ヘンリーオーナー、ファンにお答えします

現地ファンフォーラムはヘンリー新オーナーへの質問をスレッドで受け付けており、それをまとめて23の質問を送りました。ヘンリーオーナーはそれに対して10の返答を送り、それがフォーラムに公開されています。その内容を訳してみました。
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1．財政面を考えれば、はるかに安心できる投資先が他に存在します。あなたがスポーツクラブを買って投資する、その動機は何なのでしょうか？

我々は、高いレベルで競い合うことに突き動かされている人間で満ち溢れた組織です。確かにスポーツクラブよりも良い投資先はありますが、自分たちの行うこと全てが、非常に大勢の人々にとって意味を持つものであると、我々は認識しているのです。そして我々の行うことは、我々自身にとっても意味を持ちます。我々は毎朝、チャンピオンシップ優勝のチャンスを増すために何ができるかを考えながら目覚めます。それは信じられないほど面白いことで、共通のゴールに向かって共同作業をするのを、我々は本当に楽しんでいるのです。

2．リバプールFCを買った、その個人的な、そして会社としての動機は何だったのでしょうか？単に売却されるクラブがあったからですか？

2002年にレッドソックスを購入した時との共通点を、我々は確認し続けていました。そのことはメディアの中で詳細に述べられて来ました。しかし我々にとって最も重要だったのは、世界最大のスポーツの、その最高レベルで競い合うための能力でした。もしもそれだけの資力があれば、どんなスポーツのファンでもほとんどの人がクラブを一つ購入するでしょう。我々にはその資力がありました･･･財政面と、組織力の面との両方でです･･･世界中を最もカバーしているスポーツクラブの一つを、運営して行く力です。それは特権です。

3．あなたが「フットボール人」の介入なしにリバプールFCを購入する決断をしたと考えるのは、世間知らずでしょう。よろしければ、デューデリジェンスの最中にあなたにアドバイスをした人物の名前を教えていただけませんか？

我々は独自にデューデリジェンスを行いました。イングランドのフットボールのことは知りませんが、スポーツビジネスのことは知っています。そして我々は急速に学びつつあります･･･しかし、これは報われる面白いものです。ヨーロッパでのフットボールの組織は、我々が慣れ親しんでいるものとは全く違います。これは魅惑的な挑戦です。現在、私たちは幸運に恵まれ、我々に情報を与えてくれる人々と会うことができています。我々の最大の責任は、クラブとフィールド外に適切な人々を連れて来ることです。

4．NESVは￡300mの買収資金をどのように支払ったのでしょうか？

単純な答えは、我々はLFC買収に現金を支払い、スタジアム関連の負債￡37mは残りました･･･スタジアムはまだどこにもありませんが･･･計画に使った非常に高額の費用などです。我々はスタジアムを、クラブとは区別して考えています。それは別個の存在です。
我々には、大きな成功を納めているパートナーがいくつかあります･･･そのうちの一部はEPLの大ファンです･･･そして我々は、内部に潤沢な資金を有しています。しかしNESVは、レッドソックスを買収した初日からずっと負債を抱えています。我々には内部利益率に注目しているパートナーたちがおり、それゆえに彼らのほとんどは我々が負債を抱えることを求めます。負債はIRR（内部利益率）を高めるからです。

私は最近、ニューヨーク･ヤンキースが＄3.5bの負債を抱えているという記事を読みました。しかし、ヤンキースファンがそのことで不満を訴えているのを、私は聞いたことがありません。レッドソックスファンがクレジットの使用に不満を訴えるのも、聞いたことがありません。クレジットというのは、おそらく他国よりもアメリカの文化には受け入れられやすいのでしょう。しかし、金を借りるのは上手く、それを投資するのは下手という人々はいるものです。それとは逆の人々もいます･･･そして我々は、自分たちはこのカテゴリーに入ると思っています。最大クレジット枠などを持ち、ビジネスを賢明に運用するのが上手く、そういうビジネスに投資をする人間たちです。

