Miguelez:それで、彼らがあなたなしで出て行って勝つとしたらどうですか?
Torres:そう願っているよ。でも何か他意は抱かないだろうね。僕はレアル・マドリーには一度も勝てなかった。そう、僕だけじゃなくチームがね。
Miguelez:エル・カルデロンには戻って来たことがありますか?
Torres:いや、でもまだ戻れてないってだけのことだよ。
Miguelez:その日を恐れたりはしませんか?
Torres:いや、何で恐れるんだい?みんなが君のようには思っていないよ。
Miguelez:その時、エル・カルデロンのサポーターたちはどんな気持ちを抱くでしょうね?
Torres:彼らは僕の決断を理解してくれた。アトレティコファンは今でも僕と写真を撮りたがるし、僕の幸運を祈ってくれるよ。彼らは自分たちのバナーを持ってアンフィールドにやって来るんだ。僕は、自分があそこでプレーしていた時と同じ愛情を今も感じているよ。
Miguelez:「アトレティコを去るのは簡単なことだろう、僕は留まる・・・僕の将来は結果に捕らわれない、もしそうだったら僕はとっくにここを去っていただろう・・・マドリーやバルサをサポートするのは簡単なことだ、でも僕はアトレティコなんだ・・・人は僕に、何で去らないのか、ここでは僕は何も勝ち取れないだろうと聞くけど、彼らは他のアトレティコサポーターたちに、彼らのチームが何も勝ち取れないのにどうしてチームを変えないのかとは聞かない・・・ここは僕のホームで、僕はここで育って来たんだし、ここでタイトルを勝ち取りたい。それが僕の感じていることで、そうやって楽しみたい・・・」あなたが昨年の4月に語ったこの言葉は、今もあなたを苦しめてはいませんか?
Torres:いや、それは何も変わっていないからね。
Miguelez:それを説明して下さい・・・
Torres:僕が発言した多くのことを、今もまだ同じように感じているよ。そうでないこともあるけどね。アトレティコでは、物事は絶えず変わっている。僕はアトレティコでタイトルを取りたかった。でも彼らは、僕が出て行くことを必要としていたんだ。他の選手たちが責任を引き継ぐために、そしてクラブがすばらしい選手たちを獲得するためにね。僕は、自分がもっと金を稼ぐために出て行ったんじゃないし、誰もだましてはいない。
Miguelez:ただ自分の言葉を破っただけだと。
Torres:違うよ。僕は自分の感じていることを言ったんだし、僕がクラブを去ったのは、それがクラブが発展する唯一の方法だったからだ。そして自分自身のことも考えて、僕が名を成せる、もっと気を楽にプレーできるクラブに来たんだよ。
Miguelez:あなたは、自分が有害無益と感じていたと言っているんですか?
Torres:いや、全くそんなことはない。でも僕が君には話せない、他の誰にも話せないようなことがあるんだ。クラブや、ドレッシングルームであったことがね。
Miguelez:それで、あなたは実はうんざりしていた?
Torres:違う。僕はチームがヨーロッパ戦に進む力になって、自分が出来る全てのすばらしいことを達成しようとしていたけど、それは出来なかった。今は、道は他のところに移っている。彼らは良い仕事をしているし、僕は彼らがそういうことを達成できるのを願っているよ。僕には出来なかった。残念に思っているし、フラストレーションも感じている。
Miguelez:誰があなたの移籍を熱望していたんですか?あなた自身か、それともあなたの取り巻きですか?
Torres:そういう僕の取り巻きに関する話は全部、僕を笑わせるよ。取り巻きってどういう意味なのか、そもそもそういう人間が存在するのかもわからないしね。
Miguelez:あなたの側の人々です。あなたの代理人、ジャーナリスト、友人、あなたの家族・・・
Torres:そういう人たちは僕の決断を受け入れてくれた。問題は君たちにあるよ、取り巻きって何なんだい?
Miguelez:あなたに「君は去らなくてはならない、去らなくてはならない」とプレッシャーをかけた人々です。
Torres:君は完全に間違っているよ。僕の代理人は、僕が離れることを望んではいなかった。僕の両親は何も関わっていない。僕が決断したんだ。そして時間が、僕が正しかったことを証明したよ。
Miguelez:あなたの敵が正しかったことをもっと証明しているようですが。あなたが去って喜んでいる人間、アトレティコでのあなたの忠誠心に我慢できなかった人間、それに疑いを抱いていた人間。そういう人たちをあなたは幸せにしました。
Torres:僕には誰も敵はいないよ。あるいはそういう友人もね。
Miguelez:中傷する人間は、影も形も見られない?
