ヘンダーソン君は来るのか？

今、リバプールの移籍に関してメディアを最も騒がせているのが、間もなく21歳になるサンダーランドのミッドフィールダー、ジョーダン･ヘンダーソンです。移籍間近なんて報じているメディアもありますが、果たして彼は来るのか？

うわさがどっと広がったのは、先週水曜日のタイムズ紙の記事からでした。リバプールは￡13mのオファーを用意しており、対するサンダーランドは彼におよそ￡20mの値段をつけていると報じました。ブルース監督のコメントとして、「ジョーダンにとって最悪なのは、移籍したはいいが、その後18ヶ月間もペンチに座り通しで姿を消してしまう可能性だ。大事なのは、彼の父親とあの子がそれを理解するだけの十分な冷静さを持っているということだよ。」と紹介しました。

さらに金曜のタイムズ紙では続報として、両クラブともオファーの事実を認めてはいないが、コモリは￡15mのオファーを出してサンダーランドがこれを拒否。サンダーランドの希望額は￡18m、それに対しリバプールは￡16mの再オファーを準備していると報じました。また、リバプールはヘンダーソンがU21欧州選手権でデンマークに発つ水曜日までには取引を決めたがっているとも書いています。

最新のガーディアン紙の記事でも、ニュアンスはほぼ同じです。￡16mの再オファーもサンダーランドは拒否しましたが、ヘンダーソン自身もUEFAの大会前に将来が決まることを願っていると書いています。U21イングランド代表は日曜にノルウェイと大会前の最後の調整試合を行い、試合後に全員がインタビューを受けましたが、Talk Sportsの記者によるとヘンダーソンだけはインタビューを拒否したそうです。

彼はサンダーランドでは右サイドをやっていましたが本職はCMFで、ガーディアン紙では、ケニーもそこでの起用を望んでいると書いています。昨年11月のイングランド代表対フランス代表の親善試合でも、彼はスタメンで真ん中に入り、キャプテンとバリーと一緒にプレーしています。キャプテンが1トップのキャロルに近い高い位置でプレーし、ヘンダーソンとバリーがやや下がり目だったと記憶しています。コモリはキャプテンにも意見を聞いたんですかね？

セントラル･ミッドフィールダーは必要か？

現在リバプールのファーストチームに所属するCMFは、キャプテン、ルーカス、メイレレス、スピアリング、シェルベイ、ポウルセン。加えてローンから戻って来るアクイラーニもいます。ポウルセンについては放出濃厚、アクイラーニは代理人がユベントス移籍を必死に押しており、彼自身もイタリアに残ることを願っている様子。代表戦で頭を怪我しましたが、たいしたことがなくて良かったです。

ファーストチームのレギュラークラスはキャプテン、ルーカス、メイレレスの3人ですが、そこにさらにヘンダーソン、アダム、マッカーシー、あるいはバートン（！）などの名前が出ており、クラブがどうやらそのポジションの選手獲得に動いているところを見ると、ケニーのプランは来季は3センターの4-3-3、あるいは4-2-3-1を目指しているのではないかと想像します。3センターで1シーズンやっていくためには、レギュラークラスが少なくとも4人は必要で、それに加えてスピアリングがバックアップにいればバランスがいいのではないかと思います。個人的にはアンカーが必要ではと思っているんですが、出てくるのは攻撃的なMFの名前が多いですね。



上の表は、今シーズンのPLでチャンスを作った選手のランキングです。ヘンダーソン君は3位！この他にも、ダウニング、バートン、ヤング、アダム、エンゾグビア、ベインズ、リバプール獲得のうわさに上がっている、あるいは上がっていた選手の名前が並んでいます。前線にはキャロルやスアレスといったアタッカーが入りましたが、彼らにボールを供給できるクリエイティブな選手をクラブは補強したいと考えているのかもしれません。ランキングにはリバプールの選手が全くいないですし（泣）。
では、作ったチャンスがどれだけ実を結んでいるかというと･･･



俄然トップに躍り出て来るのがベインズです。うわさによるとコモリはエバートンに獲得を打診して、話し合いすらきっぱり拒否されたとか。ヤングはユナイテッド行きが濃厚、バートンはお願いどうかやめて。このランキングは、もちろんラストパスを受けた選手の能力も大きく影響するでしょうが、同時に出し手のパスやクロスの精度もある程度は測れるでしょう。ヘンダーソン君がんばれ。

￡18mは高いか安いか、これは難しいところです。私は彼のことをそれほど詳しく知らないのでなんとも言えませんが、ポジション的にはキャプテンの後継者ってことになるんでしょうか。BOX TO BOXのミッドフィールダーで、運動量豊富、ロングパスをびしびし通すよりもショートパスを使って自分も前に上がって行くタイプで、少し下がり目でも右サイドでもやれる、賢い選手というイメージです。英国人には稀なアルコール飲まない真面目なところも○。将来性は抜群という話なので、来季3センターで行くなら、多少高くても競合クラブがちょっかいかけてくる前にひっさらって欲しいと思います。

