今年の1月17日、リバプールのスペイン選手たちと監督が、スペインのラジオに出演していたときの様子を全文掲載してみました。長いので二つに分けています。
出演:ラファ・ベニテス監督 フェルナンド・モリエンテス、シャビ・アロンソ、ルイス・ガルシア、ペペ・レイナ 友情出演:イワン・カンポ
スペイン語→英語→日本語です。英訳はは
こちらで読めます。
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記者:こんにちは、調子はいかがですか、ラファ。
ラファ:ほんのちょっと疲れてるかな。こっちではシェスタの習慣がないので一日が長くて、一日の終わりには疲れてしまうんですよ。
記者:少し太ったように見えますよ。
ラファ:ええ、太りました(笑)。
記者:タイトルのおかげで太ったのかな?
ラファ:タイトルのせいもありますが、一番の原因はオフィスでキャンディを食べてるので。
記者:こんばんは、モリエンテス。お若く見えますよ。
モロ:いやあ、もう30だからね。体調を整えるのが大変だよ、年を取るとね。
記者:アロンソ、やあ、かっこいいですね。
シャビ:ありがとう。
記者:ぺぺ・レイナ、調子はどうですか?
ぺぺ:髪がますます薄く・・・
記者:元気そうに見えるし、アメリカの俳優みたいなひげがかっこいいですよ。
ぺぺ:3日ひげって言うんですよ。
記者:ルイス・ガルシア、いったい誰とけんかしたんですか?その髪はどうしたの?
ルイガル:これはファッションだよ(笑)
記者:リバプールの街はどうですか?あんまりいいところと思えないんだけど。
ラファ:いや、なんとも言えないね、クラブと家の往復しかしていないから。多分OchotorenaやVictor(スペイン人スタッフ)の方が話せると思うよ。
記者:あなたは仕事に没頭していて、彼らは観光をしてるというわけですか(笑)。
ラファ:いやいや。彼らは観光も好きっていうだけですよ。
記者:モリエンテスが話してくれますね。私が思ってるとおり暮らしにくい街ですか?
モロ:はじめはね。でもね、すぐに慣れるよ。一番悪いのは天気だね。しとしと降る雨・・・さびしい気分になるけど、でも慣れるよ。
記者:どこに住んでいるんですか?
モロ:空港の近くのバンガロー。
記者:シャビ、あなたは?
シャビ:川の近くのダウンタウン。雨は気にしてないですよ、僕はスペインの北部出身だからね。それで他のスペイン人選手たちといつも言いあいです。彼らは晴れがいいって言うし、僕は雨が好きだし。
記者:ラファ、あなたのお住まいは?
ラファ:川の向こう岸の、ここから30~45分くらいのところです。
記者:ルイス、あなたは?
ルイガル:みんなと同じ秘密のバンガロー(笑)。
記者:スペイン人同士で?スペイン語を話してるの?
モロ:いやいや、英語ですよ(笑)。
ルイガル:そうそう(笑)。
ラファ:私がちょっと目を話すとスペイン語で話すので、戦いですよ。
記者:英語を話せって言ってるんですか?
ラファ:私たちは英語を話すよう努力しているんです、シャビ以外はね。彼は学校で習ったから。私たちは全然だめでね、それで誰かが理解できない時はスペイン語に戻るようにしています。
記者:ぺぺは?
ぺぺ:バンガローに・・・
記者:ご近所なんですか?
ぺぺ:2軒しか離れてないんです。
記者:どんな暮らしですか?
ぺぺ:静かですよ。8時にはもうあたりは全部しまっちゃって、ビールやコークを飲みに行くのも難しいので家にいるね。家族や友達とのんびりと・・・
記者:ラファ、チームを鍛えるのは簡単なことですか?
ラファ:今までいたどのチームでもそうですよ。プロの集団ですから。リバプールでいいことのひとつは、いい選手をいい人々がサポートしているということです。ですから、ここ数ヶ月、要求を高くしていくことができました。
記者:CLのあと何が変わりましたか?あなたも変わった?
ラファ:いや、同じですよ。よりよい経験を積めたというだけじゃないかな。
記者:そうですか?鏡を見てこう思うんじゃないですか?「私はテネリフェの、オサスナの、バレンシアの監督でもない、ヨーロッパのチャンピオンだ!」って。
ラファ:いいえ、何を成し遂げたかではなく、今は未来のことを考えるのみです・・・だからぺぺや他の選手を新たにチームに加えたんです。
記者:なぜぺぺを?
