アロンソが
ガゼッタ紙に語ったインタビューです。
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Gazzetta dello Sport:この夏あなたは、イタリア移籍が実現すればあなたのキャリアの完成になるだろうと言っていました。ちょっと刺激的でしたね。今もそんな風に考えていますか?
Xabi Alonso:当然のことながら、ユベントスはユベントスだ。イタリア最大のクラブだよ。でもリバプールにいて失望なんてできないけどね。
Gazzetta:まるで連続ドラマのようでした。昼も夜もシャビ・アロンソでしたね。それについてどう感じていますか?
Alonso:自分の将来が確かではないことを喜ぶ人間は誰もいないと思う。でも現実を見れば、それは悲劇ではなくこの競技の一部に過ぎなかったよ。ヨーロピアン・チャンピオンシップの大会中は、そのことが僕の頭をよぎることさえなかった、何もね。僕は自分の代理人と一度も電話で話したりしなかったよ。自分自身にこう言っていた、決まる時は決まるんだ、何もかもはこの後だってね。
Gazzetta:ユベントスに大きな選手の変化はありませんでした。毎週、たった一つの名前がユベントスと結び付けられています。彼らが勝てないとその度に、シャビ・アロンソの名前が言われていますよ。ユベンティーノはあなたを獲得できなかったことを悔やんでいます。しかし実際何があったんですか?
Alonso:(喜びに微笑んで)本当に?ならいいけど、物事が上手く行かない時はいつでもそういうものだよ。しかし一つ言えることがある。僕としては、クラブの経営陣の誠意がとても嬉しかったよ。彼らは率直に、なぜ僕ではなくポウルセンを選んだか、その理由を話してくれた。フットボールではこういうことはあるんだし、それは問題ない。僕が移籍する可能性はあった。最終的に彼らは違う選手を選んだから、それは実現しなかった。
Gazzetta:それではユーベとのことはもう全て終了ですか?
Alonso:正直言って、僕の方にはまだ引き付けられるものがあるよ。
Gazzetta:あなたを最も引きつけるものは何でしょうか?
Alonso:彼らがゼロからの再建をしていて、それをしっかりやっているという事実が好きなんだ。そのクラブマネージメントが好きだ。あそこで働いている人々とプレーしている選手たちにとって、それは魅力的な挑戦だ。クラブには過去があってそれは感じられるけど、そこには現在もある。
Gazzetta:外部から見て、ユベントスに起こったいわゆるカルチョポリ、フットボールスキャンダルについてどう思いますか?
Alonso:イタリアにいる人たちの方が詳細をよく知っているだろうけど、僕たちが言っているように、これは間違いなくユベントスの歴史の汚点として残っている。今大事なのは彼らがやるべきことをやること、それは組織的な再建だ。
Gazzetta:シャビ・アロンソとユベントスの間の全てが終ったわけではない、それは置いておいて、イタリアはあなたにとって良い相手でしたね。イスタンブールでのチャンピオンズリーグ決勝のACミラン戦を振り返って、ハーフタイムのリバプールのドレッシングルームでは本当は何が起こったんでしょうか。今なら何でも言えるでしょう・・・
Alonso:君の思っているようなことはなかったよ。そう、君は間違った考えをしている。誰も叫んではいなかったし、儀式めいたことはなかった。むしろどっちかって言うと、少なくない人間がこう言っていたよ、「終った、僕たちは負けた」ってね。僕たち全員が、「もう自分たちは決勝で再びプレーするチャンスはないだろう」そう思いながら最後はピッチに出て行った。そして僕たちがピッチに戻ったとたんに、自分たちのファンの声を聞いた。それだけだよ。
Gazzetta:そして、ヨーロピアン・チャンピオンシップの準々決勝で、スペインは再びイタリアと対戦しました。
Alonso:あれは表現のしようがないね、きっと理解してもらえないだろう。イタリアを破り、僕たちは本当に肩の荷を降ろした気分だった。準々決勝を勝ち上がりそれがイタリア相手だった、それは2倍の躍進だったよ。あの後で僕たちの気持ちは変わったね。
Gazzetta:今はあなたたちのことを誰もが恐れています。ワールドカップ優勝のためには何が必要ですか?
Alonso:ヨーロピアン・チャンピオンシップで僕たちは最高のレベルに到達した。それは間違いない。まず第一に、安定性だね。
Gazzetta:それは常に言われていることですが、チームをその内部から見て、さらに進歩するためには何が必要でしょうか?
Alonso:最後にボールをゴールに片付けることについて、僕たちはもっと上手くやる必要があるね。最高になるためには、ゴールを決めるのはもっとダイレクトにやるべきだ。
Gazzetta:あなたはもう一つチャレンジをしています。リバプールは今シーズン、プレミアシップ優勝を果たせるかもしれません。私たちは言い古された疑問、「目標を決めるのは自分たちじゃない・・・」を掘り起こしているわけではありません。今シーズンのプレミアリーグでのあなたたちは、どこか違っているように見えます。
Alonso:たぶんそれは本当だね。たぶん、今シーズンの僕たちの陣容は何かが違っている。優勝できるかどうか、それは僕にはわからない。そういうことを今のうちから考えられないよ。僕たちは、少なくとも今の好調を続けたいと思っている。シーズンのこの早い段階で、他のことを考えすぎたりはできない。
Gazzetta:今年はドッセーナというイタリア人の戦力も加わりました。彼はどうですか?
