーがどうも今ひとつ調子に乗れないんですけど、それでも彼に代えてバベル!ってのはないんだろうなあ。フンテラールならバベル使ってみてよファンマルバイクさん、といつも心の中で叫んでいます。このチームではサイドに彼の居場所はなさそうなので、使われるとしたらトップ以外ないんじゃないでしょうか。
無題
インテル時代やスイス代表時代も守備意識をチームに浸透させる点は共通してましたが選手個々の能力に合わせる柔軟性がある監督で、どこのチームでもやる事は一緒ってタイプじゃありませんから、新シーズンはメンバーはあまり顔触れが変わらなくてもかなり印象の違うチーム、試合が観られるかも知れません。
Re:無題
ホジソンがどういうチームをこれから作るか、楽しみですね。新しい選手の獲得があれば、そこから彼のやりたいフットボールも見えてくるでしょう。とにかく今月にはもう公式戦がありますから、そのお披露目がすごく待ち遠しいです。
無題
ダルグリッシュも大丈夫そうですし。ただ本当に長くクラブに携わってほしいと言うなら役員会なりの権限を与えなきゃ、「またお前か」と言いたくなってしまいますね。
ジェラードとトーレスが残留するのを前提に、本当に選手売却金を補強資金に使えるならCL出場権を奪回するだけの、ジェラードとトーレスら主力選手を大満足はさせないまでも、納得させられるだけの補強は出来るんじゃないかと思ってるんですけど甘いかな?
左SBは命を削りながらワールドカップ見ていてウルグアイポルトのフシレを気にいっているんですけど、ホジソンは南アで目に付いたかなあ(笑)
右利きだけどぎこちなさがないし、攻守のバランスもいいと思うんですけどね。ウルグアイらしい熱さとテクニックも。価格もそんなしないんじゃないかな
シティ暴走の連鎖でスペインからマスチェに本気のオファーが来るのかどうか
>トレスさん
僕もアルダ来て欲しいですね~。給料ちょっと安くても来てくれるんじゃないかな(笑)
サミー・リーはあの熱い性格ですんなり新コーチ陣とも馴染んじゃいそうな気がします^^
カイト、バベルおめでとう!
ベナユン今までありがとう…忘れないよ。
Re:無題
>命を削りながらワールドカップ見ていて
私もまさにそんな感じです!で、「もうこれ以上睡眠時間削ったら死ぬ・・・」と思っていたくせに、残り4試合になったことを寂しがっている大ばか者です。でもシフレのことは全くノーチェックでした!教えていただいてありがとうございます、もともとは右サイドバックの選手なんでしょうか?オランダ戦ではロッベンとマッチアップですね、すごく楽しみです!そしてまた命を削ります(笑)。
最後のベナユンへの一言で泣かせていただきました。
無題
この記事を読ませて頂いた感じではホジソンが不利な条件が多々あるのに敢えてREDSの監督になった感じですね、もしかして逆境好き?だとしたら適任ですね、今までただの地味な監督ってイメージしかなかったので失礼しましたです。
ちなみにブロートンの「彼の焦点は、「いくら資金をもらえますか?」や「私はこの選手やあの選手を連れて来たい」ではありませんでした」って所が引っ掛かるのは自分だけでしょうか?何かラファ解任の理由に聞こえるんですけど。
ベナユン決定しましたね、しかしヤヤ・トゥーレが£24.85millionでベナユンは£5 million and £6 millionとは市場評価額ってどうなってんだよ、どうせプレミアで敵になるんだったらマンしーにでも高く買ってもらいたかったです。
今までの経緯からするとやはり本人主導での移籍なのかな、だとしたら複雑な気持ちでの送り出しです。
まぁ元々英国でのキャリアはハマーズからの人だししかたがないかな、ユダヤだし(偏見ではないです)流浪の民としてクラブも渡り歩いて行く人なのかもしれませんしね。
でもクラブがこの様な状況だからとはいえ、ついこの間までREDS愛を口にしていたのに今は自分から出て行きたいとはねぇ、これらが本当ならアンフィールドに帰ってきてもハマンみたいには迎える気にはなれないです。
ちなみに自分はREDSサポですからUも嫌いますが本当はチェル(Bluesなんて呼ぶ気もしない)のが嫌いなんです、マンしーよりはマシかもしれんが所詮は油もの金で作られたチームだし他のビッグクラブ(ちなみにマンしーをビッグクラブとして扱う向きがありますが納得出来かねます、個人的には昔で言う所のG-14以外ビッグクラブとして認める気にはなれません、敢えて言うならビッグマネークラブですねマンしーは)と比較しても一番シンパシーを感じ得ないですね。
ところでフニクラさんは好きなのはREDSでしょうけど嫌いなクラブはありますか?
ホジソンの事よりベナユンの事のが長くなってしまいました、失礼しました。
Re:無題
いえいえ、ここは激しくチェックしたいところです。それが一番の理由かよ!って私は引っかかるどころかプキューと湯気が出ました。自前の選手でやってくれる物分りの良い監督が欲しかった、って言っているようなものですから・・・。加えて英国人でプレスとの関係が良く、ファギーとも関係良好、人格穏健(多分)、そういう監督が欲しかったんでしょうね。そしてベナユンの移籍について「もう数週間も前にラファが決めていました」って、わざわざそういうこと言うか!とまたプキューです。怒りすぎかな(笑)。
ベナユンは昨シーズンに契約を延長したばかりでしたから、本人の意思が大きかったんだろうと想像しています。チームにしたら途中から入って流れを変えられる、狭いスペースでも何かが出来る選手は彼しかいませんから、ものすごく大きな損失です。とても£6mに見合うとは思えません。もともと先発で起用されないことに不満を感じていたんでしょうが、チェルシーから欲しがられて断れない気持ちもわかります。もしかしたら、中東のどこかがレッズのオーナーになる可能性も考えたかもしれません。
カツさんはチェルシー嫌いですか、私は今のチェルシーはあんまり好きじゃないですが、モウリーニョの1年目のチームはすごく好きでしたね~。シティには全くそういう気持ちを感じません。ユナイテッドも嫌いとは言いながら、それでも良いフットボールしていたら見ていて楽しくなったりする、なんつーか優柔不断野郎です。嫌いだと思うのは以前のブラックバーンのような、度を越した喧嘩上等プレーをするチームとかかな・・・結局、よそのチームはあんまり思い入れがないので、好きなフットボールだと思えば好きになるし、そうでなければ嫌いなんですね、きっと。