ラボトニツキ 0-2 リバプール

見たというより見えた、という程度ですが、なんとか観戦することができました。結果は快勝！「1-0なら敗戦でもOK」という事前の予想を、気持ちよくひっくり返してくれました。
最終ラインは大方の予想通り右からケリー、キルギアコス、シュクルテル、アッガーで、本職CBを4人並べましたが、彼らが脅かされるようなシーンはほどんどなかったですね。一度キルギアコスがスピードで抜かれたくらいでした。中盤はルーカスとスピーリングの2人が完全に支配し、相手はサイドへ逃げるしかなく、そこからが手詰まりで全く攻撃の形を作らせませんでした。3-0、4-0でもおかしくなかった一方的な試合で、完全にゲームを支配しながらシュートまで行く数が非常に少なかったのには、少々不満が残ります。

1点目はルーカスのループ気味のスルーパスをエンゴグが受け、いとも簡単に相手DFをかわして決めました。2点目は右サイドをケリーがぐりぐり持ち上がって入れたクロスを、同じくエンゴグが見事にダイレクトに右足で合わせた得点です。どちらも相手DFの緩さは目につきましたね。

両サイドのヨバノビッチとアモーも良かったです。試合の中で2人が左右を入れ替えたり、アモーがエクレストンと交代してからはヨバが完全に右になりましたが、右サイドの彼も面白そうです。うなるようなプレーはありませんでしたが、きっちりやるべき仕事をしましたという感じですね。それからアモーはいいですねえ、まだまだ荒削りですが、彼のスピードと前に仕掛ける姿勢に大きな可能性を感じます。まだリーグ戦でファーストチームというには早そうですが、将来はレノンのような選手に成長してもらいたい。

これまで3戦を見ただけですが、今のところファーストチームで活躍できそうだと思う若手はケリー1人です。スピーリングとダービーは、負傷者が出て戦力が薄くならない限りやや厳しい気がしますが、新ルールがあるので登録メンバーには入ると思います。ケリーはジョンソンのバックアップとして、もう十分やれるんじゃないでしょうか。スピードもあるし、もっと体ができてきたら中盤でもいいんじゃないか？と密かに期待しています。前半が終了して選手たちが下がる時に、ホジソンがケリーを呼び止めて、ピッチサイドで体の使い方を実演付きで熱血指導している姿には、実況も思わず笑っていました。新監督の元、これからいろんなことを吸収していってもらいたいです。口を押さえているのは、笑いを堪えているからではないですよね（笑）。目が真剣です。

アクイラーニの出来は今ひとつでした。時折光るプレーは見せましたが、全体的に消えている時間が長かったように思います。個人的には、彼にはローマの時のようにもう少し深い位置でやってもらいたいんですけどね。彼はゴールを背負って自分が使われるよりも、周りを使って生きるタイプだと思います。しかし守備とのバランスもありますから、この辺はホジソンの手腕に期待したいところです。

正直に言って、ラボトニツキの力は思いのほか低かったので、この試合でチームパフォーマンスを判断することはちょっとできないかもしれません。それくらい彼らは緩かったです。その相手に攻撃のスピードは遅かったし連携も今ひとつ、そこの違いが見られるようになるのは選手が揃うこれからでしょう。

試合の中で、キルギアコスへのブーイングがものすごかったです。マケドニアとのギリシャの歴史を感じました。それから、試合中に結構ブブゼラの音が聞こえてきました。先日行ったJの試合でも吹いている人が目に付いたし、これは世界的な流行でしょうか。できれば早くすたれてもらいたいですが･･･。
試合後の監督のコメントです。

●ホジソン（公式HP）
「選手たちが他のクラブ行きをうわさされるのを私は止めることはできないが、間違いなく言えるのは、私が彼（エンゴグ）のクラブ離脱を話し合ったことは一度もない。これまで、エンゴグはプレシーズンマッチを良くやっていると思う。彼はトレーニングセッションでは非常に懸命な努力を続けており、今日はそのパフォーマンスに2つのゴールという花を添えた。彼のポストプレー、全体的な動き、ボールをキープする能力もまた非常に良かったと私は思う。
何人かの選手たちはゴールを必要とし、彼は今日それを手に入れた。彼はそれで心の大きな重荷を取り除くだろう。今後の試合で、そのことをあまり心配する必要がなくなるのだからね。

私はとても満足だよ。私たちにとって、非常に困難な試合になる可能性もあった。観客はすばらしく、試合を通じて相手チームをとてもすばらしくサポートしていた。大観衆が詰めかけ、今日の我々の中には、あれほどの大観衆の前でプレーすることに慣れていない選手たちもいた。全員の仕事ぶりを、私は本当に嬉しく思っている。勝利というマージンを持ってアンフィールドに戻れるのは、とても嬉しいよ。あちらでは私たちはさらに少しばかり余裕を持ってやれるだろう。

プレーをするごとに、自分のチームに関して多くを学ぶ。私が一緒に仕事をしてきた選手もいれば、そうではない選手たちもいる。マルティン･シュクルテルとダニエル･アッガーは、私とあまり一緒にトレーニングをしていない。だから、その点で非常に良いエクササイズになった。
この試合に入るにあたり、大勢の選手たちがプレッシャーを感じていた･･･シニアと若手の選手両方が、自分の力を見せようとしていた･･･それが我々がポジティブな結果を出す力となり、良い気持ちでリバプールに帰ることができる。それがとにかく嬉しいよ。

この仕事を引き受け、私がメルウッドに足を踏み入れるたび、そして試合で指揮を執るたびに、私の肩には非常に大きな期待がかかるだろう。そういう状況をわかってこの仕事を引き受けたのだから、準備はできている。私にとって重要なのは、そういう期待に応えることのできるチームを作り上げることだ。」