Liv.tv:最悪の時期は、アップトン・パークでの1-0での敗戦ですか?
Rafa:あの試合もまた、説明するのが難しいですね。最後の20分間、ルーカス・レイバを左サイドに置き、私たちは上手く行っていました。コーナーを取り、彼らはボールをクリアし、そして私たちは、3、4人の選手が周りにいながらカウンターアタックを止めることが出来ませんでした。彼らはペナルティを得、あれは本当にがっかりましたよ。私たちはまた、勝利に値するプレーをしながら敗戦してしまいました。
Liv.tv:あなたが自分の選手について最も学ぶのは、そういう悪い時期にでしょうか?
Rafa:ええ。勝利した時は常に学ぶことが出来ますが、敗北した時にはさらに学べるものです。困難な年にこそ、選手たちの精神力を見ることができます。そして、スタッフとそれを取り巻く人々全員の精神力もです。私たちが求めている勝者のメンタリティを、彼らが持っているかどうかがわかります。
Liv.tv:FAカップの敗退の次がインテル戦でした。あなたたちは記憶に残るヨーロッパ戦の夜を何度か経験しており、アンフィールドでは特にです。それと比較して、あの1戦はどうでしたか?
Rafa:インテルを倒すことが私たちにとってどれほど難しいことだったか、おそらく人々は気がついていませんね。彼らは3年連続リーグ優勝を果たしています。彼らは大勢の優れた選手を擁していますが、私たちはどちらの試合も彼らを上回っていました。ホームゲームでは私たちは攻撃に攻撃を繰り返し、一方彼らにはたった一度のチャンスしかありませんでした。私たちは全てをコントロールしていましたね。
Liv.tv:イタリアのチャンピオンを倒したという事実、それはプレミアリーグが確実にセリエAよりも、そして実際、世界の他のどのリーグよりも強いという証拠ですね?
Rafa:ヨーロッパのトップ2のチームはイングランドです。アーセナルもすばらしいチームであり、私たちもそこに入ります。私はスペインのフットボールを見ていますが、プレミアリーグはそことイタリアのリーグよりも強いと思います。
Liv.tv:あなたたちはそこから快進撃を続け、シーズンの中でほぼ間違いなく最も安定していました・・・
Rafa:私たちは良いスタートを切り、アッガーがいる時は良いプレーを続けていました。しかし、あれだけの引き分けが続いた後で、自信を取り戻すことが重要でした。私たちは本当に良いプレーをし、試合に連勝を重ねて良いフットボールを見せていました。ジェラードとトーレスの相互理解はご覧になったでしょうが、他の選手たちもゴールを決めていましたよ。先ほど言ったように、私たちは来シーズンに向けての背骨が出来上がっており、今は一定のポジションに選手たちを加えることが必要です。
Liv.tv:近頃では、多くのチームが大金を費やしています。プレミアリーグは今、あなたがイングランドに初めて来た時よりも、優勝するのがさらに厳しくなっていますか?
Rafa:そう思います。2年間に渡ってチェルシーが大金を費やしてリーグ優勝し、ユナイテッドも同じことをする必要がありました。そのためにさらに困難になっています。彼らが大金を費やし始め、アーセナルも若手選手に大金を使いました。私たちも同じことをしようとしていますが、彼ら(マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、アーセナル)は大金を使い続けていますから、彼らに追いつくのはさらに難しくなっています。アストン・ヴィラ、ニューカッスル、ウェスト・ハム、エバートンも資金を使い、チームを強化しています。トップ4にいて競争相手であり続けるのは簡単ではありませんが、私たちは若いチームですから、もう一度挑戦できます。
Liv.tv:オールド・トラフォードでの3-0の敗戦が、もう一つのシーズン最悪の時でした。あなたのお考えでは、あの試合の成り行きはフェアだったと言えますか?
Rafa:ハビエル・マスチェラーノの退場は非常にまずい判定であり、非常に重要な判定でした。最終的には私たちはマンチェスター・ユナイテッドと11ポイント差でしたが、もっとずっと少なくも出来たはずです。あの判定が全てを変えてしまいました。あの時にはレフェリーに敬意を払おうというキャンペーンがありましたが、そのキャンペーンは結局たったの1試合で終ったようです。私はああいう判定をそれから全く見ませんでしたからね。
Liv.tv:あなたは、ちょうどあの前にアシュリー・コールが審判に不敬な振る舞いをした、ハビエルはそのスケープゴートにされたと思いますか?
Rafa:ええ、明らかにそうです。彼らはキャンペーンのことを話していましたが、私は自分たちの後の試合を見ましたが、ハビエルが退場になったような判定は何も見られませんでした。私は、こういう判定が再びされるのを待って待ち続けていますよ。なぜ経験あるレフェリーがああいう判定をし、その後の試合ではそれをしなかったのか、私には理解できませんでしたね。
Liv.tv:ハビエルに関しては、あの試合は彼のすばらしいシーズンの中での、たった一つネガティブなものだったと思いますが?
