土曜の各紙の報道によれば、リバプールの財務担当役員フィリップ・ナッシュは今週クウェートに新スタジアム建設への出資を協議するために飛びましたが、その最終的な目的はクラブの売却であるとのこと。このナッシュという人はアーセナルからヒックスにリクルートされた人物だそうです。
この突然一斉に報じられた買収話、第一報を報じたテレグラフ紙が、中心人物はこんな人たち、と続報をしています。それによると・・・
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●買収の主役たち
(テレグラフ紙)Nasser Al-Kharafi:世界長者番付48位、資産£90億と言われているクウェートの大富豪。湾岸建築ブームで富を築き、彼の一族は金融、食品、観光事業などに投資をしている。
昨年にリバプール買収について協議をし、デューデリジェンスも終了していたが、合意に至る寸前に手を引いて破綻。ニューカッスルのオーナー、マイク・アシュリーは認めていないが、ニューカッスルの買収の可能性についても会談していたと言われている。
BBCの識者によると、Nasserはピザハットやクリスピー・クリーム・ドーナツなどの中東地域における独占フランチャイズ権を持つ、湾岸最大のコングロマリットのひとつのトップでもある。今回の買収交渉には甥のRafedを指名。
Rafed Al-Kharafi:Nasserの兄である国会下院議長、Jassimの息子。彼が交渉の中心人物と見なされている。新スタジアム建設への投資についてヒックス側と会ったが、その話はすぐにクラブの完全な買収へと変わったと考えられている。
トム・ヒックス:不人気なオーナーではあるが、ラファ・ベニテス監督の熱心な支持者。ヒックスはクラブ売却を願っていないと考えられていたが、それは彼の同盟者であるフィリップ・ナッシュとイアン・アイルによって疑問を提示された。ヒックスは約束した新スタジアム建設のための資金を必要としているが、彼が役員会に自分が留まることを要求したことが、昨年のクウェート側との協議を決裂させた。
ジョージ・ジレット:Al-Kharafiとのいかなる取引の可能性についても、ヒックスは彼の共同オーナーに知らせることなく話し合っている。この二人の関係は冷え切っているが、ジレットは適正価格で売れれば満足するだろうと思われる。RBSからの£350mの借入金の返済が迫っており、Mill Financialからの個人的な借入金£40mの返済もある。
リック・パリー:リバプールのCEOは、移籍市場での一連の衝突のためにベニテスと仕事の上で緊張関係にある。役員会の中ではジレットと彼の息子フォスターと連携してクラブで分裂しており、パリーはロンドンでのクウェート側代表との会談からは除外されていた。買収は彼の将来に影を投げかけるだろう。
イアン・アイル:クラブの営業担当役員であり、ヒックスに近い同盟者。いかなる買収があったとしても、このアメリカ人はアンフィールドにその力を残すはずである。アイルはAl-Kharafi一族との交渉の中心人物で、パリーがCEOを解雇された時の後任と目される。
●BBCのMihir Boseのリポートより抜粋
(BBC)リバプールの新オーナーの可能性があるNasser Al-Kharafiは、望み得る最もパワフルな人物だ。クウェートで最も裕福な人物の一人とみなされ、クウェート国立銀行の筆頭株主であり、兄は下院議長である。彼はリバプールで行う投資を金融投資とみなし、マンチェスター・シティのアブダビのオーナーのように金を撒き散らすことはしないだろう。
リバプールの現オーナーとの交渉は始まったばかりだが、その価格は£400mほどと見られる。ヒックスはジレットの持ち株を売却し、自分の株式は保持しようとしているのか、それとも売却しようとしてるのかどちらかだという話がある。しかし信頼できる情報筋によると、そうではないらしい。二人とも売却を望んでおり、問題は望む価格を得られるかどうかだ。ちょうど1年前にDICとの買収話があった時にヒックスは£1000mを要求した。今はその価格は£600mに下がっているが、現在の経済状況を考えると£400mが現実的な価格と思われる。
●情報筋の話
(Liverpool Daily Post)※RBSとワコビア銀行からの2009年7月が返済期限の借入金£350mについて、オーナーは期限までに買い手を見つけるようにと言われている。
「ヒックスは、時間はどんどん過ぎて時計はカチカチ音をたてていると銀行に告げられている。ヒックスはRBSはこの取引の再融資はしないだろうということを知っている。
リバプールは11月にほとんどAl-Kharafi一族に売却寸前のところまで行き、後はサインをするだけだったが、彼らは撤退した。ヒックスはそれに怒り狂ったと考えられている。」
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とにかく株の一部を売却してヒックスやジレットがクラブに残るなんていることはないよう、売るなら100%にしてすっぱりと出て行っていただきたい、それだけです。こういう買収話は出ては消えを繰り返していますから、今回もどうなるか全くわかりませんので「そういう話もあるんだね」程度に受け止めておくのがいいと思われます。決まる時はあっという間でしょうし、それは全く違う買い手かもしれません。
しかしクラブはどこかに売却されることになるんでしょうから、この話が100%の買収でまとまってほしいと思っています。万一7月までに買い手が見つからないなんてことは考えたくないです(苦笑)。ユナイテッドのように、売却されてクラブがさらに巨額の負債を抱えるなんてことになるのもいやですから、少なくとも負債を作らずに買収できるだけの資金力があり、なおかつ利益を考えないで投資してくれるオーナーが理想ですが・・・。シティは今はいろいろと風当たりが強いですが、それでもこのまま行ってあと何年かすれば、彼らは間違いなく第2のチェルシーになると思います。その時にプレミアリーグはどうなっているのか、トップ4の勢力図はどう変わるのか、そしてリバプールはタイトルを争える場所にいられるのか、なんて先のことに思いをめぐらせてしまいます。
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