公式HPより、ファーストチームに入って10年を迎えたジェイミー・キャラガーのインタビューです。長いので2つに分けています。
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Liverpoolfc.tv:ジェイミー、ファーストチームに入って10年ですね・・・信じられない気持ちですか?
Jamie Carragher:10年は確かに長いし、すばらしい思い出がたくさんあるよ。いろんなことがものすごい速さで過ぎて行った感じだな。最初にチームに入るときは遠い先のことまでは決して考えないし、1997年のことを思い出せば、俺は自分が今日までここにいるなんてこれっぽっちも信じていなかったね。もちろんそれを望んでいたが、若いときには1度に1シーズンのことを考えるのでいっぱいだ。今、10シーズンが過ぎて俺たちはここにいるし、俺はもう少しこれからがあることを願っているよ。
Liv.tv:近頃は、忠誠というのはフットボールでは希少な存在ですが、あなたかこれだけ長い間それを保ってこられたのは何のおかげでしょうか?
Carra:そうだな、まず第一に、リバプールは俺の町でリバプールは俺のクラブで、それにもちろん、俺はずっと他のどのクラブよりもここでプレーしたいと願っていた。そしてここは常に栄誉を期待できるトップクラブでもある。どこか他でプレーしたいなんて思う理由はないだろう?まあ、最も重要な要因は、俺がずっとレギュラーでプレーしてきたという事実だろうな。もし俺がチームに入っていなかったら、リザーブでぐずぐずしていたり、週末ごとにベンチに座っているのに甘んじていることに満足はしていなかっただろう。俺はフットボールをやりたくてたまらないし、俺がここまで来れた理由はそれだよ。
Liv.tv:これまでの間に、もう少しで移籍するところだったり、そのことを深く考えたりしたことはありましたか?
Carra:いや、全くない。俺は新聞でそういう憶測さえ読んだ事はないよ。それは俺がいい選手じゃないってことかもしれないな!真面目に言えば、新しい監督が来たときにはいつも、俺は必要とされないんじゃないかっていう疑いは心の中にあったよ。ラファが来たときもそうで、彼が最初にサインした選手は右サイドバック(ホセミ)で、俺がその時プレーしていたポジションだったからね。しかしリバプールのようなクラブでは常にポジション争いはあるもんで、俺はここにいる間は常に競争に勝つ強い意志を持たなくてはならなかったよ。俺はいつでも、新加入の選手が来るってことは個人の戦いだと思っていた。自分の家族を追い立ててリバプールを去りたいなどとは絶対に思わない以上、俺は自分が彼らに先立ってチームに入ることを確保しなくちゃならない。
Liv.tv:リバプールがあなたに興味を持っているとはじめて聞いた、まだ学校に通っていた時のことを覚えていますか?
Carra:ああ、もちろん。俺は、ブートルの子供たちと一緒にいつも練習していたフィールドの更衣室にいた。俺は多分あの時9つで、監督が入ってきて、俺たちの4人か5人がリバプールでトライアルを受けると言ったのを覚えているよ。俺はそのものすごい重要性を全く理解していなかったが、それでも俺にとっては大きな出来事だったよ。初めに何人かの友達が俺と一緒に来たことは助けになったと思うし、それから先は俺は振り返らなかった。
Liv.tv:少年時代にエバートンにいて、あなたは'crossing the park'について最初に予約を入れたに違いないですね・・・。
(※アンフィールドとエバートンの本拠地グディソン・パークの間にはスタンレー・パークがあるので、両方のチームに在籍することを'crossing the park(公園を横切る)'と言います。)
Carra:違う違う。俺がガキの頃はただフットボーラーになるのが夢で、その階段の一歩をどんな風に踏み出すかは問題じゃない。俺は実際短い間エバートンファンだったが、すぐに自分が間違っていることに気づいた。エバートンがアプローチしてきた時、俺はもう3、4年リバプールのファンで、俺はあそこに約12ヶ月行っていたよ。俺の仲間の何人かもそこに行ったが、俺はその決断を後悔した。スティーブ・ハイウェイとリバプールのスカウトがそれでも接触を続け、ありがたいことに彼らが俺を取り返してくれた。
Liv.tv:その頃あなたがこの競技で成し遂げるだろうと思っていた大きな夢も、今は超えているに違いないですね。
Carra:それはそうだが、うぬぼれたように聞こえるつもりはないが、俺はプロとしてやって行く自分の能力に、常に信念を持っていた。同じことを疑問もなく思っている子供は数え切れないほどいるだろうが、幸運なことに俺の場合それは現実になった。それは簡単とはほど遠かったよ。俺はずっと悪戦苦闘を続けてきたし、多くの犠牲も払ってきた。今はその報酬を受けているのさ。
Liv.tv:スタートから全てが平坦な道ではなく、地元の町の子供から確固たる地位の有名なフットボーラーに変わって行くというのは、どれくらいハードなことでしたか?
Carra:有名になるっていうのははじめは気持ちいいもんだが、時間が経つにつれてそれは扱うのが難しくなっていくよ。最初は皆の人目をひいて、多くのポジティブな注目が集まってくる。それからしばらく経って沈静化すると、今度は嫉妬がこっそり忍び寄って、ネガティブな話がどんどん出て来るんだ。外出するときや町に出るときは気をつけきゃならない時もある。しかし正直言って、俺は今まで問題に出くわしたことはないね。俺はいつも普通どおりにするべき仕事をして、慣れたいつもの場所に出かけていく。この町では人々に愛されるか憎まれるかどっちかで、リバプドリアンは外出した時はエバトニアンを避けるべきで、逆もまた同じってことさ!
