トーレスの
オフィシャルサイトより、スペイン紙Publicoによる12日付けのインタビューです。
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Publico:私たちがEuro2008でこれだけいいスタートを切れたことは、良い兆候でしょうか?前回のワールドカップでスペインに起こったことを覚えていますか?
Torres:良い兆候だけど、僕たちは以前のことから学ばなくてはね。勝利を祝うのはちょっとにして、気持ちを切り替えてスウェーデン戦に集中を向ける。肝心なのは、このプレーのやり方を続けて行くことだ。僕たちは、前回のワールドカップであったことも思い出さなくてはならない。この大会には、ミスを犯したらやられるようなチームがいくつかあるからね。
Publico:ルイスは、ロシア戦で戦術を変えるといつあなたたちに言ったんでしょうか?スペインは深い位置に下がって待ち、ロシアを瞬時に攻撃するやり方をしましたね。
Torres:彼は試合中に僕たちに新しい指示を与えた。ロシアは前からプレッシャーを掛け続けて、ロングボールを使って僕たちに問題を起こす可能性があったから、僕たちは後方で狭くプレーする決断をしたんだ。しかし彼らにボールを持つ時間は与えなかったし、彼らは僕たちを相手にどうプレーしたらいいか確信を持てていなかった。僕たちは、拾ったボールからカウンターアタックを仕掛けることができた。僕はあれはスペイン代表チームがやり方を知っているスタイルだと思う。僕たちにはそれをやれる選手がいるし、それではるかに大きな危険を生み出せるだけの能力があることを皆が見た。僕たちには決定的なボールを出せる能力のある選手がいて、ピッチの中盤で相手を制圧でき、前線には速さのある選手がいる。
Publico:しかし、あなたは毎日コロディンと対戦することはありませんよ!
Torres:ロシアが最終ラインに弱点があるとは言えないよ。おそらく彼らは、自陣でもっと深く守るやり方に慣れているんだろう。彼らは前に押し上げて本来のポジションを離れていたし、僕たちは彼らを破るためには何が求められるか、正確にわかっていた。彼らはピッチで起こっていたことに反応できなかったか、気がついていなかったのかもしれない。ロシアははるかに高い位置で守り、あれだけ背後に大きなスペースが空いていればタフな時間を過ごすことになるよ。
Publico:そして、カードが一枚も出ませんでした!
Torres:審判はカードを1枚か2枚出すことができたけどプレーオンの判断をした、それは良かったよ。でも、あれだけ多くのファールがあれば試合は途切れるね。
Publico:後半開始してすぐにあなたは交代しました。次戦もまた交代で下がる最初の選手になるかもしれないと恐れてはいませんか?
Torres:わからないよ、それはボスにする質問だね。僕は、勝つために、得点するためにプレーし、そしてできるだけ長い時間プレーしようとしている。それは僕が決められることではないけど、同じことが起きないように、もっと良いプレーをしようと努力しなくてはならないだけだ。
Publico:ルイスは、交代で下がった時のあなたの態度にとても満足という風には見えませんでした。彼は、トーレスが腹を立てたいならもっと違う態度でするべきだと言いましたが。
Torres:何で彼がそんなことを言ったのかわからないよ。
Publico:彼はあなたに説教をしてはいませんか?
Torres:一言も言っていない。もし彼に何か僕に言うことがあるなら、来て言うはずだ。もし言いたいことがあるなら、間違いなくそうするだろうと思うよ。
Publico:ダビド・ビジャはあなたが腹を立てているのを見て、3点目のゴールをあなたに捧げようと決めました・・・
Torres:全くそんな感じじゃなかったよ。自分の好きなように物事が行かない時もあるし、ただ得点できないだけという時もある。でも僕たちストライカーは、前線にどれだけ多くの労力が投じられているかを知っているし、誰かの頭に何がよぎっているかを正確に知ることはできないけど、チームメートと彼らの貢献に感謝している。僕はピッチのあっち側に立ち、仲間たちは僕がゴールできるようにへとへとになるまで頑張るんだ。そしてそういうことは決して言及されない。でも僕は彼らにゴールを捧げて来たよ。あのこと全てが、ビジャのすばらしい人柄を表している。
Publico:「9番」の選手であることを考えれば、あなたのパスは少々驚きだったと言えますね・・・
Torres:何で?
Publico:ストライカーとうものは、利己的として知られているからです。
Torres:いつもそうってわけじゃないよ。判断する時間は1秒もないから、ゴールにしか目が行かなくて他が見えない時もある。僕たち皆にあることだ。ストライカーっていうのは、ほとんどいつも自分の目を相手ゴールに向けている。
Publico:ビジャも同じことをしただろうと思いますか?
Torres:もし彼が僕を見ていたら、その時はYESだ。僕たちはいつも良い相互理解をして来たし、僕たちはお互いを探しているよ。これからの試合で、僕たちのこの連携を最大限に利用しなくてはならないね。
Publico:ピッチの上に4人の代わりに5人のミッドフィールダーを配置していたら、その時は同じ形でのゴールは生まれなかったんじゃないでしょうか・・・
Torres:たぶんそうだね、しかしはっきりとは誰にもわかならいよ。ミッドフィールダーのうちの一人が、ペナルティボックスの中に入り込む仕事が上手くできていたかもしれない。2人ストライカーを置けば「こっち」が優勢に、5人のミッドフィールダーを置けば「そっち」が優勢になる。全ては試合がどう進むかによるんだし、どちらがその時の最良のシステムかを知ることが必要なんだ。
Publico:スペイン代表とリバプールのフットボールは、実際それほど違うものですか?