Torres:フットボールはそういうものだ。僕が発明したわけじゃない。絶え間なく変わっているよ。
Miguelez:以前にはあなたは過大評価されたフットボーラーとみなされており、今は並外れた選手と言われています。それはちょっと奇妙なのでは?
Torres:アトレティでは、僕は簡単にターゲットになっていた。チームはあまり良くやっているとは言えず、僕は見え見えのターゲットだったんだ。その中でやって、それをなんとか変えようとしたけど、出来なかった。集団として僕たちは何も勝ち取ることが出来なかった。でも個人的なレベルでは、自分がやったことには満足しているよ。数字は出ている。
Miguelez:あなたのプレーは実は変わっていない、使われる形容詞が変わっただけですか。
Torres:ここは僕にとってずっと落ち着ける場所なんだ。もっと時間もあるし、組織もしっかりしている。コーヒーショップに行けたり、人が僕を閉口させたりしない町にいて、プレッシャーも感じない。一足ごとに自分がフットボーラーなんだってことを思い知らされたりすることなく、普通に散歩が出来るんだよ。そのおかげで僕のピッチの上でのプレーが良くなり、もっと楽しさを感じている。対戦相手が尊敬を抱くようなチームに自分がいるんだということにも、気づいているよ。ちょうど僕が子供の頃に見ていたアトレティと同じように、相手がどこだろうと筋書きがなんだろうと勝利を求めてピッチに出て行き、相手から尊敬されて恐れられる・・・不運なことに、僕が今まで一人の選手として決して感じられなかったことだ。それをここでは感じるよ。僕たちはマルセイユに勝ちに、あるいは勝つ勢いで出て行かなくてはならないし、そこで相手の恐れを感じる。サポーターたちは自分たちが地獄にいるような気持ちがするんではなく、決勝を戦うような気持ちでいるんだ。そして、8人もの選手たちが輝いているようなグループの中で、自分が重要な存在だと感じているよ。それが僕の求めていたものなんだ。アトレティコでは決して得られなかったことで・・・(ここでトーレスはサインを求められる)
Miguelez:あなたが、自分がフットボーラーだということを決して思いださないというところを、私は今見ましたよ。
Torres:彼はスペイン人だったよ、英国人じゃない、絶対ね。
Miguelez:あなたがクラブを去るという決断は、そう難しいものではなかったようですね。
Torres:すごく難しかったよ。アトレティコで何も勝ち取ることなく去ること・・・それは決して消え去ることのない遺憾として残るだろう。もしも僕が何か疑問を持っていたとしたら、その理由はそれなんだ。たった一つでもタイトルを取れていたら、その後の人生でずっと誇りにすることが出来ただろうね。僕はクラブが2部にいる時にデビューし、全ての責任がまともに僕の肩にかかって、とても悪い時もあった。いい時もあったけど、そう多くはなかったね。人々にアトレティコが進歩しているところを見せていたら、本当に嬉しかったと思う。僕はあそこにいたかった・・・でも、自分が頑固なために留まっているだけなんだということに、気がつくようになったんだよ。運よく、アトレティコでは物事はうまく行っているように見える。もしも彼らがうまく行っていなかったら、あそこを去ったことに僕はやましい思いをしていただろう。彼らは僕が去ることを必要としてしていた、そのことを僕は確信していた。幸運にもそれは正しかったよ。だから僕は後悔と共に振り返る必要はない。僕自身もとてもうまくやっているしね。
Miguelez:亡くなったあなたの祖父のことは考えましたか?(※トーレスの祖父は熱烈なアトレティコファンでした。)
Torres:うん・・・(再びウェイターからサインを求められ、彼は英語でサインをする)。彼は僕がアトレティコでデビューを飾るのを見た。それは僕の中にこれからもずっと残るものだ。彼はいつも僕に、自分にとって最良のことをしなさいと言っていたよ。彼は満足しただろうということを、僕はわかっている。特に、アトレティコがうまくやっているんだからね。アトレティコサポーターは、アトレティコについて行く。彼らはガラテやキコやトーレスや、他の誰かをサポートしているわけじゃない。彼らはクラブをサポートしているんだ。
Miguelez:ロヒブランコ(※スペイン語で赤白=アトレティコ)であることの意味を理解している人間は、誰かアトレティコに残っていますか?