ラファ:2、3日、2つ3つのセーブを見て(笑)。いやいや、長いこと彼に注目していたんです。ルイスのことはユースのころから、3-4-3で9番のプレーをしているのを知っていました。ペペを初めて見たのはランサローテで、彼はユースのチームで練習していました。・・・彼はリザーブで、私が見ているのは知りませんでしたが。
ぺぺ:まさか、知ってましたよ。だからいつもの倍がんばったんです。
ラファ:なんだって君がリザーブだったんだろう。
ぺぺ:うーん・・・まあ、誰でもうまくいかない時はありますよ。
ラファ:私たちは彼をずっと長いこと知ってました。バルセロナにいい友人がいて、ビクトール・バルデスとぺぺについてのいいレポートを作ってくれていたので。彼を連れてくるのは簡単でしたよ、代理人が同じで、ビジャレアルはプロののチームでしたから。
記者:スペインとの違いは?
ぺぺ:コーナーキックのときなんかは、ペナルティエリアでの接触をかなり審判は許します。こっちの選手は猛烈で、そのうち殺されるんじゃないかって。
記者:ほんとに?
ぺぺ:ほんとに・・・すごいです。
記者:ルイス、ここでの暮らしはどうですか?アトレチコの方が良かったんでは(記者はアトレチコファン)?犬と一緒の暮しでね・・・あの犬は連れてきた?
ルイガル:うん。
記者:きっと彼はもう英語を話してますね?
ルイガル:2日目からね。
記者:英語で?
ルイガル:スカウス語で!
全員:(爆笑)
ルイガル:生活時間が違うね。食事時間が早いんだ。昼食は12:30で、夕食は8時。スペインなら2時と10時なんだけど。静かに暮らしてるよ、街には何もないから・・・家にいるよ。
記者:シャビ、あなたは?
シャビ:みんなと同じです。最初はDonosti(サン・セバスチャン)が懐かしかったですが、もう1年半も経って慣れたし、好きな場所もできたし。
記者:モロ、あなたは?
モロ:うん、同じだね・・・一番困ったのは家族のことだよ。4つと6つの娘がいるんだけど、学校の初日に泣いちゃって、空が落ちてきたような気分だったよ・・・でもほんの数週間のうちにあの子達は完璧な英語を話してて、もう大丈夫と思ったよ。
記者:ラファ、あなたは?
ラファ:モロとそのことについて話しました。学校の誰かが、「外国人選手の子どもたちは2週間で英語を話し始めますよ。」と言ってたんです。でも2週間経って、4週、6週、2ヶ月経っても私の娘たちは英語をしゃべりませんでした・・・うちの娘たちはどこか悪いんじゃないかと思いましたよ・・・口がきけないんじゃないかって。あの子達は怖かったんですね、でも6ヶ月経ったある日先生が言いましたよ、「彼女たちはしゃべり始めましたよ、ええ、完璧な英語です。」って。もう今は完璧ですよ!私よりもね。
記者:新しい文化の中での暮らしはどうですか?
ラファ:私にとって一番困るのはこの地方のなまりですね。なぜなら英語じゃないんですよ、スカウス語なんです、ルイスの犬のように・・・BBC Englishとは全く違って、理解不能です・・・時々、私が外に出ると、ここの子どもたちがスカウス語で「ベラベラベラ」って話しかけてきます・・・全くわからないので、私はサインしながら何にでも「うん、うん、」って答えて立ち去るんです。いやひどいもんです。
記者:そんなに違うんですが?
ラファ:スペインのアンダルシア地方のようなものですね。クラブにはスペイン語を話せる人がいるんですが、彼はホセミの言っていることが全くわからなくて、本当にがっかりしてました。
記者:有名人としての暮らしは?
モロ:全く違うね。マドリードでは街を歩くなんてできなくて、行ける所は限られていた。そう、こっちの人たちは熱烈だけど、選手をより尊敬しているんだ。もしも数人に呼び止められたとしても、多分何も問題ないよ・・・マンチェスターにも行ったけど、同じだった。
記者:ではシャビ、リバプールでは誰がベッカムみたいなスターなんですか(笑)。
シャビ:ええ?(笑)
ラファ:私たちは、彼の給料について、ベッカムと比較して話し合ったことはありませんよ。
記者:あなたはショッピングモールへ行って、普通に人々と会ったり話したりできると。
シャビ:ええ・・・こっちの人々はスペインよりもポジティブで、とても丁寧で、応援してくれて、この前のゲームにおめでとうと言ってくれて・・・リバプールの人々は選手を支えてくれます。
記者:ぺぺ、あなたは?
ぺぺ:彼らはまだ僕のことをよく知らないみたい(笑)。
記者:本当?
ぺぺ:シャビが言ってるのは・・・リバプールの人々はスペインよりも僕たちを助けて、支えてくれるってこと。
記者:左側を運転するっていうのはどんなものですか、ルイス?
