ガーティアン紙より、キャラガーのインタビュー記事です。
---------------------------------
●キャラガー
(ガーディアン紙)「俺が新聞紙上で決して見たことがない記事がひとつある。ジェイミー・キャラガーがあれやこれのクラブと接触っていうやつだ。俺はここを出て行きたいとは決して思わないだろう。それは俺を殺し、俺の心臓を裂くことになるだろうね。
(12月13日のハル戦では彼のオウンゴールで0-2になり、最終的には2-2で引き分け。12月14日にはBBCのSports Personality of the Yearの授賞式がリバプールで行われたが、キャラガーはプレゼンテーターを辞退して欠席)俺は家から出られなくて、誰の顔も見ることができなかったんだ。こう言ったんだよ、『申し訳ない、行けないんだ。体裁を繕えないんだよ。ひどい気分で、皆の前でTVに出るなんて無理だ。』
父さんは、俺がどこか具合が悪いのかと思っていた。彼はこう言ったよ、『いったい何の話をしてるんだ?』
俺はこう思っていた、『これを忘れるために次の試合をさせてくれ。』。ハル戦の次の相手はアーセナルだった。俺にはとにかく、あのオウンゴールの試合が俺の最後の一戦にならないように、そこでプレーしてしっかりとやることが必要だった。日にちを指折り数え、早く、早く、と思っていた。俺の人生で最も長い週末だったよ。
移籍市場でクラブが俺のポジションの選手を2度獲得し続けた時は、俺は自分が毎日トレーニングで全力を尽くしていても報われないんだと思ったね。もちろん給料は変わらず支払われている・・・しかし真価は認められない。時々俺はこう思う。『一人去ったが、今度は誰が来るんだ?』俺は自分のチームメートの何人かは挑戦相手だと思っているよ。俺に取って代わろうとする人間だ。
時々俺は、ある意味では頭から自分のポジションの心配が消える、引退する日を待ちきれなくなるよ。俺は終始フットボールのことを考えているからね。今も人は言うかもしれない、『お前はリバプールの主力選手の一人じゃないか』とね。しかし俺はそれでも、チームの中の自分のポジションのことがひどく心配なんだよ。だから俺はあまり試合を逃さないんだ。自分が完全に100%でなくても、絶対に試合は逃せない。
俺はリバプールの獲得のうわさが出た選手を見て、こう考える。『こいつはくずだ、こいつも』
ラファの元では俺はおそらくスタメンだろう。しかしそれでも、心の中には疑問があるんだ。それは実際狂気だよ。今シーズンの初めには俺たちには、本当に良くやっているシュクルテルと、復帰して来たアッガーがいた。そして俺のところに来てこう言うファンがいたよ。『次のシーズンにはあんたは自分がプレーしていると思うか?』とか『あんたはサイドバックに廻るかもしれない』とね。
俺はこう答えるしかない、『そうだな、何が起きるか見守るよ。』そしてこう思っている。『この生意気なくそったれども』しかし何も言えないよ。彼らは俺がこれまでやってきたことなんか全部忘れているような感じさ。
フットボールは俺にとってものすごく大事なものだ。プレーができなければ、それは俺をまさに叩きのめす。俺はいつでもリバプールの試合は全部録画し、家に帰ったら自分のミスを探すんだよ。それからこう考えるんだ・・・自分は何のためにこんなことをしているんだ?ってね。
時々俺はこう考える。『自分はタイトルを勝ち取れるチームでプレーするのにふさわしい選手か?』俺はそれをいつも考えているよ。しかしそれから優勝を果たしたことのある他のチームを見る・・・彼らを見下しているわけじゃないが・・・こう思うんだ、『この選手はリーグタイトルを2回か3回獲っているが、俺たちのチームには入れないか、せいぜいやっと入れるぐらいだな。』
(ファーガソン監督の、リバプールはナーバスになるだろうという発言について)俺たちがナーバスになるかって?見当がつかないね。格好をつけてNOとは言わない。俺はそういう立場に今までいたことがないからな。まだ1月だ。実際情けないことなんだが、俺はこういう位置にいたことは今まで一度しかないんだ。ジェラール・ウリエ時代にね(2002年、リバプールは2位で終わった)。全てのリーグ戦が重要なら、俺はその中でやって行く。マインドゲームに加わるのもまたいいさ。俺たちはいつもそういうことを外野から見て来たからな。それは誇れることじゃない。