Torres:うん、僕はそう思う。
Miguelez:誰か名前を挙げていただけますか?
Torres:誰かな・・・(彼はまたサインを求められて遮られる。「友達のためにお願いします。」)。
Miguelez:私には英国人に見えましたよ・・・
Torres:いつもはこんなことはないんだよ、信じられないな!
Miguelez:名前をお伺いしていたんですが・・・
Torres:名前を挙げるなら、Alberto(ドレッシングルームのチーフ)かBaston(ゴールキーパーコーチ)だね、彼らはアトレティコがどんな意味を持つか理解している。おそらく彼らは、それを新しく加入してきた選手たちに説明することを許されていなんだろう。でも、フットボールはそれを失いつつあるように見える。そう、ここリバプールでは違うけどね。たった1週間で、僕はアトレティよりもリバプールの歴史の方をもっと知っていたよ。彼らは僕にDVDや本をくれて、レジェンドたちを紹介してくれて・・・
Miguelez:それは誰が?
Torres:クラブがだよ。到着すると同時に、彼らは様々なことを理解させるようとする。自分がどこにいて、このクラブにいるということ、9番を着るということがどんな意味を持ち、アンフィールドとは何か、誰があの小さな‘This is Anfield' のプレートを取り付けたのか、それはどんな人物か、何を勝ち取ったか・・・彼らは全てを説明してくれるんだ。アトレティコもそうだったら本当に嬉しかったと思うよ・・・そういうことを経験するのは、新加入の選手にとって役に立つはずだ。僕がよく、「(こんなに若くて)どうやってキャプテンが出来るんだろう?」とか「僕が誰かに何かを教えられるんだろうか?」と言っていた理由はそれなんだ。もしも僕がまたいつかキャプテンをやることがあったとしたら、そういうことをするつもりだよ。
Miguelez:それはアトレティコでは起こらない?
Torres:うん、起こらない。
Miguelez:あなたが去ったことで何をしたかを見て下さい。何のアイデンティティの兆候も見えないチームを残していったんですよ。
Torres:僕にはわからないよ。ユースシステムから上がって来た選手たちでさえ、(その歴史の)意味するところを知らないんだ。僕には祖父がいた。僕は試合を見に行き、たったの10歳でクラブがダブルを達成した時代を過ごしたんだ。それは深く残るし、学べる。とても重要なことなんだよ・・・僕はアンフィールドに一歩足を踏み出すごとに、ただの一試合というだけではないんだと知る。僕は責任と、自分がここに属していることを証明する必要性を感じるよ。そしてアトレティではそいうことは起こらなかった。
Miguelez:‘You'll never walk alone' を聞くのと、PKを失敗した後に‘トーレス、トーレス' というチャントを聞くのと、どちらかより感動的ですか?
Torres:違う感動があるね。アトレティコのサポーターたちが僕に向かって示してくれた愛情は、絶対に忘れられないものだよ。他の選手たちに対しては見たことがなかったものだった。ここでは彼らは僕の歌を歌ってくれて、それを誇りに感じたよ。僕は到着したばかりだったんだからね。アトレティでは、彼らは僕を彼らの一部のように感じさせてくれた。
Miguelez:それは、あなたの忠誠心のためでした。自分が祭壇から落ちたということを理解するつもりはありますか?
Torres:僕は自分が落ちたとは思っていないよ。大勢のサポーターが、クラブを去れ、自分のことを考えろと言ってくれた。彼らは僕の決断を理解してくれている。僕の良心は全く痛んでいないよ。僕は長年努力をしたけど、クラブのために成功を勝ち取ることは出来なかった。今は新しい選手が入って・・・。
Miguelez:あなたはどこにそういう愛情を見ているんですか?エル・カルデロンはあなたについては沈黙しつつありますよ。彼らはあなたのことを歌っても、侮辱してもいません。たとえばシメオネに関しては、彼らはいまだに彼の名前を歌っています。
Torres:でもシメオネはいくつもタイトルを勝ち取った選手だし、僕はそうしてはいない。達成したものは彼の方がはるかに高いんだ。そして僕が出て行ったのはまだ最近の話だしね。時間がたつのを見るよ。
Miguelez:あなたは失望感を感じている人々のこと理解しますか?
Torres:うん、もちろんだ。間違いなくそれはあると思う。それは尊重するけど、僕は自分が正しい決断をしたとわかっている。
Miguelez:理解されることの必要性は感じていますか?