9年間に及ぶ運営で、我々のパートナーシップはまだ利益の配当を行っていません。我々はフェンウェイ･パークに＄250mを投資して来ました。そして選手にも投資して来ました。過去9年間では、MLBの30クラブ中2番目です。今回はLFCに投資をし、目の前にはスタジアムに関する仕事もあります。先に述べたスタジアム関連の負債以外には、LFCには負債はありません。年間￡40m近くあったと思われる利息の支払いは、大幅に縮小されました。

5．買収にかかった負債がクラブに課されることはないという、契約上の約束というのはありますか？

いいえ、それは必要ありませんでした。

6．このクラブ取得で、NESVはどうのようにして利益を作って金銭を引き出すつもりなのでしょうか？

良い質問です。クラブが苦闘しているうちは、私はいかなる利益からも金銭を「引き出す」見通しは持てません。上手くいけばいつか、LFCは今日よりも価値が上がるでしょう。

7．NESVの資本構成およびキャッシュフローは何でしょうか。また、負債をどのようにして返済するのですか？

私企業ですので、我々は財務情報を公開していません。しかし、LFCは毎年財務情報を公開しています。

8．私が答えてもらいたいと思っている質問は全て、あなたが実際しばらく考える必要があるものです。しかし、現段階で私が関心を抱いていることは、これからの3年間でのあなたの鍵となる指標は何かということです。

来年から導入されるファイナンシャル･フェアプレー制度の中で、このクラブがトロフィーを獲得できる位置につくことに、我々は専念しています。それは、フィールド外では、LFCの収入を世界規模で増大させるつもりであることを意味します。フィールド内では、我々はもっと賢くなければなりません。アーセナルとマンUは若さと才能の厚みを持っています。我々にはそれがありません。その面でやるべき仕事がたくさんあります。たくさんの仕事です。そして我々はそれをやるつもりですが、その点に関しては賢くなければなりません。

9．リバプールFCには、しっかりと安定した時期が必要です。リバプールサポーターは、自分たちが正しい方向へ進んでいると感じられる限りは、忍耐強く待つでしょう。あなたはどれくらい長くクラブを保有する計画ですか？長期間（10年以上）か、それとも短期間ですか？

長期間です。我々のやることは全て、長期の計画に基づきます。

10．リバプール･フットボールクラブは世界最大規模のファンベースを有するクラブの一つで、情熱的なレッズたちが世界の隅々まで広がっています。最大の敬意を払いながら申し上げますが、あなたのチームがすばらしい成功を納めている野球というスポーツは、北米ではメジャースポーツですが、リバプール･フットボールクラブまたはプレミアリーグとは、そのファンの規模、視聴率等々では比べ物になりません。今後世界的にこのクラブを売り込み、このクラブのプロフィールを世界規模で拡張し増強させるために、あなたはどういうプランをお持ちでしょうか？

この質問には長い答えが必要です。おそらく、私はここで一休みをして、これと他の質問には次回お答えすることにしましょう。

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月曜日は選手たちはオフでした。ヘンリーオーナーは今日火曜日にLFCにやって来て、ホジソンとも会合を持つ予定です。そしておそらく、ナポリ戦と週末のチェルシー戦を観戦しながら、1週間は英国で過ごすことになると思います。彼が英国に滞在しているうちに、新しいクラブ役員体制が発表されるのではと予想しています。

ファンからの質問にていねいな答えを送ってくれるというのは、うれしいしオーナーの人柄が垣間見える気がしますね。もちろん今はファンの気持ちをつかみたいでしょうし、そのためには耳当たりの良い言葉を使うでしょう。しかしそれでも、ファンに過剰な期待をさせるような、大金を使うとか立派なスタジアムを建てるというような空約束は決して口にしないところが、逆に信頼が置ける気がします。

