スペインのサッカー専門誌
"Don Balon"に掲載された、マスチェラーノのインタビューです。現地サポーターが英語に訳してくれているものを日本語訳しました。
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Don Balon:ハビエル、あなたの名前が、バルセロナやレアル・マドリーのようなチームと強く結び付けられていますね。そういうすばらしい組織から興味を集めていることを、あなたはどうお感じですか?
Mascherano:すごく嬉しいよ。偉大なクラブがそう言ってくれるんだから、僕にとってはすばらしい評価を受けたことを意味する。僕はリバプールで気持ちよく過ごしているけど、バルサやマドリーのようなチームが自分に興味を持っていると知るのは、いつでも嬉しいことだ。とてもありがたいね。
Balon:今年は、リバプールでは全く思うようには行きませんでしたね。全てのタイトルを争っていましたが、最終的には何も手にできませんでした・・・
Masch:うん。プレミアリーグは、一連の悪い結果の後で、僕たちにとってはさらに難しいものになっているよ。そして残念ながら、チャンピオンズリーグでも僕たちは、ロンドンでのチェルシー戦で挽回することができなかった。あの対戦はホームのファーストレグで終わっていたんだけどね。僕たちは数分間集中を切らして、その結果が致命的だった。僕たちは法外な代償を支払ったよ。もっといい結果でも良かったと思う。しかしフットボールでは、どれだけやれたかではなく、結果だけが大事なんだ。今シーズンは僕たちはすばらしいチームを作っていたと感じているから、残念だよ。
Balon:リバプールサポーターは、今シーズンは「プレミアリーグ」のタイトルを特に叫んでいました。彼らは長い年月優勝を手にしていませんからね。
Masch:その通りだよ。でも、リバプールがカップ戦志向のチームで、チャンピオンズリーグを低く見ている人間は誰もいなかったのもまた事実だ。僕たちはプレミアリーグの中でいくつかすばらしい試合をした。オールド・トラフォードでマンチェスター・ユナイテッドを1-4で破るという、他のどのクラブも手の届かないようなことをね。しかしそれでも十分じゃなかった。
Balon:あなたたちは、レアル・マドリーもほとんど楽々と倒しました。アンフィールドでは特にでしたね。マドリーのチームをどう評価しましたか?彼らは5年間、チャンピオンズリーグでベスト16より先に進んでいません。
Masch:そういうことは時々起きるんだよ。フットボールはいろいろな要素が影響するからね。レアル・マドリーはとてもすばらしいチームだったけど、おそらく彼らは組織に関して混乱の時にあったんだ。一方で、リバプールは何年間も、同じ選手を基本にしてプレーを続けて来ている。僕は、レアル・マドリーが同じ状況だったとは思わない。それに加えて、プレミアリーグの速さはラ・リーガを凌駕していると僕は思う。
Balon:それは、チャンピオンズリーグでイングランドのクラブが勝ち残っていることの主要な要因なんでしょうか?
Masch:間違いなく主要な要因の一つだろうけど、それ一つだけではないと思う。経済的な状況も、ポンドとユーロの為替レートで大きな影響をもたらしていると思う。それから、現時点での英国人の組織能力だね。いろいろな要因がある。
Balon:しかし、最後にCLのトロフィーを掲げたのはバルセロナでした・・・
Masch:実際はね。バルセロナが他のチームよりも強かったことは、疑いようがないよ。
Balon:アルゼンチン代表チームでは、あなたはメッシとチームメートですね・・・
Masch:疑問の余地なく、メッシは世界最高の選手だ。彼が持っている能力と、彼が何をできるかは驚くべきものだよ。彼を間近で見られるのは特権だね。フットボールの世界では、彼に限界はない。
Balon:彼はマラドーナと同じぐらい偉大になれますか?
Masch:それは時間だけが証明するだろう。でも、彼がそうならないということは誰も保証できない、それは事実だ。間違いなく、彼は歴史の中でも最高レベルの、とても高いレベルにある。
Balon:レアル・マドリーの新監督、マヌエル・ペジェグリーニについてのあなたのご意見は?
