Daily Mailより、ミランについてのキャラガーのコメントです。
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●キャラガー
(Daily Mail)「準決勝のチェルシーの試合が終わったとたん、通りの人々は騒いでいたよ。特に俺みたいな地元民は、知らない人でさえこぶしを振り上げて叫んでいた。俺たちが決勝に進んだのが人々にどれだけ大きな意味を持つか、それだけでわかる。このフットボールクラブはここの住民たちにとって大きな部分を占めていて、彼らがそれを見せるのに時間はかからない。
(ラファがアンフィールドに来た時に、選手たちにバレージやファン・バステンがいた時のACミランのチームのテープを見せたことについて)監督は未だに、あのチームのことを話すよ。多分彼が一番好きなチームなんだろう。俺たちにああいうプレーをさせたいんだと思うが、それは簡単なことじゃないだろうね。ルート・グーリットとファン・バステンがスパイクを履き直してこなけりゃな。俺たちは彼らのビデオを見たんだが、俺が今まで見た中で最高のチームの一つだよ。彼らは全てを兼ね備えていた。普通、攻撃に優れたチームは守備がそれほどでもないとか、そんなようなことがあるものだ。しかし彼らは大きな攻撃力を持ち、なおかつバレージやパオロ・マルディーニ、アレッサンドロ・コスタクルタが後ろに控えていた。歴代のワールドイレブンを選ぶとしたら、多分そこにバレージとマルディーニは入るだろう。
(2年前ミランが3-0でリードしていたハーフタイム、彼らが勝利を祝っていたという話について)俺はミランのことをものすごく尊敬しているから、そんな話に係わり合いたくはないよ。マルディーニはあの試合が終わった時に俺と握手を交わした。彼のようなポジションの人間がどれぐらい落ち込んだか、俺にはわかる。フットボールであんなことが起こるのはクレイジーだよ。クレイジーな6分間だ。俺たちにとっては最高で、彼らにとっては悪夢だった。
おそらくあの試合で最高の思い出は、イェルジー・デュデクがセーブをして彼に向かって走って行き、突然痙攣が始まった時だな。最悪は、多分3点目が入った時だ。俺はセンターサークルから歩いて来る俺とスティービーの写真を見たことがあるんだが、俺たちの顔には落胆以外の何ものもなかったよ。ちょうどハーフタイムに入る時だ。
皆ハーフタイムに何があったかと聞いて来て、俺たちがまるで精神病者みたいに『俺たちは勝つ』と言い続けていたという答えを聞きたがるんだ。しかしどんなレベルの試合だろうと、ハーフタイムに3-0でリードされていたら、5-0とか6-0で終わるんじゃないかっていう恐れを抱くもんだよ。チャンピオンズリーグの決勝まで到達したという事実はすばらしい成果だったが、もしもそこで負けたらがっくりだ。しかし俺が考えていたのは、『5点や6点も取られたら恥だ』それだけだったよ。俺たちが良くやってきたと言う事実も、そんな負け方をしたら台無しになってしまう。
俺はあの試合を何度も見たが、後半のスタートから見れば、得点しそうだったのはミランの方だったし、イェルジーが2度いいセーブをしなくてはならなかった。しかし最初のゴールが俺たちに少し望みを与えてくれて、2点目が確信をくれてそこから逆転劇が始まった。あれから2年が経って、今あのビデオを見直したらあの勝利がどんな偉業だったか気がつくかもしれないな。おそらくこれまでのフットボールの試合の中でも最高の一つだろう。
彼らはあれからあまり変わっていない。トップにアンドリー・シェフチェンコとエルナン・クレスポがいなくなったくらいだな。しかしフィリッポ・インザーギは素晴らしい経験の持ち主だし、大金をはたいてアルベルト・ジラルディーノを獲得している。カカのポジションはおそらくわずかに変わっていて、今はワントップの下でやっている。しかし4バックと中盤のことは俺たちはとても良く知っている。
(カカがすばらしいのは)今シーズンに限ったことじゃない。イスタンブールの前半での彼の働きを思い出してみるといい。あの後俺たちはみんな、ロナウジーニョと並んで彼は間違いなく世界最高の選手だと感じた。そして今シーズン、おそらく彼はロナウジーニョの影を薄くしただろう。
監督はいつもバランスだと言う。攻撃的過ぎてもだめだし、守備的過ぎてもいけない。ミランはおそらく完璧なバランスを持っているだろう。ラファは非常に組織だったプレーを好むタイプの監督で、それが俺たちがヨーロッパでこれだけ良くやれている理由だと思うよ。こういう決勝に勝ち進むためには守備がしっかりしていなくてはならない、その証明だ。
マンチェスター・ユナイテッドは、プレミアシップ最高のディフェンス力を持つチームの一つだ。スタッツを見たら、彼らのディフェンスの問題が事実だとは俺には思えないね。カップを獲得するためには運が必要なんだよ、特にこのレベルでは。ユナイテッドの4バックはミランにやられた・・・それは必要な運がちょっと足りなかったんだ。このレベルではチームの力は本当に接近していていて、ごく小さなことが試合を全て変えてしまう。
おそらく俺たちは、プレミアシップでは時にはもっと開いたプレーをする必要があるのかも知れないな。今シーズンいい記録が出せなかったアウェイでは特にだ。俺たちにとって違うのは、ヨーロッパ戦は考える試合だってことなんだ。もしも俺たちのチームを良く見渡せば、全員がパワフルで速い選手ばかりではないことがわかる。わかるのは賢い選手が大勢いるってことだ。俺たちにディディエ・ドログバやマイケル・エッシェンはいない。プレミアシップで勝つために必要なのはそういう選手だ。ああいうフィジカルな選手が必要なんだよ。
俺はこの前の夜、チェルシー戦をもう一度見た。全然すばらしい試合ではなかったよな?激しさに関してはすばらしかったが、内容は乏しかった。しかし肝心なのは勝つことなんだ。アーセン・ベンゲルは今その場所をラファ・ベニテスと入れ変わっていると俺は確信しているし、アーセナルは誰も見たことのない最高のフットボールをやっているだろう?
(若い時に酔って面倒を起こしたことについて)出かけていってちょっと飲んだりするのは誰にでもあるが、エールを飲みすぎで正体をなくすのはだめだよな。俺は今はもうちょっと大人になったと思いたいよ。誰でも通り抜けることだし、しっかりと通り抜けなくてはならないことでもある。誇らしく思えることではないけどね、自伝を書くのにはいいんじゃないか?」
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ラファはオランダトリオがいた頃のACミランのファンですか!好きなチームにいたスターが率いるチームとCLで対戦して下すというのは、どういう気持ちだったんでしょう。選手としてのキャリアはライカールトとラファでは比較になりませんから、一度その辺のコメントを聞いてみたいです。まず無理でしょうが・・・。
キャラは「フットボールおたく」を自認するにふさわしいコメントです。でもチェルシー戦を「内容の乏しい試合」と語っているのはちょっと残念でしたし、そうかなあ・・・と思います。システマチックなフットボールが主流になっていく中、選手もファンも本当はもっと自由でスペクタクルなフットボールを求めているんでしょうか。しかし現実的にはそれは難しいですし、だからこそ個人の力で強固なシステムをこじ開ける、それだけの力を持った選手が輝く時代なのかもしれません。
最後にちょっと触れている、キャラガーが若い頃起こした面倒(飲酒の上でのこと?)については良く知りません。ご存知のがいたら教えていただけると嬉しいです。いずれ自伝で読めそうですが(笑)。
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