El Mundo紙に連載中のラファのコラムの、6月27日に掲載されたものを訳しました。スペイン語→英語→日本語です。
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●ラファ
スペインは24年を経て再びファイナルを戦うことになりました。歴史を作りつつある代表チームは、前半は不安定でしたが、ハーフタイム後はすばらしい威信を持ってロシアを破りました。均衡を打ち破ったシャビのゴール、優れたカウンターアタックでヒディンクの抵抗の息の根を止めたグイサとシルバのゴール、それはコーヒーに角砂糖を加えたような終わり方でした。相手の1トップ、ロマン・パブリュチェンコは彼らが期待していたものをちらりと見せました。一方で、高く評価されていたアンドレイ・アルシャビン、彼はあらゆる注目を浴びていましたが、今までの面影はなく、チームプレーに大きく貢献することはありませんでした。
しかし、私たちはゴールを決めることなくハーフタイムに入りました。それは両チームが非常に用心深い戦い方をしたからです。スペインはより多くの数のチャンスはありましたが、ポゼッションでは下回っており、相手ボールの時に主導権を取れず、試合開始の時は特にそうでしした。ビジャが負傷してセスクと交代するまでは、シルバとイニエスタのいつものポジションチェンジが最もわかりやすい戦術的な意味合いを持っていました。アストゥリア人の退場後はトーレスが前線で1トップとなり、後に敵を粉砕するファブレガスが、中盤で試合のコントロールに貢献しました。
チャビのゴールは後半のスタートでスペインをリードに導き、ルイスの男たちはカウンターアタックで大きな脅威となり、同時に自分を信じる気持ちを増すことによってより優れたフットボールを生み出しました。一方でロシアの混乱は、2人を交代したことと10分の間に2枚のイエローカードが出たことからも明らかでした。チャビとトーレスに代えてシャビ・アロンソとグイサを入れたことは、スタイルに関しては同じ形をキープしながら、フレッシュな選手を投入することでより精度を上げる狙いのようでした。セスクからの良いパスを決めたグイサのゴールは前述した全てのことの証明であり、試合を決定付けました。
そこで事実上試合は終わりました。実に奇妙なことに、ビジャというチームのトップスコアラーを失ったことが、最終的には勝利の鍵となった男、ファブレガスの投入に繋がりました。スペインは大成功と共に準決勝の試練を勝ち抜きました。次の日曜は、ドイツという強固で力強く伝統あるチームを相手の、名誉ある地位を賭けた争いになるでしょう。
ところでドイツが勝ち上がったもう一方の準決勝についてですが、私はトルコがほとんど再び試合をひっくり返すところだったことにコメントしたいと思います。彼らは延長戦まであと少しという所まで行き、終了間際のドイツのゴールによってそうはなりませんでした。彼らのあの失点は、私が好奇心から触れておきたいと思うものです。得点を決めたのはラームで、彼は右利きの選手であり、左サイドからルシュトゥに攻撃を仕掛けました。ああいう状況では普通はファーポストに蹴りますが、攻撃を仕掛けた選手は、強く、高いボールをニアポストに蹴り込みました。ヨーロッパのゴールキーピングのスクールに従えば、トルコのキーパーは多少なりとも正しいやり方をしました。チャンスはなくとも、出来る限り最大のスペースをカバーすることです。もしも彼が南米のやり方を選んでいたら、特にアルゼンチンがそうですが、彼は正面をキープし、片ひざを地面につけてあのシュートを止めていたでしょう。その両方のオプションを扱うのは簡単なことではありません。しかし、私はあれは検討すべき場面だと思います。
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決勝は大会開始からラファがイチオシしていたドイツと、彼の母国スペインの対決になりました。コラムを連載したかいがありましたね。ドイツはバラックが金曜の練習で右のふくらはぎを痛めたと報道されており、出場が危ぶまれているようです。スタッフは「時間との戦い」と言っていますが、出られないとなると残念です。肋骨にヒビが入っているフリンクスの方はプレーに全く問題はないようで、決勝はスタメンから出場の見込み。トルコ戦でも「当たっても全く痛みは感じなかった」って、この人の怪我の場合は常人では計り知れません(笑)。
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