ボルトン 0-1 リバプール

アウェイで久々の勝ち星！しかもやっかいなリーボック･スタジアムで。終了近くの時間帯に決勝点を決めるというのも、非常に久しぶりな気がします。いつ以来だろう？いい時間帯にゴールを決めて、短い残り時間で無事に試合を終わらせることができました。

しかし、試合内容は決して良くはありませんでした。ブラックバーン戦のチームは一瞬の幻だったのか？そう思えるほど、同じメンバーでも全く違う試合に。試合へのアプローチの仕方は、基本的にエバートン戦と同じだったと思います。低めのラインでプレスをかけずに引き気味に守る。パスはどこかでミスが出て思うように繋がらず、自然とロングボール主体になりました。

何が違ったかというと、今日はセンターバックの2人が大柄な相手FWたちを相手に、しっかりがっちり、非常に良い守りをしてくれました。キルギアコスは相変わらず空中戦は無敵（ややひじが怪しい）で、シュクルテルも気合のこもった非常に良い守備を見せてくれました。今日のキャラは爆撃機と化す場面はなく、サイドで守備に専念。ケヴィン･デイビスは今日も強さを見せましたが、それでも最終ラインは彼に決定的な仕事はほとんどさせませんでした。

そして、問題は攻撃です。最終ラインからの組み立てがあまり期待できないので、ロングボールを放り込むのでなければいったん中央に預けてそこからということになるんですが、そこからのスピードが遅く、ワイドなエリアを有効に使えてないのでなかなか決定的なチャンスまで持って行けません。美しくパスが繋がった良い攻めができたのは、後半のエンゴグから始まってマキシのオーバーヘッドで終わったワンシーンくらいだったと思います。ああいうのがもっと見たいんですけどね～。それでも、前半のトーレスやキャプテンの、決めて欲しい場面はいくつかありました。キャプテンの今日のキックの精度はなんとしたことか。1週間まるまる休んでいるので、コンディションの問題ではないでしょう。今日のがっかりシュート大賞はエルマンデルと引き分け。

試合の流れが変わったのは、負傷したジョーに代わってエンゴグが入ってからでした。2トップにしてキャプテンを一列下げるよりもトップ下のままで行って欲しかったので、正直「ヨバでいいじゃん！」と思ったんですが、エンゴグが入ることでトーレスの負担が軽くなりましたね。マキシもそれほど効果的な仕事はできていませんでしたが、アトレティコ･ホットラインでばっちり良い時間に1点を決めてくれました。トーレスのまた抜きバックヒールは紙一重のところを良く通したし、受けるマキシの動きが良かったです。彼は試合終了間際にふくらはぎを痛めたようですが、大丈夫でしょうか。単に痙攣ならいいんですけどね。交代させて欲しそうな身振りだったし、交代枠は一つ残っていたのに、なぜホジソンが動かなかったのかは謎。

今日のCMFコンビは、メイレレスは今ひとつ。その分ルーカスがすごくがんばっていました。ブラックバーン戦やセレソンほどのパフォーマンスではありませんでしたが、それでもアンカーの位置でしっかりやれていたと思います。彼は今自信を増しているところですね。それはエンゴグにも言えると思います。

さて、これでリーグ戦10試合を終えました。我慢できない私はそこまで待てませんでしたが、ホジソンが待って欲しいと言っていた数の試合を終えて2連勝していても、監督交代を望む気持ちは変わりませんでした。今日の試合は勝利できましたが、「運よく」の勝利で、PKを取られておかしくないシーンが2、3度ありました。2ヶ月半見て来ましたがチームとしての攻撃の形は作れていないし、問題だった守備がやっと改善されて来たぐらいで、昨シーズンと比べて良くなったところは何も見つけられません。何より、今のフットボールはリバプールのフットボールじゃない、少なくともCL出場を目指すチームのフットボールではないと思います。高望みしすぎ？これで精いっぱい？今のチームのメンバーを見て、私はそうは思いません。

試合後のホジソンのコメントです。勝つとますます長い！でも、コメントが長いから監督を変えてと言っているわけではないです（笑）。ただ、彼のコメントの内容も、監督を変えて欲しいと感じる要因の一つではあります。

●ホジソン（公式HP）
「我々は何度か良い状況を作り、それを無駄にしてしまうかもしれないと思っていた矢先だった。しかしありがたいことに、我々は攻め続け、幸運にももうワンチャンスが訪れてあのゴールが決まった。フェルナンドのすばらしいタッチがマキシのチャンスを生み、上手い仕事だったね。

我々の4バックは、対戦するのが決して簡単ではないチームを相手に、非常に勇気あるパフォーマンスを見せてくれたと思う。ボルトンはブラックバーンにとても良く似ており、彼らは基本的に、あらゆるエリアからペナルティエリアにボールを送り、それが効果的なスタイルでプレーする。我々はしっかりと組織されていた。我々のチームにおめでとうと言いたいし、この勝利に非常に喜んでいるよ。私は今週何度か、我々はいつもアウェイでは勝てないと言われていたからね。しかしそれを変えられたことがうれしかったよ。