俺は子供の頃はエバトニアンだったが、マンチェスター・ユナイテッドを憎んだことはないよ。いつも彼らを尊敬して来た。彼らはしっかりしたクラブさ、俺たちのようにね、そして彼らも同じように俺たちを尊敬しているはずだ。マンチェスター・ユナイテッドはいい気になっていないし天狗でもない。チェルシーの方は、以前の話かもしれないが、ちょっとそういうところがあったな。マンチェスター・ユナイテッドには、『全く、何て憎たらしいやつだ。』と思うような選手はいない。彼らは皆いいやつらだよな?できればそんな風に思い合いたいね。俺たちはどちらも労働者階級のクラブだ。
俺たちはウリエ時代のようにはなりたくない。あの時はタイトルに挑戦したのは1度きりで、それからは完全に遠ざかってしまった。俺たちは毎シーズンリーグタイトルを戦っていたいと思っている。優勝できないとしても、争いには加わる。それが最低限だ。4位を争うのではなくだ。それではだめなんだよ。今は全員が信念を持ち、こう考えている。『俺たちはやれる』とね。リーグ優勝できなかったら、俺は達成感を感じないだろう。このことが俺を常に悩ますものになるだろう。
俺は(イングランド代表の)ファンを批判したことでちょっと批判を受けた。しかしその約1ヵ月後には、彼らがアシュリー・コールにブーイングしたことを誰もが批判した。俺は、自分がそいうことを言った初めての人間というだけだと思うよ。俺はただ『一体ここで何が起こっているんだ?』と言っただけさ。ピッチの外ではなく、ピッチの上でオーウェン・ハーグリーブスやピーター・クラウチに対してブーイングが起こる。ピッチの上でだ。それは全てクラブ間のライバル意識から来ているんだと思う。小さいクラブのファンにとっては、おそらくヨーロッパの舞台でこう言うチャンスだと思うんだろう。『Match of the Dayで1週間に何度も見て来たこのろくでなしども、今度は俺たちが思い知らせてやる。』アンドラでスティーブ・マクラーレンに対して起きたことは、受け入れ難かった。そうは言っても、いざ大会に入った時のイングランドファンは最高だったよ。
俺は海外のフットボールを見るんだが、仲間にいつも『彼(カペッロ)の元でプレーするのを想像してみろ。彼は勝つぞ。』と言ってたんだよ。彼がどこでやろうと、そのチームは勝つ。彼はそんな風に見える。すごいやつに見えるね。マクラーレンのことを見てみれば、彼は全くそんな風には見えない。
代表での俺のプレーはもう完全に終わりを告げたわけじゃない。しかし率直に言って、俺のリバプールのキャリアのためなんだよ。いろいろと考えたんだ。他のリバプールのCBたちが代表戦に出て行き、俺はここに残る、そうすれば俺はよりフレッシュでいられる。
子供の頃から俺はいつも言っていたんだ。イングランド代表はロンドンのものだってね。1986年か1990年にリネカーが得点した時は俺は部屋中を跳ね回ったが、エバートンがFAカップ決勝でリバプールに敗れた時に『神様、俺はどうしたらいいんだ?』と感じたような、胃をやられるような感覚は決して感じなかったよ。
(自伝について)俺は皆の本を読んで、自分のを出す時はどういう風にしたいか良くわかっていたんだ。俺が誰かフットボーラーの本を読むなら、試合のことや、どうゴールを決めて良いプレーをしたかなんてことは読みたくない。人は起きた事実ではなく、その時どう考えていたかを読みたいんだよ。
やる時はやる、それだけだ。そしてそれは全て、自分の考え、自分の信念に基づいているんだ。」
---------------------------------
キャラのインタビューはいつでもぶっちゃけトークですね、最高です。私もひょっとしたら彼の言う「この生意気なくそったれども」の一人かもしれません。すみません。
PR