Alonso:とても良くやっているよ。彼のことは知らなくて、僕は驚かされたよ。彼は素早く、やすやすと適応した。新加入の選手のようには見えないね。
Gazzetta:この点では、プレミアシップのもう一人のスペイン人は非常に良くやっているとは言えませんね。ラモスはトッテナムで旋風を起こしているはずが、その代わりに・・・
Alonso:彼らが2ポイントしか獲得していないというのは、僕は本当に信じられないよ。普通じゃないね。知ってのとおり、外部からはチームの中で何が起こっているか知ることはできない。でもこんな結果になるはずのない能力が彼らにはあるんだし、優れた監督がいる。
Gazzetta:監督と言えば、あなたは強い個性を持つ偉大な監督たちの元で常にプレーしてきましたね。彼らから得たものは?
Alonso:ハビエル・クレメンテは、この競技で僕にチャンスをくれた初めての監督だ。それは今思うと当たり前のことだったとは言えない。トシャックは僕のプレーに全てを与えてくれたよ。僕にプレーの時間を与えてくれて、僕が一部でプレーすることを望み、僕が18歳の時にはレアル・ソシエダのキャプテンマークを与えてくれた。スペイン代表のアラゴネスは、自分の能力に自信を与えてくれた。ベニテスの元で、僕はプロフェッショナルとしての今の自分になった。ドゥヌエのことも決して忘れない。僕たちは彼の元で、ソシエダでラ・リーガ優勝にあと少しのところまで迫った。
Gazzetta:あなたにとって、バスクとレアル・ソシエダファンのために辛かったですか、それともミランのチャンピオンズリーグでのリベンジの方が?
Alonso:(胸に手をあてて感情をこめて)あれはまだ痛いよ。僕のキャリアが終る日まで、それは常に僕の中にあるだろう。あれは歴史的なチャンスだった。失礼かもしれないけど、パレルモがセリエAで優勝するようなものだったんだ。
Gazzetta:そして2004年、あなたは£10.5mでリバプールに移籍しました。おそらく、それはあなたの人生の転換点だったでしょう。あなたはもはや一選手ではなく、資産になりました。一人の人間として、そういう時には何が起きるんでしょうか?
Alonso:リバプールが僕を買った時、僕は自分が本物のフットボーラーになったと感じたよ。でもいざプロフェッショナルとしての生活が始まったら、移籍金のことは忘れてしまうものだ。たぶん僕はその点ではとてもラッキーだったね。家には(レアル・ソシエダとバルセロナで3度ラ・リーガ優勝を果たした父親、ミゲル・アロンソがいて)プロフェッショナリズムが身近にあった。僕には良いお手本がいたんだよ。普通の青春時代を送らなかったことを僕は後悔していない。こういう人生で幸運だよ。不満なんか持てるわけがないよね?
Gazzetta:今のスペインでは、バロンドールの話題が異常なまでの盛り上がりのようです。スペイン人選手以外の3人、メッシ、イブラヒモビッチ、クリスティアーノ・ロナウドの中ならあなたは誰を選びますか?
Alonso:メッシだね。僕は彼のプレーが本当に好きなんだ。彼はあの賞に値するよ。
Gazzetta:すばらしい選手であれそこまででもない選手であれ、あなたが最も対戦したいと思う選手は誰ですか?
Alonso:疑問の余地なく、ビエラとランパードだ。彼らと対戦するのは本当に楽しいよ。ピッチに出て行って彼らを見ると、僕は彼らの個性とスタイルに刺激を受けるんだ。ビエラは他にないエレガントな選手だ。ランパードが僕に最悪の怪我をさせたことも気にしていない。そういうことは試合では起こるものだ。
Gazzetta:ユベントスファンはあなたを見るのを待たなくてはならないかもしれませんし、おそらくそういうことは起こらないかもしれません。話を変えて、あなたはご自分のベストゴールとベストアシストはどれだと思いますか?人々が見るべきなのは?
Alonso:それに疑問の余地はないね。ゴールは2003-2004シーズンの、カシージャスの頭を越した30ヤードのシュートだ。レアル・ソシエダがレアル・マドリーを4-2で破った試合だよ。僕たちが会うと、今でも僕は彼をそのことでからかうんだ。アシストは、強力でミリ単位で正確だったグラウンダーのパス、エル・マドリガルでのTayfunのゴールになったやつだね。2001-2002シーズンのビジャレアル対レアル・ソシエダ、3-1の試合だった。
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このインタビューの冒頭、ユベントスに関しての彼の言葉が英国メディアでここ数日盛んに騒がれていました。確かに「今もユーベに引き付けられるものがある」というのは、レッズファンなら気になる言葉ではあります。しかし夏の移籍シーズンにああいうことがあって、今シーズンの彼の今までのパフォーマンスには、レッズの中で不可欠の存在になろうとする彼の並々ならぬ決意が感じられます。そのプロとしての姿勢は、彼の人となりを物語っていると思います。クラブが彼を放出しようとするのならともかく、彼の方から望んで出て行くことは決してないでしょう。
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無題
ラニエリの発言にはカチンときましたが、クラブの経営陣はきちんとシャビにも話をし、彼も納得できていたのですね。
プロである以上、望まれることは何よりの誉れだし、チームをきちんと再建していきたいと言う意志に共鳴したと言うのもわかります。
でも、でも、やっぱり改めて彼を出してはならないと思うし、彼自身も必要とされるなら、りバプールをでるなんて考えているはず無いと信じているし、何よりもそのプレーで自身を誇示してくれているのが今何よりも嬉しいです☆
Re:無題
彼にとって辛い経験でファンも本当にやきもきしましたが、そのことで彼のプレーが一段階上がったんだとしたら、悪いことばかりではなかったのかなあと思います。なにより、「ラファの元でプロフェッショナルになった」という発言は頼もしく感じました。今季の彼は、なんだか顔つきも今までとは違っているように思えます。