毎年恒例、デロイト社(Deloitte)より「Football Money League」と題して、世界のフットボールクラブの収入レポートが出ています。今回は2007/08シーズンの収入で、プレミアリーグのクラブは上位20位の中に7クラブが入りました。リバプールは7位です。
この収入はMatchday(入場料収入)、Broadcasting(放映権収入)、Commercial(商業収入)の3つに分けられています。Commercialの中にはスポンサー収入も含まれています。このレポートは、
デロイトのサイトから、メールアドレスなどを登録することでダウンロードできます。上位20位はどうなっているかというと・・・
1.レアル・マドリー・・・ £289.6 m・・・(入場料80.0 /放映権107.5 /商業102.1 )
2.マンチェスター・ユナイテッド・・・ £257.1 m・・・(入場料101.5 /放映権91.6 /商業64.0 )
3.バルセロナ・・・ £244.4 m・・・(入場料72.4 /放映権92.0 /商業80.0 )
4.バイエルン・ミュンヘン・・・ £233.8 m・・・(入場料55.0 /放映権39.1 /商業139.7 )
5.チェルシー・・・ £212.9 m・・・(入場料74.5 /放映権77.4 /商業61.0 )
6.アーセナル・・・ £209.3 m・・・(入場料94.6 /放映権70.4 /商業44.3 )
7.リバプール・・・ £167.0 m・・・(入場料39.2 /放映権76.3 /商業51.5 )
8.ACミラン・・・ £165.8 m・・・(入場料21.1 /放映権97.0 /商業47.7 )
9.ASローマ・・・ £138.9 m・・・(入場料18.5 /放映権105.7 /商業36.7 )
10.インテル・・・ £136.9 m・・・(入場料22.5 /放映権85.3 /商業29.1 )
11.ユベントス・・・ £132.6 m・・・(入場料9.9 /放映権84.4 /商業38.3 )
12.リヨン・・・ £123.3 m・・・(入場料17.3 /放映権59.4 /商業46.6 )
13.シャルケ・・・ £117.5 m・・・(入場料25.6 /放映権44.3 /商業47.6 )
14.トッテナム・・・ £114.8 m・・・(入場料40.4 /放映権40.3 /商業34.1 )
15.ハンブルガーSV・・・ £101.3 m・・・(入場料36.0 /放映権22.8 /商業42.5 )
16.マルセイユ・・・ £100.4 m・・・(入場料18.6 /放映権55.0 /商業26.8 )
17.ニューカッスル・・・ £99.4 m・・・(入場料32.4 /放映権41.1 /商業25.9 )
18.シュトゥットガルト・・・ £88.3 m・・・(入場料14.8 /放映権34.8 /商業38.7 )
19.フェネルバフチェ・・・ £88.1 m・・・(入場料22.1 /放映権21.1 /商業44.9 )
20.マンチェスター・シティ・・・ £82.3 m・・・(入場料18.5 /放映権43.3 /商業20.5 )
BBCによると、このレポートについてデロイト社は下記のようにコメントをしています。
●Dan Jones(Sports Business Groupパートナー)
「ポンドの為替レートが下落していなければ、イングランドのクラブは7つではなく9つが20位の中に入っており、マンチェスター・ユナイテッドはレアル・マドリーを上回っていたでしょう。
レアル・マドリーの2007/08の収入の伸びは4%で、ここ数年間に比べれば控えめではあるものの、このクラブは2002年以来収入を倍増させており、マンチェスター・ユナイテッドを41mユーロ(£32.5m)上回っています。クラブのアナウンスによると、2008/09の収入予算は400mユーロ(£316.7m)で、来年のマネーリーグでレアルがトップの座をライバルに明け渡すのは難しいでしょう。」
●リストの著者
「来年のマネーリーグは、経済状況がこの競技のトップクラブにいかに影響を与えるか、その初期の兆候を示すことが予想される一方で、その影響の完全な青写真は2009/10までは見られないでしょう。」
●Paul Rawnsley(Sports Business Groupディレクター)
「フットボール産業のその独特な性質により、メジャーなクラブは経済不況に比較的強いと言えるでしょう。クラブの試合観客動員数は安定しており、イングランド、ドイツ、フランス、スペインの各クラブはTVの放映権料収入がさらに増え、将来に向けて安定して見込まれています。
経済状況の変化にも関わらず、プレミアリーグは2010/11シーズンから2012/13までの国内のライブ放映権でその記録を更新し、4%増えた£1.782bnを確保しています。プレミアリーグの世界的な人気に伴い、今年後半の海外における放映権の販売の際、その金額はさらに上がりそうです。」
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この収入の内訳を見てみれば一目瞭然、レッズがプレミアの他のクラブに比べて少ないのは入場料収入です。他のビッグクラブに比肩できるだけの収入を得るためには新スタジアム建設をしてキャパシティを上げることが必須で、だからこそムーア前会長は代々保有していたリバプールFCを売却する決意をしたわけです。しかしその新スタジアムは、今や遠くに浮かぶ蜃気楼のようで・・・。それでジレットによるともう£100mも使ったと言うんですから、その分でトーレスを5人買ってくれたほうがどれほどチームの力になったことか(泣)。
このリストはあくまで収入であり、支出や借入金がどうなっているかはわかりません。クラブは普通支出を含めたAnnual Reportを公開していますが、レッズでは2005/06シーズンを最後に公式HPでは公開されなくなっています。
リバプールはCLで世界一の金持ちクラブと対戦し、世界2位の金持ちクラブとリーグタイトルを争っているわけですね。「金じゃねーよ!」ってとこを見せつけてやりましょう!
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無題
このデータを見て目を引くのはバイエルンの商業収入です。
"あの"マドリードにも勝っている…。
聞くところによるとこのチームは「無借金経営をしている」とのことで、常々羨ましく思っています。
他方では選手の年俸を抑えたりいろいろ苦労はあると思いますが、それでもヨーロッパで水準以上の成績を残しています。
借金をしてまで作った強いチームで優勝を狙う…。なんだかおかしいですね…。
リバプールもバイエルンを是非見習ってもらいたいですね!
Re:無題
バイエルンの商業収入はすごいですね。これはスポンサー収入が多いんでしょうか。ドイツの中でバイエルンのブランドはきっと別格なんでしょうし、ブンデスは観客動員数も多いし、リーグで借入金の制限枠を設けていたりして、経営が堅実ですよね。さすがドイツ気質!
理想的にはバルセロナのように、ファンがクラブを保有するのが一番ではないかと思うんですが、ここまでクラブの規模が大きくなればそれは難しいでしょうね・・・。それにソシオ制度だと会長が人気取りに走ってしまうところもあるし。ころころ監督が変わるのはいやだし、スター選手をひたすら買いまくるのもどうかと思うし、でもまず何より強いチームであって欲しいんですよねえ。
無題
経営体系が理想的かつ結果だしてますし。
プレミアは放映権はなんとか13年まで確保したけど、そのころにどうなっているのか・・・。
チェルシーの入場料がそんなにあるのはやはり価格を引き上げているからでしょうかね?
何れにしても、現オーナーではリバプールは苦しいだけですなぁ・・・メガクラブ化政策に頓挫してるわけですけど。
資金力を言い訳にするのは避けたいですがねぇ・・・う~ん、負債が怖いw
Re:無題
チェルシーの入場料収入は、レポートによるとロンドンのチームであることから、入場料が高いんだそうです。また、このシーズンは国内カップ戦二つで優勝、CLも準決勝まで勝ち進み、ホームの試合が多かったことが入場料収入増に繋がっているそうです。