ボストン･グローブ紙のサイトに掲載された、NESVのクラブ買収が決まった運命の日のヘンリー･オーナーの動向を追った記事がありまして、とても面白い内容でした。金曜の前日の晩に彼はほとんど眠れなかったとか、買収が上手く進むかどうかわからずに不安を抱えていた様子、マスコミに追われる様子、そして激動の末に決まった時にはほっとして、「ちょっとホームシックだ、妻と赤ん坊（※奥さんは若い！）が恋しい、早くボストンに帰りたい」と本音を口にしたことなどが書かれています。興味深いのは、買収に乗り出してからの2ヶ月間、彼は寝る間も食べる間も惜しんでフットボールの試合を見、選手を研究し、ダウンロードできるあらゆるものを読んで学んで来たという部分です。買収が決まってからも彼は頻繁に「学ぶ（Learn）」という単語を使いますが、そういうことが本当に好きで、また必要と感じているんでしょう。そして、投資を超えた勝利に対する情熱もうかがえます。

今までの発言を読む限りですが、NESVは本気で、しかも長いスパンでのクラブの勝利と成功を目指していると感じます。しかし同時に、資金投入に関して非常にシビアであることもうかがえます。おそらく長期的な視野を持たない投資には消極的でしょうし、逆にアカデミーの充実にはかなりのてこ入れをすると思われます。楽しみですね！ファーストチームでは、戦力の補強とともに整理にも着手するかもしれません。

個人的には、レッズファンとしてはあるまじき希望なのですが、今回の渡英で監督人事に何かあるか？と期待を少々抱いてしまっております。気が早すぎかなあ･･･しかし以前にESPNがワシントンにいたブロートンから取った直接インタビューの中で、彼は「1年分のサラリーを払えば、新オーナーが28日以内に契約を解除できる条項があったと思う。」と言っています。ちょうどいい時期･･･と考えるのは不謹慎かなあ。CEOもまだ決まってない現状では、すぐにどうこうということはなさそうな気もしますけどね。

ここからはなつかしのラファの話。CLの試合前会見で前回彼はパースローにミルク爆弾を落としましたが、続いて今度はホジソンに砂糖爆弾を落としました。前回は訳すのを控えましたが、今回は載せてしまいます！
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●ラファ（SPORTING LIFE）
「ホジソン氏、彼は理解していないと思います。毎回プレスカンファレンスをするたびに、彼は前回よりもますますひどくなっています。彼は自分がわかっていないことを語っています。そして、砂糖の山の上で聖職者を見つけられない人はいるものです。
おそらく、彼はリバプールにあまり長く行ったことがないんでしょう。私たちはファンに誇りを与えました･･･再び。私たちはあのファンたちのために戦い、あのクラブのために戦い、我々の選手たちのために戦いました。つまり、おそらく彼はこのことを理解できないんです。

私はケニー･ダルグリッシュをクラブでのある役割をしてもらうために招聘しましたが、クリスティアン･パースローは彼に異なる役割を与えました。彼（ホジソン）は知らないのでしょうが、私は彼にそのことを説明するつもりですよ。ですから、ああ言ったりこう言ったりを繰り返すのではなく、彼は自分の選手たちのことに集中し、最善を尽くすよう努力すべきです。彼にはやるべき良い仕事があります。

彼らは9人の選手を獲得しました。（6年間で）差し引き￡10mを使い、私は￡300mの価値を持つ、13人の各国代表選手がいるチームを残しました。ですから、ああ言ったりこう言ったりを繰り返すのではなく、彼は自分の仕事に集中し、最善を尽くすよう努力すべきで、彼の選手たちのレベルや新しい選手のことを話すべきではありません。集中し最善を尽くすのです。それがクラブにとってベストのことであり、ファンたちにとってベストのことでしょうからね。」

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ホント変わってないな。「砂糖の山の上の聖職者」というのは、聖職者は通常黒い衣を身に着けているので、真っ白な砂糖の山の上でも黒い人物が見つけられない、つまり誰でもわかることがわからないという意味です。