スティーブン・ワーノックインタビュー Vol.1の続きです。
Int:ラファはあなたを選手としてどれくらい上達させましたか?
Steph:ものすごく。上達したのは僕だけでなく、チーム全員が、監督が彼らに大きな影響を与えたと言うと思う。監督は時々1対1で指導をし、ゲームの中で何か悪いことを発見したら、その選手と話し、悪いところを直すために一緒になって練習をする。チームは全体としてより良くなっている。僕たちは自分が何を要求されているかをより理解してるし、チームの中の自分の役割をわかっている。彼は個々の選手の強みを知っていて、それを最大限に引き出そうとしているよ。
Int:ルイス・ガルシアは、最近のインタビューで、あなたがチームの中で一番練習熱心だと言っていました。
Steph:僕は練習が本当に好きなんだ。僕がここにいられてラッキーだってわかってるから、ここにいられる間はできるだけ楽しみたいと思っている。僕は怪我の問題で何年もフットボールをできなかった。長いことフットボールができなかった時期は本当にどうにかなりそうだった。だって練習さえできなかったんだからね。
Int:キャリアの数年間を失ったということが、あなたにプレーできるうれしさを再認識させているんでしょうか。
Steph:うん、明らかにね。僕のような怪我をしてカムバックできなかった選手は何人もいる。僕はリバプールのような、100%の支援をしてくれるチームに所属していて幸運だった。病院でベッドに横たわって手術を待っている選手とプロ契約を交わしてくれるクラブはそんなに多くはない。僕たちはここですばらしい便宜を得られる。正直言って、下位のリーグのクラブに僕がいたとしたら、フットボールにまた戻ってくることはできなかったと思う。
Int:少なくとも、あなたが怪我をしたときは、まだこれからもたくさんプレーできる時間がある有望な若手でした・・・。
Steph:うん、一面ではそれはいいことだった。カムバックしてからもたくさんの時間があるからね。でも別の面では、僕のような若い年齢であのような怪我をしたら、キャリアが終わりになる可能性だってあったんだ。何が起こっているのかちゃんと理解できるほどの経験がなくて、リハビリテーションに長い時間がかかるために、間違った決断をしたり間違った道に行ってしまう可能性もある。
Int:今シーズン、イングランド代表に招集されたことは大きな励みになりましたか?
Steph:すばらしかったよ。本当に予想していなかったからものすごく驚いた。代表チームの中にいて、いろんなことを見たりやったりするのはすごいことだよ。イングランド代表がプレーする時はいつだってみんなが彼らをサポートし、子どもたちの夢はいつか代表に呼ばれることだ。すごく重い経験だった。ルーニーやランパードや他のみんなのような選手たちと一緒に練習できるなんて、すばらしいことだったよ。
Int:あなたはイングランド代表としてドイツに行くという望みを持っていますか?
Steph:僕はまずはリバプールでプレーしていなくてはならない。それは明らかなことだ。代表に入るチャンスを得るためにはまず、自分の所属クラブでレギュラーでプレーしていなくてはならない。僕はそうではないから、イングランド代表に入れる望みはないよ。
Int:国の代表に入っていないとしたら、この夏は何をして過ごしますか?
Steph:シーズンは長いから、いい休養になるだろうね。僕の妻は今妊娠中だから、何をするかまだわからないな。シーズンの終わりには彼女は30週目に入るから、海外に行けるかどうかわからないんだ。多分ゆっくり休みを取ってのんびり過ごすよ。
Int:あなたはリバプールの選手ですから、とても良く知られた存在ですよね。でもあなたを新聞で見たことはないですね・・・
Steph:僕は他の選手みたいに有名ではないから、他の人とは違うんだと思うよ。住んでいる場所もずっと静かなところだし。僕はその場所が気に入ってるよ。僕はリバプールではそんなに社交的ではないんだ。僕は自分の出身の町にいて、知人や信頼できる人たちと過ごすのが好きだ。家族や友人たちとね。
Int:フットボール以外の時間はどのように過ごしていますか?