センターバックは

センターバックについては、タイムズ紙によるとリバプールはブラックバーンのフィル･ジョーンズをターゲットにしているそうです。監督は「PLのトップクラブに行ったらレギュラーは保証されないぞ」と先週彼に警告したそうですが、選手は移籍を願っており、獲得の競争相手はアーセナル。金額は￡14m～16mだそうです。
個人的には、ぜひとも彼を獲ってもらいたいと思っています。争奪戦は激しそうですが、ここはなんとかコモリに頑張ってもらいたい。

センターバックに補強は必要ないというご意見はたくさんありますね。現在のところキャラ、シュクルテル、アッガー、キルギアコスが揃っており、さらにその後ろには、ウィルソン、ケリー、アジャラ、ウィズダムというとても楽しみな選手たちが控えています。しかしこの4人の若手はPLでのCBの経験は0、あるいは0に等しいくらいしかありません。経験が重要なこのポジションをいきなり彼らに頼るには、正直不安があると思います。

2008/09シーズンまでは、このポジションにはキャラ、ヒーピア、アッガー、シュクルテルがいました。ヒーピアが去ってキルギアコスを代わりに獲得したわけですが、ケニーのやりたいフットボールに、スピードと足元に不安がある彼は合わないのではないでしょうか。そしてキャラは今季すばらしく頑張ってくれましたが、年齢から来る衰えは否めません。アッガーは怪我がち、シュクルテルはプレーに波があり、それぞれに不安を抱えています。来季はCL出場権奪還が必須命題なので、ここは将来的にも期待でき、なおかつ即戦力として十分計算できる選手が欲しいです。

フィル･ジョーンズはまだ19歳ながらすでにPLで経験を積んでおり、足は速いし足元もなかなか、ここぞという時にはズバッとタックルでボール奪取できる、試合を読める選手だと思います。それにアンカーもできるというところがいいんですよね～。彼がいればここのバックアップにもなれます。

スコットランドのメディアは、レンジャーズがウィルソンに1年間のローンオファーを出したと報じています。PLのクラブにローンできればベストなんですが、レンジャーズでレギュラーで経験を積むのは彼のためにいいと思います。この記事の扱いの大きさを見ると、彼のスコットランドでの存在の大きさがわかりますね。

それからデンマークのメディアは、レバークーゼンが11mユーロでアッガーにオファーを出したと報じています。「来季こそ怪我を克服する」とやる気満々のコメントをしたばかりですので、これはないでしょう･･･怪我さえしなければ彼がCBのファーストチョイスだと思っているんですが、今季はとにかく負傷離脱が多すぎました。

フォワードは

これもタイムズ紙が、リバプールがイプスウィッチのコナー･ウィッカムに￡8mのオファーを出したと報じました。イプスウィッチの希望額は￡10mだそうですが、両クラブは合意を目指して交渉中と書いています。以前からコモリが視察に行ったりして名前が挙がっていた選手ですが、試合を見たことがなく、どんな選手なのか全くわかりません。18才という年齢や実績から言っても、これは即戦力というより将来に期待しての獲得でしょう。

ウィンガー＆サイドバック

ここはうわさは以前から出ていますが、今一番名前が挙げられているのはダウニングか。レフティでワイドなエリアを使えて良いクロスを上げられ、スピードもあるし両サイドできます。これは個人的な好みなんですが、あんまり好きな選手じゃない･･･でも良い補強になるのは間違いありません。
来季4-3-3で行くとすれば、前線の3人はキャロル、スアレス、カイトに、新加入のウィンガー2人が加わるとかなり層がぶ厚くなりそうです。できれば！ですが、ここにはダウニングを押しのけられるくらいの実力者を獲得してもらいたいです。個人的にはマタを希望！！U21の大会ではイングランドの初戦の相手がスペインで、ヘンダーソンやジョーンズと共に彼が見られるのを楽しみにしていたんですが、数日前のAS紙に「練習中に足首を痛めて黄信号」というニュースが出ていました。彼が見られなかったら残念です。

サイドバックはエンリケで決まるのかと思っていたんですが、その後ニュースを聞きませんね。ここには実力者がぜひとも欲しいですから、検討と熟慮を重ねて、今度こそ！不動のレギュラーを任せられる選手を獲得してもらいたいです。ベインズはウィガンから移籍するときに、リバプールもちらっと獲得候補に挙がっていたんですが、結局エバートンに決まりました。先日のEURO予選ではアシュリー･コールの負傷で急遽出番が回ってきましたが、出来はコールよりも良かった気がしました。

思いつくまま移籍のうわさ話をだだーーーっと書きましたが、移籍市場がオープンしてからまだ7日、マーケットはあと85日間開いています。9月には思いがけない選手が赤いシャツを着ていたりして、「6月はこんな選手の名前が出てたんだよなあ」と懐かしく振り返る可能性は果てしなく高いです。それも夏の醍醐味。コモリとヘンリーの暗躍に期待しましょう。