Masch:ペジェグリーニはすばらしい監督だよ。僕はリバープレートで彼の元でプレーし、彼についてのすばらしい思い出を持っている。ビジャレアルで彼がやった仕事は高いレベルのものだったし、間違いなく、レアル・マドリーは彼を雇うという正しい決断をした。
Balon:アルゼンチンから出てイングランドフットボールに適応するというのは、厳しいものでしたか?
Masch:最初はほんの少しね。しかし僕は、自分がたどって来た道のりに関してはラッキーだったと思う。リバープレートで育ち、それから違うプレーをするブラジルのコリンチャンスに行った。そこからウェストハムに行き、より速いペースで、しかし高い精度でプレーするプレミアリーグに慣れることができた。その後でリバプールに来た時は、僕は既にイングランドのスタイルでプレーすることに関してはいい感触を持っていた。
Balon:リバプールのプレースタイルを、あなたはどういう風に表現しますか?
Masch:リバプールはよりダイレクトなスタイルで、チームは常に勝利を目指す。しかし、僕たちの前線はとても破壊力があるから、あまりパスを繋ぎ過ぎて行き詰ることがないように、常に心がけているよ。僕たちはそれでアドバンテージを取ろうとしている。クラブの攻撃的な選手たちは、とても高い能力を持っている。
Balon:では、ラファ・ベニテスについてのあなたの意見は?
Masch:卓越しているね。彼は誰も想像すらできないような、ものすごく細かいことまで管理するんだ。幸運にも彼は契約を更新し、彼とこのクラブとの繋がりは続いていくだろう。それは他の全員にもっと安心をもたらすだろうね。
Balon:フェルナンド・トーレスが世界最高のストライカーの一人であるということは、言って差し支えないでしょうか?
Masch:全く差し支えない。フェルナンドはとてつもないストライカーで、相手ディフェンダーは彼を抑えようとしてゼイゼイしているよ。ピッチでの彼の動きを見ていて、どちらのサイドからでも攻撃できる能力、ジャンプの仕方、ヘディングの仕方、そしてゴールでのフィニッシュに僕は驚嘆している。
Balon:時間が経過するに連れて、あなたはシャビ・アロンソとすばらしいパートナーシップを形成していますね・・・
Masch:うん、僕たちは完璧に理解しあい、お互いのことをとても上手く補完しあっている。僕たちの相互理解は、リバプールのプレースタイルを決定づける歯車の1つなんだ。
Balon:あなたは、カルロス・テベスとほとんど一緒にキャリアを過ごして来ましたが、今はライバルクラブでプレーしていますね。
Masch:うん、僕たちはライバルになったけど、お互いを大きく評価し、尊敬し合っているよ。コリンチャンスで、その後でウェスト・ハムでもチームメートだったから、お互いのことをとても良く知っているんだ。アルゼンチンとイングランドではライバルクラブでプレーすることになったけどね。でも僕たちの間は全てがいい関係だし、代表チームでは一緒にプレーしている。
Balon:あなたはそれだけの若い年齢にもかかわらず、ディエゴ・アルマンド・マラドーナのような人物が「アルゼンチン代表はマスチェラーノと残り10人」と言っている事実に、どう対処しているんでしょうか?
Masch:本当のところ、僕はそれをとても誇りに思うし、彼が言ったことを聞いた時は、ほとんど信じられなかったよ。こういう賞賛は、どんな選手の魂も高揚させるね。過去の優れた選手というだけでなく、フットボールの歴史を通して最高の選手がそういうことを言ってくれているんだからね。僕のキャリア全体を通じて最高のほめ言葉だよ。もちろんそれに伴って、それに応え、代表チームで自分の最高レベルのプレーをする責任が今はある。
Balon:あなたはアルゼンチン代表チームのキャプテンマークも渡されることになりましたが、そこには大勢の重要な選手たちがいて、さらに、以前に既にその責任を引き受けて来た選手もいます。それはあなたにとってどんな意味を持ちますか?