Torres:いや。全ての事実を知ることなしには、誰も僕の決断を審判できないよ。僕だけが全てを知っている。そしてこの決断は僕一人のものだ。
Miguelez:どうしてそういう事実を公表しようとはしないんですか?
Torres:僕一人の感情だから。他の人間がどう感じるだろうかと考えて決断を下すことは、僕はしない。
Miguelez:スペイン中の全てのスタジアムが、あなたに対してブーイングをするでしょうか?
Torres:わからないし、そんななことは気にしない。でも、そういう悪意は、僕が身に着けていたシャツの結果だったと信じているよ。
Miguelez:あなたは、自分が今はさらに良い選手になったと感じていますか?
Torres:自分を取り巻くチーム全体のプレーが進化すれば、いやでも良くなるよ。アトレティコでは、僕は自分が重力の中心のように感じていた。チームもシステムも、自分に合わされていたんだ。質問はいつもこうだったよ。「誰がトーレスの隣でプレーするのか?」
Miguelez:あなたはフィニッシャーとしても良くなっていますね。かつてのようには1対1を外していません。
Torres:どんな選手でも決定機を外すことはある。でも、マドリーやバルサやミランから来た選手、アトレティから来たリバプールの選手を批判するのは、もっと難しいんだよ。
Miguelez:あなたがいつも嫌っていたのと同じような批判を、どうやって受け入れているんですか?
Torres:いや、違うよ。プレミアでは、スペインほどそういうことは見られないからだと思う。あるいは、スペインでのスペイン人選手とは重要性が違うからだ。ここにやって来て、これから名を成そうとする外国人選手だからね。どこでもそういうことは起こるよ。
Miguelez:昨年は誰が良かったんでしょう?アギーレか、またはアグエロでしょうか?
Torres:以前のことを振り返って、アグエロがプレーする時間が少なかったから良くなかったんだという人もいるだろうし、今年の彼の成功は計算されたプランの結果なんだという人もいるだろう。クン(※アグエロの愛称)はすばらしい選手だけど、彼には時間が必要だよ。彼はすばらしいシーズンを過ごすだろう。来年になって、人々がリーグ優勝は全て彼一人にかかっているんだと言わないことを願うよ。あまりにも急ぎすぎることは、チームにとって危険なんだ。
Miguelez:全てをあなた一人でやらなくてはならないという感覚を、あなたは振り払うことが出来ませんでした。
Torres:長い間そんな感じだったね。最初の年にリーグタイトルを取れていたら良かったと思うよ。そうなっていたら何もかもが全然違っていただろうね。
Miguelez:あなたはアギーレを留めることをクラブに要求しました。彼は契約を延長し、そしてあなたは去りましたね。
Torres:君もアギーレのことが好きじゃないのかい?君は誰も気に入らないんだね。チームは今リーグ3位だよ。監督の考えを浸透させるには、チームには時間が必要なんだ。アギーレの仕事はすばらしいよ。良いフットボール、悪いフットボール・・・すばらしいフットボールを実現するためには時間がかかるだろう。人々は良い時を過ごしている。チームは多くのゴールを決めて、まだいつものように失点もしているけど、彼らは結果を残している。
Miguelez:アトレティコが時に攻撃的なフットボールをしていることで、あなたは今うらやましさを感じませんか?
Torres:いや、彼らが攻撃的なフットボールをやっている?前線であれだけゴールを決めているんだから、それ以上だと思うよ。そして試合がオープンになれば、彼らはさらに勝つための選択肢が増える。マドリー、バルサ、セビージャとやる時は別として、彼らはオープンな試合をやることで利益を得ている。
Miguelez:あなたは幸福なようですが、しかしベニテスが去ったらどうなるでしょうか・・・
Torres:君はアンフィールドでのルートン戦は見なかったの?
Miguelez:しかし、オーナーはサポーターではありませんよ。
Torres:でも、あんなことは全て存在していないんだよ。全てが嘘だ。ベニテスは去らないだろうし、オーナーは彼を首にはしない。結果は別として、僕はそんなことが起こっているとは思っていない。想像も出来ないよ。イングランドのフットボールが、これまであった忍耐を失ったとは思わない。そして、ここの新聞はあまり信用に値しないからね。僕たちがあまり影響されていない理由はそれなんだよ。僕は、自分が全然やっていないインタビューが記事になっているのを何度か見たよ。彼らはそういうのを作り上げるんだ。
Miguelez:あなたのパートナー、あなたのイバガサはここでは誰でしょうか?