我々は今、非常に良い3つの結果を得た。そして私にとって喜ばしいのは、我々のディフェンスがはるかに良くなっていることだ。我々がゴールを決めるだろうということはわかっている。現時点ではあまり得点できていないが、スティーブン･ジェラード、フェルナンド･トーレス、今日のマキシ、ラウル･メイレレス、ディルク･カイトのような選手たちがいれば、このチームはゴールを決められると私は確信しているんだ。私が心配していたことの一つは、今シーズンのある段階で、我々があまりに多くの失点をしていたことだった。つまり、今は良く守れている。
それは正しい方向への一歩だよ。選手たちは、今回のボルトン戦のような試合であっても、自分たちに堅く守れる能力があるとわかっているんだ。そう認識しているのは好材料だよ。

（交代出場したエンゴグについてどう感じているかと問われて）彼は大きく貢献してくれた。そしてどんどん成長しつつある。ダビドはトレーニングで自分のプレーに非常に懸命に取り組んでおり、我々が彼に求めていることをやろうと非常にがんばっている。我々の勝利に、彼は良く貢献してくれたと思うよ。特にフェルナンドがあの時間帯は疲れていたからね。
彼が良くやったのを見られてうれしかったよ。彼は、我々がポテンシャルを持っていると考えている若手選手だからね。しかしもちろん、リバプールのようなビッグクラブに在籍している以上、フィールドに足を踏み入れた時は毎回そのポテンシャルを見せないと、周囲は許さないんだ。

（トーレスの調子について問われて）能力というものは不変で、彼はそこに達しつつある。それは彼の元にやって来るよ。トレーニングでは非常に良いし、トレーニングで自分のプレーに懸命に取り組んでいる。我々がやろうとしている、そして彼に望んでいる、まさしくその状態にある。時には小さな差なんだ。前半のあのチャンスに彼がキーパーをかわして得点していたら、その時には違う話になっていた。彼は得点を決めなかったから、月曜の見出しにはトーレスはまたミスと載ることになるかもしれないが、それについて我々ができることは何もない。できるのは、彼が今やっている努力を続けるよう、そして我々は彼をものすごい選手だと思っていると伝え、励ますことだけだ。これからの30試合の間には、彼は我々のために良い仕事をしてくれるだろう。それには疑問の影もない。

（不本意なシーズンスタートの中、どう対処して来たかと問われて）私は常に、自分たちは正しいやり方で仕事をしていると信じて来た。結果が出ないことには、他の皆と同じように困惑していたよ。しかし私は、懸命な仕事に対する信念、そしてその仕事が報われるという信念を決して止めなかった。単なる時間の問題であり、これは再建作業なんだ。我々にはまだ取り組むべき仕事がたくさんあるが、トンネルの終わりにわずかな光が見えて来たのがとにかくうれしいよ。

これは、本物のトップチームの監督であることの本質的な部分なんだ。期待は非常に高く、上手く行っていれば大きな賞賛を受け、そうでなければ激しく叩かれる。私はそれを受け入れている。
私がしっかりとやろうとしている最も重要なものは、1週間のトレーニングでの選手たちとの仕事がそれに影響されないことだ。そうすれば、彼らがピッチの上に出て行く時、少なくとも私は、我々は相手に負けない準備をし、その試合に勝つために選手たちを可能な限り最善のコンディションで送り出していると感じることができるからね。

（負傷者に関して）ディルクはチェルシー戦のメンバー入りが可能だと思うが、プレーできるのに十分にフィットしているかどうかは、まだ経過を見守る段階だ。来週の後半にはディルクは再びチームと一緒にトレーニングを始められると思うし、その段階で、彼がどれくらいやれるか、そして特に3週間の離脱の後でどれくらいフィットしているかを見てみることになる。グレン･ジョンソンもチェルシー戦には起用可能になるはずだよ。

（NESVの筆頭オーナー、ヘンリーと会合の予定はあるかと問われて）我々はお互い、ほとんど毎日のように連絡を取り合っているよ。彼は非常に関心を持ち、非常に献身的で、このクラブについてもっと学び、何ができるか、何が必要か、どうやってこのクラブを前進させるかを非常に気にかけている。それは我々全員にとって心地よい響きだ。
今週彼はたくさんのミーティングを開くだろう。私と時間を取り、私がこの状況をどう捉えているか、将来に向けてどんな計画を立てているかを知りたがっている。良い1週間になるだろうし、それをするのに敗北ではなく勝利が後ろ盾になっているのが、私はうれしいよ。今週オーナーたちと会うのは良いことだし、非常にポジティブだ。

（ジョーの負傷について）ジョーはハムストリングを軽く痛めて、明日検査を受ける予定だ。上手く行けば大丈夫だろうが、検査の結果が出るまではどのくらい長く離脱するかは言えないね。こういう筋肉の負傷というのは、通常だと10日間から2週間程度かかる。しかし、ジョーは来週のチェルシー戦までに回復することを切望するだろう。我々は経過を見守らなければならない。」

●SKY SPORTSのレーティング
レイナ：7　クリーンシートをキープ
キルギアコス：7　リバプールの岩壁
コンチェスキー：6　粘り強い出来
キャラガー：7　最終ラインでハードな闘い
シュクルテル：7　ボルトンを寄せ付けない力に
キャプテン：7　リバプールを前に動かす
ルーカス：6　ハードワーク
メイレレス：6　安定したパフォーマンス
マキシ：7　決勝ゴールを決めた
トーレス：6　概してスピード不足
ジョー：6　負傷前もそれほど貢献せず
（SUB）ポウルセン：6　遅い時間の投入
（SUB）エンゴグ：6　交代で入った後ほとんど貢献なし