Liv.tv:あなたがこの競技で成し遂げたあらゆることにもかかわらず、あなたは最も地に足が着いたフットボーラーの一人とみなされていますね。何がそうさせているんでしょうか?
Carra:地に足をつけているっていうのは、別に意識してそうしているわけじゃないよ。俺はそういう人間で、ずっとそうしてきたしこれからも変わらないだろうな。セレブみたいなものには全然興味がない。俺が望んでいるのはフットボールをすること、そしてかみさんや子供や親しい仲間と過ごすこと、それだけさ。
Liv.tv:クラブのベテラン選手として、あなたは自分を若手の模範になるべき人間だと見ていますか?
Carra:俺は自分を誰かの模範として台の上に掲げるつもりはないよ。それは彼らが決めることだ。俺は過去にミスもしたし、もし彼らが俺が今までしてきた経験から学ぶことが出来るならそれはすばらしいことで、彼らがアドバイスを必要とするなら、俺はいつでもここでそれをするよ。
Liv.tv:それでは、あなたの後を追いかけたいと熱望している地元の子供たちへ、どんなアドバイスを贈りますか?
Carra:そういう質問を時々されるんだけど、正直言って、何か言ってやれるような秘訣みたいなものはないんだよな。フットボールは近頃でも何も変わっちゃいない。基本的に俺が言えるのは、精一杯努力すること、自分のプレーの全ての面を成長させ続けること、常にベストを尽くすことだ。皆それぞれが違う。他よりテクニックに優れている人間もいれば、身体的に優れている人間もいる・・・だから自分が持っているものを最大限に生かすだけだ。何百万ポンドも稼ぐ選手たちがこの競技には何人もいるが、彼らは別に最高のテクニックを生まれながら持っていたわけじゃない。国際的な選手たちも、彼らは自分たちの強みを生かしてそのレベルまで到達しているんだ。もう一つ言えることは、常にコーチの言葉に耳を傾け、決して自分を過信しないってことだな。
Liv.tv:あなたには小さな息子さんがいらっしゃいますが、彼にフットボールの道に進むことを薦めますか?
Carra:もちろんだ。毎日フットボールをして週に何千ポンドも稼ぐ・・・この世で最高の仕事だろう?あの子がある程度フットボールに関わって欲しいとは思っているが、つまるところ彼は俺の息子なんだし、何をすることになっても俺は彼を愛しているよ。
Liv.tv:彼はもうフットボールに興味を示していますか?
Carra:ああ、まだ4歳だけどユニフォームとかそういうものは一式持っているよ。お気に入りの選手は二人で、スティービーとクラウチーさ!
Liv.tv:パパはどうですか?
Carra:俺を評価しているとは思えないね!
Liv.tv:ファーストチームの選手として10年間で、このクラブで最も変わったとあなたが思うものは?
Carra:この場所(メルウッド)だね。俺が初めてこの場所に来たのは16の時だったが、基本的に二つのドレッシングルームと小さな食堂があるだけで、他には何もなかったよ。フルタイムのフィジオさえいなかったと思うな。しかしそんなもんで、その時はそれが当たり前だと思っていた。今を見てみれば、俺たちには4人のフルタイムのフィジオがいて、フルタイムで常駐するドクターもいる。全体的な設備はいまや一流で、この10年間にどれほど変わったかを考えると信じられないくらいだよ。
Liv.tv:チームについてお尋ねしますが、あなたが過去にいたチームと現在を比較して、どう違うでしょうか?
Carra:俺がいる今のチームは、間違いなくベストの一つだね。おそらくカップトレブルを達成したジェラール・ウリエのチームと同等だろう。俺たちは2年前のチャンピオンズリーグで優勝し、それはずっとでかいトロフィーだったが、俺はそれでもトレブルの時のほうがいいチームだったと言うよ。そして、現在のチームはイスタンブールからさらに進化していると信じている。俺が言えることのひとつは、ラファはウリエよりもはるかに早く物事を成し遂げ、彼にはこれから次のステップ、リーグ優勝にチームを導く時間があるってことだ。
Liv.tv:あなたのキャリアの中のどこかの瞬間に戻れるとしたら、いつを選びますか?
Carra:それは簡単だ・・・シェフチェンコがPKをミスした瞬間だよ。彼のシュートがセーブされて俺たちのヨーロピアンカップでの優勝が実現したときの感覚は、言葉にできないね。俺たちが一斉に祝いに走り出す有名な写真があるが、あれはあの瞬間を見事に表していると思うよ。
Liv.tv:それでは、変えられる瞬間があるとしたら?
Carra:今シーズンの序盤にあったグディソンでのダービーは、俺がフットボールで今まで感じた中で最もひどい試合だったから、あの試合全体を変えたいよ。俺は一度マンチェスター・ユナイテッド戦で2つのオウンゴールをしてしまったことがあって、あれもかなりひどかったし、それから俺が19歳くらいの時のミドルズブラ戦もあったな・・・リーグカップの準決勝で、俺は相手にPKを与えてしまい、俺たちの敗退を決定付けた2点目もおそらく俺のミスだった。しかし、去年の9月にエバートンに3-0で負けたときほど試合の後で気分が悪かったのは、今までで初めてだったよ。俺はあの試合の前に怪我をしていて、もう復帰は問題ないと思っていたんだが、そうじゃなかった。あの日の俺は、サポーターとチームメートをひどく失望させてしまったよ。
・・・ジェイミー・キャラガーインタビュー Vol.2に続く>>>PR