Torres:ジェラード。彼と相互理解を作り上げるのは簡単だよ。何か特別なことをする必要はない。どこであろうと走り込めば、彼はそこにボールを入れてくれる。彼はファンタスティックだよ。もしも彼が違うチームでプレーしていたら、さらにもっと知られていただろうね。でもここイングランドでは、リバプールはすごく人気があるわけじゃないんだ。それで彼の評判もあまり知れ渡っていない。
Miguelez:ああ、なるほど・・・ちょうどいつも泣き言を言っているアトレティコのようにですか。
Torres:いや、そんなに悪くはないよ。リバプールは最もタイトルを獲得しているイングランドのクラブで、もっと神秘的だけど、そういう風に見られていないんだと思う。ここに来る前は、僕は彼らがこんななに大きいとは思っていなかった。たぶん、彼らは自分たちを売り込むのがそんなにうまくはなかったんだろう。または、イングランドではそういうことを知るのに興味がない人たちがいるのかもしれない。イングランドと言えばロンドン、そんな感じだからね。
Miguelez:イングランドのフットボールがあなたの特徴に合っているんでしょうか、それともただそう言われているだけでしょうか?
Torres:スピード、ダイナミクス、それが僕に良く合っている。接触がかなり多いから慣れるまでもっと長くかかるだろうと思っていたんだけど、僕の特徴のおかげでずっと簡単に行ったよ。
Miguelez:それはリバプールのプレーのやり方のためですか、それとも対戦相手のためでしょうか?
Torres:ここでのプレーの文化だね。レフェリーはプレーを続けさせる。知っての通り、誰かが相手を掴んでその選手がダイブしても、彼らはファールを取らない。ファールを取るのは、ほとんど相手を殺そうとした時だ。選手たちもそれに力を貸す。僕はファーディナンドとテリーと何度か衝突したけど、一般的にここのフットボールはもっとずっと純粋なんだ。動きのないところでの肘打ちはないし・・・ずっと正直なんだ。キックは受けるよ。頻度は低いけど、もっと力をこめてね。ここでは相手はタックルを仕掛けて来て、それが1秒遅かったら殺されるよ。僕が対戦した中で一番背の低いディフェンダーは、190cmだった。信じられないよ。そういうことに対して、学ばなくてはならない。
Miguelez:どのように?
Torres:彼らが好きじゃないことを学ぶんだ。スペインではディフェンダーから半メートル離れたところでプレーできるし、彼をスピードで破ることができる。ここでは、半メートル体を離したら、彼らはいつもシャツを掴んで来るよ。もっと遠く彼らから離れていなくてはならないんだ。最初は、自分がどの位置に立つべきなのかを考えることであまりにも時間を使って、試合のほとんど半分をそれで失うほどだった。ベニテスはいつも、僕にそのことについて話しているよ。距離を作ること、そしてもしも相手が自分のエリアを20メートル離れて僕をマークしに来たら、その背後にスペースを開けていることになる。
Miguelez:他のスペイン人選手たちがいなければ、あなたはそういうすばらしい時を過ごすことができたでしょうか?
Torres:最初の数日は彼らが生命線だったよ。新しい国、新しいコイン、道路の反対側を運転すること、キロメートルではなくその代わりにマイル。何か行動する時には誰がガイドが必要で、さもなければいつも迷子さ。ドレッシングルームの中でもそうだった。何もかもが英語で説明されていて、訳がわからなくて、何をしているのか聞ける誰かが必要だった。今は僕は、クラブに加入してきてスペイン語を話せなかった選手たちが、つらい時を過ごしていたということをもっと理解できる。今はそう悪くはないけどね。僕たちは極力一緒にされるんだ。朝食も昼食も一緒に取るし・・・
Miguelez:私たちがスペインでやろうとしても、うまく行きませんか?
Torres:実際のところ、文化は変えられないからね。イングランドの選手たちは決して抗議をしない。彼らは言われたことをやるんだよ。ピッチの周りを200週走れと言われたら、彼らはなぜとは聞かない。黙ってそれをやるんだ。スペインだったら、その前に15人は文句を言うね。
Miguelez:あなたがアトレティコに推薦するリバプールの選手は誰でしょうか?
Torres:誰も。
Miguelez:アトレティコの選手では、誰をリバプールに推薦しますか?