Torres:全てが違うよ。リバプールは良く組織されたチームで、常に一瞬を突くプレーをする。仕事もはっきりと決まっているんだ。ウィンガーと中盤のジェラードがチームを操る。スペインは明らかに、重要な選手たちが大勢いる代表チームだ。中央でプレーできる選手が大勢いる一方、本物のウィンガーはいない。そしてワンタッチを多用し、ポゼッションをキープするフットボールをする。そういうプレーは時として、前線にいる僕たちストライカーのスペースを減らす。ロシア戦はそうではなかったけど、一般的には大きな違いがあるね。アンフィールドでは、僕たちはどうしなくてはならないかを常に正確に知っている。
Publico:プレーに実際に加わる機会が非常に少ないことで、イライラはしませんか?
Torres:いや、とにかく自分の役割は引き受けなくてはならないからね。スペースを作り、相手ディフェンスをワイドに引きずり出して、得点チャンスを得られないどころかパスをもらえないことさえあるかもしれない。問題は、自分が違う位置でプレーしているにも関わらず、人々が同じ結果を期待することなんだ。僕が相手のペナルティエリアに接近する機会ははるかに少ないのに、それでもリバプールでやったのと同じだけのゴールを期待される。僕自身も自分に厳しく要求しているけど、チームのためにピッチの上でやるべき他の仕事があるのも理解しているよ。
Publico:ジェラードは常にあなたの走りを見ていますが、スペインでは、あなたがオフザボールで何度走っても決して使ってもらえないように見えます・・・
Torres:それは僕がまさに説明しようとしていたことだよ。クラブで1シーズンをプレーして1年間一緒にやれば、良い相互理解を築くことができる。僕は単に時間の問題だと思っているよ。
Publico:スペインにはプレッシャーがかかっていますか、または優勝の義務がありますか?
Torres:今現在は僕たちは優勝を望んでいるし、不安と緊張は勝ち進むに連れて増して行く。それでも今は選手たちの中に緊張感はないね。僕たちがいつも敗退している準々決勝が来たら、間違いなく勝利への不安は起きるだろう。その試合までの準備期間に僕たちが不安と緊張から逃れられることを願っているけど、僕は前にそこでやったことがあるし、僕たち全員がベスト8のチームがタフだということはわかっている。
Publico:戦いは"頭"で勝利するんでしょうか、それともピッチ上でしょうか?
Torres:疑問の余地なく、答えは"頭"だ。僕たちは勝利を確信していなくてはならないし、それと同時に、地に足をつけていなくてはならない。前回のワールドカップで起こった事を見ればわかる。僕たちは自分たちが勝てると確信し、その自信は過信に変わった。おそらく、僕たちがロシア戦で遅い時間に失点したあのゴールが、ペダルから足を離すことへの警告なるかもしれないね。試合は完全に終わったように見え、僕たちはちょっと力を抜き過ぎて、彼らは出て来てコーナーから得点した。そういう状況から、僕たちは学ばなくてはならない。
Publico:ラウルの役割をあなたが引き継ぐんだとは思いませんでしたか?
Torres:一人の人間がチーム全体の責任を負うべきでは決してない。それは大きな間違いだよ。ラウルがスペイン代表チームでやって来たような責任を引き受ける権利を誰か一人の選手が獲得するかもしれないけど、長い目で見れば選手それぞれ一人なんだ。
Publico:チャビがその方向に向かっているかもしれません。
Torres:誰を頼みにするかによるね。チャビは長い間スペイン代表でプレーし、チームの中に自分の位置を確立している。今の彼はアンタッチャブルな存在にさえ見えるよ。誰もその役割を引き受けようとしない、そんな感じだね。彼はキープレーヤーであり、彼のポジションを脅かす人間は誰もいないようだ。コーチみんながチャビを信頼している。彼はそれに値するからね。
Publico:スペインがロシアに完勝したことで、ものすごい高揚感(※euphoria)が漂っています。
Torres:熱意(※enthusiasm)があるのはいいことだよ、高揚感ではなくね。ヨーロピアン・チャンピオンシップがキックオフされる前に、僕たちはありとあらゆるストーリーを聞いた。僕たちは準々決勝で敗退するとか、大会で優勝するとか。いろんなことを聞いたけど、僕たちの達した結論は、自分たちだってどこまで勝ち進めるかわからないってことだったよ。おそらく僕たちに必要な全ては、自分たちが実際にやれるんだと信じることだ。高揚感は自分たちがどこよりも強いと信じさせる。事実としては僕たちはそうじゃない。
Publico:シャビ・アロンソは、何も生まないワンタッチフットボールの幻想を我々は捨てるべきだと発言しました・・・
Torres:少なくとも、チャンピオンズリーグでは僕たち皆が、フットボールは違うやり方で効果的にプレーできるということを見ている。たとえばロシア戦では、僕たちは相手ゴールにたどり着くまで200回もパスをする必要はなく、3回のパスでそれができた。それが現代のフットボールのやり方だよ。多くのチームがそうやって勝利し、これから数年間はそういうやり方が続くだろう。
Publico:それ(※ワンタッチフットボール)はスペインのプレースタイルのスローガンでしょうか?
Torres:いや、スペインは対戦相手によって自分たちがどうプレーしたいか、そのやり方を選ぶ。時にはチームにはポゼッションを支配することが必要だ。でも僕たちの初戦のロシア戦のような試合で明らかなのは、スペインはどうボールを動かすかを知っていて、ポゼッションを分け合うことができ、いつどうやって得点するか知っているということだ。スペインにとって重要なのは、試合を読んで臨機応変にプレーすることだよ。
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さて、今日のスウェーデン戦はスペインはどういうプレーをするでしょうか。カウンターアタックを狙うのか、今回はあくまでスペインらしくパスで崩しにかかるのか。その中でトーレスは持てる能力を出せるのか。注目です。
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