巷を騒がせているレッズ買収問題。やっぱり誰もがわかりにくいらしく、いくつかのメディアがQ&Aを掲載しています。その中で一番詳しいと思われる
BBCの記事を訳してみました。
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アメリカ人の二人組が、前回のローンを返済して新たに£350mのローンを組み、新スタジアムの建設に着手しようと試みている。一方、ドバイ・インターナショナルキャピタル・・・ドバイ政府の投資部門・・・は、クラブ買収のオファーを直ちに出す準備が出来ている。
では、アンフィールドのピッチの外では、正確には一体何が起こっているのだろうか?
Q 借り換えというのは、どういう意味ですか?
A 借り換えというのは、住宅ローンや、ローンを統合することにちょっと似ています。短期の高金利の厳しい負債から開放されて、長期に渡る低金利の返済に置き換えるチャンスです。それは、資金難に直面している存続可能なビジネスの役に立ちます。例として、新スタジアムの建設を必要としている成功したフットボールクラブのような!
Q なぜクラブが借り換えをするんですか?
A ヒックスとジレットは、危険を分散する必要があります。彼らはスタジアム建設に取り掛かっており、国際的な“貸し渋り”が借り入れを高くつくものに、時には不可能にしている時期に資金を必要としています。
ビジネスの世界では、これをするのは極めて普通のことです・・・グレイザーもマンチェスター・ユナイテッドでそれをやりました。それは、取締役たちが彼らの財務をどう実行したいか、その判断にかかっています。
Q ヒックスとジレットはクラブを売りたいのでしょうか?だとしたら価格は?
A それについては、単純にお答えするのはとても難しいですね。そのアメリカ人たちはビジネスマンで、究極的には彼らは投資の見返りを求めています。
いつ彼らがその見返りを受けられるかは、多くの事によって影響されるでしょう。ヒックスは、売却の話など論外であり、取引の交渉をしたこともないし、クラブにコミットしていると断固主張しています。
表面上は、それはきっぱりとしています。しかし我々は、あるレベルでの話し合いがあったことを知っています。一部の人々は、『入手困難』を演じているだけと見るかも知れません。
断れないオファーというものはありますが、現時点ではヒックスとジレットは、彼らが売却に必死ではないという印象を与えています。そしてDICは、過剰な支払いは望んでいません。
そういう姿勢が変化することがあれば、おそらくその時には物事は非常に早く動くでしょう。
Q 誰がクラブを管理しているんですか?ヒックスとジレットですか、または金を貸している銀行ですか?
A 再び、それはあなたの家の住宅ローンにちょっと似ています。
あなたが一部を所有し、銀行が一部を所有し、もしもあなたが返済出来なくなったら、その時は銀行があなたの財産を差し押さえます。
通常、月々の支払いが滞ることがない限り、銀行は日々のビジネスの運用には関わりません。ヒックスとジレットがそれを続ける限り、彼らは采配を振るい続けるでしょう。
Q リバプールの財政状況はどうなんでしょうか?
A 彼らは成功したクラブであり、プレミアリーグの試合のTV放映権から前代未聞の支払いで収益を得ています。
しかし、リバプールはもっと大きなスタジアムを持つマンチェスター・ユナイテッドやアーセナル、またはロマン・アブラモビッチオーナーという財源を有するチェルシーほどは強力ではありません。
そして今は、このクラブはヒックスとジレットによる買収に関係した負債を負わされます。
スタンレー・パークの新しいホームへの移転は、彼らの将来のビジネス成長プランの重要な部分です。それはリスクを伴います。
彼らは動かずに留まって、TV放映料を受け取りながら週ごとにシートを埋める40,000人の熱狂的な人々からの収入を最大限に生かすことも出来ます。移転はより長期的な投資です・・・FAにとってのウェンブリーと同じように・・・多額の先行投資ですが、しかし最終的にはより良い見返りが得られます。
問題は、ヒックスとジレットが配当の日までどれほど長く待てるかということです。
Q これは、ヒックスとジレットにとっては普通のビジネス手法なんでしょうか?
A 彼らは、多くの異なるビジネスモデルを通して金を稼いで来ました。その中には負債を伴うビジネス参入、リストラや再編、収益を出してからの売却などがあります。
彼らが投資してきたスポーツフランチャイズは、長期に渡っています。ヒックスはアイスホッケーチーム、ダラス・スターズを1995年に買い、野球チームテキサス・レンジャースを1998年に買っています。ジレットはNHLモントリオール・カナディアンズを2000年に買い、彼らがそれを売却する気配はありません。しかし彼らはリスクを負い、リスクを計算する人々です。
Q この不確実性は、チームにどんな影響があるでしょうか?
A 選手と監督がこういう類のことに気を散らされるだろうというのは、ちょっと陳腐な決まり文句です。ランディ・ラーナーは、アストン・ヴィラに安定した影響力を持っています。それは当たり前のことではありません。一部の人間は、ジェイミー・キャラガーのように、明らかに起こっている事態に腹を立てています。しかしそれは、彼のプレーが結果として悪くなるとか良くなるということではありません。
大勢の選手たちは、おそらく気にもかけていないでしょう。
ファンは腹を立てています。彼らのクラブとその歴史に対する気持ちは、短期の利益や損失、所有権を超えたものだからです。
とは言うものの、マンチェスター・ユナイテッドは、グレイザーの買収が騒がれている間には調子を落としました。それはあるいは偶然だったかも知れませんが、たぶんそうではないでしょう。
結局、オーナーがチームに干渉しない、安定した保有・・・例えばヴィラのランディ・ラーナーのような・・・それがおそらくベストの空気を作るでしょう。
Q リバプールの監督ラファエル・ベニテスへの影響はどうでしょうか?
A ジレットとヒックスが留まれば、移籍に関するお互いの意見の相違、そしてユルゲン・クリンスマンについての失言は、ベニテスの長期政権に疑問を投げかけるでしょう。
もしもDICが買収したら、新しいオーナーが監督を代えるのは珍しいことではありません。もしも彼らが夏の移籍活動資金を約束してやって来るのなら、彼らはそれを使う誰が違う人間を望むかもしれません。
しかし、リバプールはその時までにチャンピオンズリーグで優勝するかもしれません!
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結局借り換えはクラブの負債となるんでしょうか?以前の記事では、それだけは役員会が断固拒否していると報じられていたんですが、最近は既成事実化しているような・・・そうなったら最悪の状況です。パリー、しっかりしてくれーーー!頼むよ!!!
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