Torres:マキシ・ロドリゲス。
Miguelez:(スペイン代表の)新しい4-5-1システムは、あなたのEURO出場を脅かすかもしれません。そのシステムでは、あなたかビジャのどちらかになります。ルイス・アラゴネスは思い切ってそれをするでしょうか?
Torres:結果次第だね。このやり方はうまく行っているし、それが機能し続ける限り、彼はそのシステムを主張するだろう。僕たちはそれを受け入れなくてはならない。
Miguelez:「なんで自分は去ったんだろう?」という独り言を、何度口にしましたか?
Torres:一度も。
Miguelez:あなたは今もアトレティコのソシオですか?
Torres:今までそうだったことは一度もないよ。
Miguelez:まあ、そろそろその時ですね。
Torres:何のために?
Miguelez:少なくとも繋がりが持てます。
Torres:僕は、クラブと繋がりを持つためにカードは必要ないよ。10歳のときからそのクラブにいたんだからね。
Miguelez:それではリバプールのは?
Torres:まずは待機リストに名前を入れなくてはならないだろうね。でも僕の前には40,000人もいるんだよ。
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マドリードの地元紙恐るべし!最初から明らかに喧嘩をふっかけて、トーレスを怒らせるような質問をガンガンぶつけています。これを英訳してくれたスペイン人ファンによれば、インタビューアーのJose Miguelezという記者は、非常に批判的なことで知られる大のアトレティコファンだそうです。
しかしもっと驚かされたのが質問に対するトーレスの返答で、普通の選手ならば怒って答えを拒否するか、記事にも出来ないような適当な答えであしらうのではないかと思うんですが、彼は悪意に満ちた質問も真正面から受け止めて、正直に、冷静に答えています。恐るべし23歳!尊敬します。
自分が小さな頃からサポートしてきて、10歳から所属していたクラブで「自分がいない方がクラブのためにいい」と感じさせる、何があったんだろうとか、その決断は厳しかっただろうかとか、ファンの気持ちなどいろいろと考えさせられるインタビューでした。その意味では、この記者はいい仕事をしたと言えますね。インタビューする側もされる側もアトレティコに対する深い愛情があるからこそ、出来た記事だと思います。訳してくれたスペインファンに感謝です。
それにしても、何でこういう時に限ってサインしてくれと人が来るんでしょうか。トーレス、かわいそうに思いっきり嫌味を言われているし(苦笑)。
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無題
無題
無題
このイジワルインタビューすごいですね(苦笑)トーレスに何を言わせたいんでしょうね。
トーレスがアトレティコを去った本当の理由を聞き出したかったのでしょうか・・。私にはお互い愛しているからこそ別れを選んだ風に受け取れました・・。でもそこはトーレスのみぞ知る・ですね。
トーレスは本当に芯のある選手だと思います。地位や名誉や派手な暮らしに満足する選手ではなくハートのある選手ですよね。
カルデロンで万雷の拍手・・そうだといいですが、厳しい洗礼が待っていそうです・(泣)
無題
これ、リバプールのことを誉めてくれてるから私達は半分くらいは嬉しいけど、アトレティコのサポが読んだら心底ガーッカリするんじゃないですか?
だって、何か言えないけど、とってもイヤなことがあったような・・・
きっとそういう風に脚色してると思うんですが。
それでも、フニクラさんのおっしゃるように、こんな質問にもキチンと答えてるトーレスは本当にいい人ですね♪
無題
はやく試合だけを楽しみにする日々に戻って欲しいですよ、ほんと。
ハートのある選手、その通りですね。どこに行ってもやっていけるだけの気持ちの強さがあるからこそ、1年目でこれだけやれているんでしょう。
ビセンテ・カルデロンの万雷の拍手は、やっぱり無理ですかねえ・・・。
>○━さん
確かにアトレティコのサポなら落胆するかも知れないですね。でも仕方がないなあ、という気持ちもあるんじゃないでしょうか。あくまで想像ですが。
今日はスカーンとハットトリック行って欲しいですが、さすがにヴィラ相手にそこまでは無理か(笑)。
無題
改めて、彼が強い意志としっかりとした考えを持ってliverpoolに来たことが分かりますね!それにしても凄い”こんなに冷静に誠実に真正面から対等に答えられる人、年齢度外視したとしてもそうそういませんよ。尊敬を通り越して、崇拝してしまいそうです!この間の弾丸ゴールにも惚れましたが、まだまだ伸びてくれるはず’もうどこまでもついて行っちゃいます☆
無題