Steph:リラックスしてるよ。買い物に出かけるタイプじゃないからね。時々友人やクラブ関係者とゴルフをするかな。
Int:バーミンガムのオーナー、デビッド・サリバンが今週、彼がフットボーラーを好きじゃない理由のひとつは、彼らが地域社会に十分に貢献していないからだとコメントしました。
Steph:フットボーラーにとっては、自分たちの役割を果たすことが重要なんだ。僕たちは手本として見られる。みんなフットボーラーになったり、フットボーラーに会えることを夢見る。何か小さなことをしたとしても、サポーターにとっては大きな出来事だ。
少しの時間では何も出来ないけど、誰かを幸せにしてあげることはできる。僕は、クラブと僕の周りの人たちのためにできるだけのことをするよ。
Int:あなたはいつご結婚されましたか?
Steph:去年の夏、6月に。
Int:有名人の載る雑誌に写真は出ていませんでしたが・・・
Steph:(笑)いや、それは全然僕のスタイルじゃないから。
Int:では、あなたの周りの人たちは、あなたを"リバプールの選手スティーブン・ワーノック"ではなく、"地元っ子スティーブン・ワーノック"として見ているんでしょうか?
Steph:その通り。僕の出身地の人たちは明らかにフットボール狂で、彼らに会ったらいつも、クラブで選手たちがどんな様子か聞かれるよ。「ジェラードはどう?」「キャラはどう?」ってね。このクラブが彼らの生活にどれほど根ざしているかがわかるよ。
Int:リバプールのファンの一人として、あなたはフェンスの向こう側がどんな風か知ることが出来るんですね・・・
Steph:うん、僕はイアン・ラッシュやジョン・バーンズみたいな人たちを崇拝していた。彼らに会えた時は信じられなかったよ。僕はロビー・ファウラーが売り出し中だったときに大きくなった。彼はみんなの話題に常に上る存在だった。今は彼と一緒に練習しているなんて驚きだよ。
Int:それでは、彼が再びリバプールに戻ってきたときにはどんな風に感じましたか?
Steph:彼が戻ってきたのはすごくうれしかった。彼はクラブの伝説で、僕は今でも彼を崇拝している。クラブのみんなも彼が戻ってきたことを本当に喜んでいたし、最も尊敬している。
Int:今シーズンは、リバプールにとって進歩でしたか?
Steph:進歩のシーズンだったけど、シーズンの終わりには、僕たちがつまらないポイントを落とした試合をしっかりと振り返るだろうね。欧州戦から脱落したあの試合には本当に失望させられるだろうね、もちろん。
僕たちはリーグの通算ポイントが示しているのよりもいいチームだ。だけど、どのクラブにも、振り返ってみればポイントを落とした試合のあちこちに同じような不満があるんだろうね。
僕たちは成功しつつある。前進し、正しい方向に進んでいるとみんなわかっているよ。
Int:あなたがチームのレギュラーではないという事実について私たちは話しましたね。ある日監督が、あなたはもう彼のプランに入っていないと告げることを心配したりはしませんか?
Steph:うん、未来はいつも不確かで、だからこそ僕は、どんなセッションのどんな時にも全力を尽くして練習するんだ。アカデミーで僕が叩き込まれたのは、力が足りなくて脱落することはあっても、努力が足りなくて脱落することは決してあってはならないってことだった。もしクラブが「君には力が足りない」と僕に告げる時が来たとしたら、それはそれでいい。僕は握手して、「全力を尽くしたから、悔いはありません。」と言えるよ。努力が足りなくて脱落することは絶対に僕にはない。
Int:でも、あなたはそんなことが起こらないと確信しているに違いありませんね。
Steph:もちろんだよ。自分に自信がなくちゃ、もっと上には行けない。僕はもっともっと試合に出たいけど、クラブのみんなが同じ事を思っているんだ。監督はいつも、選手たちは一定の量の試合に出るんだと言う。ある者は20試合、あるものは30試合、って具合にね。それが彼のやり方で、そうなるんだとわかっている限りは問題ない。
Int:リバプールで30試合するのは、他のチームで50試合するよりもいい選択のはずですよね・・・
Steph:間違いなくそうだ。ヨーロッパのベストのクラブでチャンピオンズ・リーグを戦えるんだから。僕はここでの暮らしを愛しているし、可能な限り長くここにいたいよ。
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