Masch:大きな意味を持つよ。想像してみて欲しいんだけど、もし僕たちが南アフリカのワールドカップで優勝できたら、僕がトロフィーを掲げることになるんだ。どんな選手にとってもそれは最大の夢だし、歴史の中でもめったに起きることじゃない。でもそれに加えて、「アルバセレステ(白と青)」のシャツの重み、そしてチームメートへの責任も大きい。それはものすごく大きな責任だ。でも、他のチームメートもきっと同じように感じているだろうし、僕は最大限の威厳を持ってリーダーシップを発揮しなくてはならないよ。
Balon:今までの道のりは決して平坦ではありませんでしたね。マラドーナとの対立によるフアン・ロマン・リケルメの代表チーム拒否という、非常に深刻な問題にあなたは直面しなくてはなりませんでした。
Masch:あれは個人的な問題なんだ。人はそれぞれ自分の立場があって、僕たち全員があんな風になってしまったことを悲しく思っている。しかし、僕たちはページをめくって前を見て、プレーを続けて行かなくてはならないんだ。これからワールドカップの予選で鍵となる試合をいくつか迎えるし、今のところ僕たちは安全と言える位置にはない。チームにいないのが残念なすばらしい選手のことを話していても、それで横道にそれるわけにはいかないんだ。僕たちには他にもすばらしい選手たちがいるしね。
Balon:大勢の人々が、アルゼンチン代表にはあれほど才能があふれているのに、なぜもっと良いパフォーマンスができないのかと不思議に思っています。本当のアルゼンチン代表は、ベネズエラを4-0で破ったチームですか、それともボリビアに1-6で負けたチームですか?
Masch:フランスとスコットランドを、それぞれ親善試合で破ったチームもあると思うよ。ラパスでの試合は、あれほどの高地という特殊な環境だったし、いつもあんな大敗をしているわけじゃない。それでも僕たちがいくつかミスを犯したことは認めるよ。僕たちの大勢がひどく落胆した。でもあれは過去のことだし、僕たちは、アルゼンチン代表チームが今も、すばらしい選手を擁していて相手に恐れられるチームなんだということを実証しなければならない。
Balon:ゴンサロ・イグアインが代表チームに入るべきだと思いますか?
Masch:僕は彼のレアル・マドリーでのキャリアを見て来たし、彼が注目に値するレベルのプレーをしていることは事実だ。僕の知る限り、代表のドアは誰に対しても開いている。だからもしも彼がああいうプレーを続ければ、彼はチャンスを得るだろうと思うよ。僕は彼がリーベルにいた時から良く知っているし、彼の力も知っている。
Balon:アルゼンチン代表チームが、北中米カリブ海で4位になったチームとプレーオフを戦わなくてはならない可能性を、あなたは想像していますか?
Masch:実際のところ、NOだね。それに僕はそんなことを想像したこともないよ。そうなったら大きな痛手だろうけど、それは僕たちが考えてもいないことだ。
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最初の質問に対する彼の答えだけを抜き出して、またしてもイングランドのメディアが騒いでいます。しかし他の質問では、彼はアロンソと自分のコンビネーションに相当の手ごたえを感じている様子。彼の言うとおり、この二人はチームを動かしている二つの車輪です。彼らのどちらかでも欠けたら、リバプールは全く別のチームになってしまう。それは彼自身が良くわかっていると思います。
SPORT.co.ukは、マスチェラーノの移籍のうわさに関連してヤヤ・トゥーレの代理人のコメントを紹介しています。それによると、「ヤヤにとっては問題ないが、あのアルゼンチン人にとっては問題あるんじゃないかな。彼は長い時間ベンチを暖めることになるだろうから。」だそうです。その通りですね、すばらしい選手がいるんだから、わざわざアルゼンチン代表キャプテンをベンチに座らせるために獲得する必要はないですね、ペップ監督。代理人は、上手く行けば今週末にはヤヤの契約延長がまとまるだろう、とも言っています。
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無題
それでは失礼致しました。
Re:無題
>ラファがXアロンソ・マスチェを放出する事は絶対ないと信じています。
そうですね!タイトルを本気で取りに行くシーズンに、そんなことがあってはいけません。マスチェラーノは、メッシの誘惑に負けないでしょう。