Rafa:ええ、あの試合の後の彼は本当に落ち込んでいました。彼は自分が誤りを犯したことをわかっていましたからね。しかし彼はすばらしいプロフェッショナルであり、彼の献身は常に100%で、本当に良いプレーをしてくれています。彼は非常に良い契約でしたね。私たちのスカウト部門について再度申し上げておきましょう。彼がウェスト・ハムにいた時はプレミアリーグで悪戦苦闘しており、誰もが彼のことを『忘れろ』と言っていましたからね。私たちは彼がリーベル・プレートのリザーブにいた時から注目していましたので、彼に対して自信を持っていました。彼が初めて代表チームでプレーした時、私はバレンシアで彼を獲得しようとしたんです。彼が優れた選手であることを私は知っていましたし、スカウト部門も私に彼を推薦しました。鍵は彼がイングランドでうまくやれるかということでしたが、彼の精神力は本当に強いですからね。非常に負けず嫌いで、今の彼は自分が本当に優れた選手であるところを見せています。
Liv.tv:あなたが連れて来たもう一人の選手が、マルティン・シュクルテルです。彼は1月に来たばかりですが、プレミアリーグに本当に素早く適応したように見えますね。それについては驚きを感じましたか?
Rafa:繰り返しになりますが、私はこの選手を彼が18歳の時から知っていました。スカウトは彼のことを知っていました。一部の人々がゼニトとエバートンの試合を見に行き、その後でこの選手の能力のことを話していましたが、私たちは既に彼のビデオを3つか4つ持っていました。私たちは3、4人のセンターバックをリストアップしていましたが、私は彼が好きでしたね。彼は私たちのための選手だとわかっていましたので、私たちはスタッフをそこに送りました。ここに適応するのは難しいことですが、マルティンは本当に良くやっています。
Liv.tv:あなたたちは本当に良く事前調査をしているようですね・・・
Rafa:ええ、私たちは本当に懸命に仕事をしていますよ。ミスもしますが、それは当たり前のことです・・・特にクラブに来て仕事を始めたばかりの頃はね。しかししばらく経てば、リーグと選手たちについて、必要なことは全てわかります。
Liv.tv:チャンピオンズリーグの次の対戦で、アンフィールドにやって来たのはアーセナルでした。すばらしい夜でしたね。アンフィールドでのヨーロッパ戦の夜を、何があれほど特別であれほど違うものにしているんでしょうか?
Rafa:サポーターです。そういう試合での違いはそこにあります・・・彼らはより情熱的になります。おそらく、こういう試合には地元の人々、リバプールからのファンがより大勢やって来るんでしょう。彼らは試合を楽しんでいます。試合開始から終了まで、異なる雰囲気を感じ取ることが出来ますよ。
Liv.tv:ご自分の立場で、あの雰囲気を感じて楽しむことが本当に出来るんですか?
Rafa:自分の仕事には集中していますよ。私たちが2失点目をした時には、私はボロニンを投入してもっと攻撃的に行くことを考えていました。冷静でいることは簡単ではありません。内心では、私は自分たちが得点したことを本当に誇りに思っていますが、分析は必要ですからね。
Liv.tv:あれから試合を見直して、それを楽しむことは出来ますか?
Rafa:ええ、私にとってあれはベストゲームでした。チャンピオンズリーグの試合であり、相手チームの強さを見ればね。マルセイユ、ポルト、ベジクタシュ、いろんな試合がありますが、あの試合の相手はアーセナルで、最高のフットボールをしていると言われているイングランドのチームであり、私たちはその相手に精神力と自分たちのスタイルで4-2で勝利しました。おそらくシーズンのベストゲームでしょう。
Liv.tv:次がチェルシー戦でした。ファーストレグはヨン・アルネ・リーセのオウンゴールで1-1で終りましたね。あれについて彼に批判はしませんか?彼は責任を取ろうとしました・・・そして、彼の望んでいたようにはなりませんでしたね。
Rafa:ほんの細かいことについて言えば、あの失点をする前に、ボールが悪い位置にあったことを私は覚えています。それからスローインがあり、私たちがしっかりとプレスをかけなかったために彼らはクロスを入れて来ました。そして、ヨンがあのポジションにいたわけです。4年間に渡って、私たちは彼にトレーニングで右足を使えと言い続けて来たんですよ(笑)!彼は通常ならそれをやろうとするんですが、あの時は違う判断をし、彼にとって不運な、そして私たちにとって不運な結果になってしまいました。
Liv.tv:あのゴールは、あなたのセカンドレグのプランを完全に変えたのではありませんか?
Rafa:私たちはその1分前にチャンスがありました。トーレスが得点できたはずでした。しかし1-0ならば良い結果と言えたでしょう。結局、1-1になったことで難しくなりましたね。特に、誰もがスタンフォードブリッジで私たちが得点できないと言っていましたからね。私たちがしっかりと準備し、強い決意を持っていたことはおわかりになったでしょうが、私たちはあの試合に違うアプローチをしなくてはなりませんでした。
Liv.tv:1-1の後のドレッシングルームの空気はどうでしたか?
Rafa:誰もが本当に落胆していましたので、私たちはしばらく冷静さを保ち、それからこう言いました。『聞きなさい、私たちにはまだ90分があるんだ。』とね。
Liv.tv:あなたたちは準決勝で敗退することに慣れていません。敗北を受け入れるのはきつかったのではありませんか?
Rafa:また、ほんの細かいことでした。どちらのペナルティの判定(一つはチェルシーに与えられ、一つはリバプールに与えられなかった)も重要でしたが、私たちが与えたものは特にでしたね。通常ならばサミはボールをクリアしていたからです。あれは不運でした。さらに、選手たちはあの後私に、私たちが2-1でリードされていた時に、彼らはチェルシーの選手たちが不安で神経質に見えたと言っていました。彼らは自分たちが同点に出来るという自信を持っていましたが、それからすぐに3点目を失ってしまいました。
Liv.tv:あの夜、二つのチームの間の違いは何だったんでしょうか?
Rafa:私にすれば、前半の私たちは十分に良いとは言えませんでしたね。その後は彼らよりもはるかに良くなりました。時には一人の選手の能力が試合を変え、時にはミスが試合を変えます。この試合の場合は両チーム共にすばらしく、ほんの細かいことが違いになりましたね。
Liv.tv:シーズンが決勝で終らないのはあなたが在任してから初めてでしたが、このシーズンからどんなポジティブなものを得られましたか?
Rafa:私たちは精神力を見せました。それは本当に重要なことです。困難な時期に、私たちは良いプレーをして試合に勝てるということを証明しました。一人の監督として、チームを取り巻く人々が全てのことにどう反応したかを見られたのも、私にとって重要なことでした。勝利のメンタリティ、そしてトロフィーを勝ち取ることを目指すならば、皆の精神力を確かめる必要があります。今シーズンは、皆のことを知ったという意味で非常に良かったですね。
Liv.tv:シーズンで最も落胆したことは何でしょうか?
Rafa:何度かあった肝心な時のミスですね。私たちはどう物事をしっかりとやるかについては話しており、それでも時々同じことを続けています。いくつか改善できることがあります。
Liv.tv:8月には再出発ですが、次のプレミアリーグタイトルへの挑戦は事実上今もう始まっていますか?
Rafa:いつも同じですよ。シーズン中は選手たちとともに仕事をしなくてはなりませんし、その後、夏にはスタッフと共に仕事をする必要があります。適切なメンタリティ・・・勝利のメンタリティを持つ適切な選手と契約するというのは、本当に重要なことです。ここに来てトロフィーを獲得したいと熱望している選手を望んでいます。
Liv.tv:初めてのプレミアリーグタイトルを獲得するために、あなたとあなたのスタッフは何をしなくてはならないでしょうか?
Rafa:今年は多くのことを分析して来ました。例えば、セットプレーから何度も失点していることについてです。私たちはそれがなぜかを納得しなくてはなりません。多かれ少なかれ同じことをやっていながら、それまでのシーズンは6失点で今は16失点ですからね。この部分に関しては、私たちは改善できます。さらに、オープンなプレーで得点できるチームであると同時に、ディフェンス面で少し改善が必要です。私たちはこの4年間のうち3年間は非常に良いディフェンスをしていましたが、順位表のトップにいたいと思うならば、もうちょっとディフェンス面で改善が必要だと思います。
Liv.tv:最後に、リーグタイトルは現実的な目標でしょうか?
Rafa:それは選択肢ですよ、間違いなくね。私たちは、自分の弱点と強みを知っています。どこを改善しなくてはならないかはわかっていますから、そういう所を見据えて新しいチームを築き上げようと努力するつもりです。
Liv.tv:プレミアリーグ優勝は、あなたのキャリアの中で最大の偉業となるでしょうか?
Rafa:ええ、明らかにそれはスペインよりももっと困難なことです。トップチームはものすごい大金を費やしていますからね。私たちは全力を尽くすつもりですし、私にとって鍵となるのは、タイトルのことを話さないということです。鍵となるのは、トップに迫り、競争相手になることです。そこに迫り続ければ、その時には私たちがタイトルを取れるだけの力があると思います。
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