ルイガル:・・・・・・今は大丈夫。
記者:どこかぶつけたんですか?
ルイガル:初日に・・・300メートル走っただけでドアミラーを壊しちゃって・・・工事中の場所があったんだ・・・それからトレーニングキャンプに出かけたときにはバイクの人にぶつけちゃって・・・いや全く・・・ひどいもんだった、でも今はうまくなったよ。
記者:ラファ、あなたは?
ラファ:私?ううん・・・ある日通りをドライブしていて・・・ドアミラーと左のタイヤが悪いんですよ・・・運転していたら、「パンパンパン!」って音が聞こえて、一体全体何事だと思ったら、ドアミラーと左タイヤをぶつけながら走ってたんです。
記者:(爆笑)
記者2:アンフィールドについてですが、外観は古い工場のようですね。そして中はものすごい、フットボールのメッカのようです。
記者:それはビセンテ・カルデロンのことじゃないの?
記者2:その(ピー)って何だ?アンフィールドはまるで偉大なる寺院で・・・真っ赤な色がすべてを圧倒していて・・・一番すばらしいのはゲームの始まる5、6分前ですね、スタジアム中が"You'll never walk alone"を歌っている、あの音・・・。
モロ:(歌う)Waaaaaaaaaaalk alooooooooooooone!!!
記者:音楽の後ろに隠れたくなりますよ。
モロ:(笑)僕の父は初めてスタジアムに来たときに震えたそうだよ。「俺はこれを聞くために、遠い外国のクラブまで来たんだな。」って。アルバセーテ、サラゴサ、サンチャゴ・ベルナベウ、モナコでプレーしたけど、アンフィールドは印象的だ。あの歌、90分間観客がどんなふうにゲームに参加しているか・・・そしてピッチの上の僕も・・・君も気づいてると思うけど。
ラファ:私はイングランドのどの場所もそうだと思いますが、リバプールは特にすごい。フットボールの歴史に満ちています。「ブートルーム」というのがあって、相手チームの監督とテクニカルスタッフを招いてちょっとした会食をするんです。
記者:モウリーニョも来るんですか?
ラファ:いえ・・・彼は来ません。そういうのが好きじゃないようで、ゲームの始まりと終わりに握手をするだけです。私は相手に敬意を表したいと思ってますし、ここでは皆さんがそうですよ。
記者:ロッカールームはどうです?
ラファ:とても簡素です・・・感銘を受けました。特別なものは何もない。バルセロナとは違います、あそこにはプールまである。ビジャレアルも簡素ですが、CLのために改装するようです。簡素さはこのクラブそのものでもある。一種の神話です、ビジターのロッカールームはもっと大きくて、「私たちはよりつつましい」ということを表している。
記者:シャビ、それについては?
シャビ:すごいことですよ。簡素だけど、いたるところにフットボールを感じる。歴史ある選手、歴史ある試合、ヨーロピアンカップの特別な夜、数々のタイトル・・・すばらしいです。
記者:ルイス、あなたは?場所がどこに変わりました?
ルイガル:真ん中の、シャビとモリエンテスの間だよ。
ラファ:お互い英語で話しながらね(笑)。戦術などはすべて英語で話すんだろう?もしわからなければスペイン語も使うけれど。
ルイガル:ロッカールームのクローゼットは小さくてね、服がちゃんと入らないんだよ。
ラファ:本当です。相手チームのクロゼットははるかに大きいんですよ。「うわっ、リバプールのやつらはこんなにでかいのか!」と思わせるために。
記者:モロはどうです?あなたは銀河系軍団のロッカールームから来ましたよね。あなたたちみんながスターで・・・そしてベッカムのコロンの匂い(笑)。
モロ:(笑)うん、ぜんぜん違うよ。でもこっちのほうが好きだな・・・階段を下りて、クラブのエンブレム(THIS IS ANFIELD)に触れる。相手チームの選手でさえそうするんだ。
シャビ:そうそう、元リバプールの選手たちもするよ。
記者:そうか、私たちもビセンテ・カルデロンのミイラを幸運のお守りのためにおいておくべきですね。ねえ。
全員:(爆笑)
記者:クラブについてはどうです?あなたは私に、「帰宅はいつも夜10時。」って言いましたよね。私は「これは奥さんに言えないことをしてるな」と思いましたよ。
ラファ:とんでもない(笑)。仕事が異なるんですよ。私はここではマネージャーで、スペインのコーチのようには行かないんです。事務仕事がたくさんあって、サインしたり、書類やスカウトやトレーニングのことや・・・とても遅くまでかかります。
記者:モロ、言いましたよね、。明日は午前と午後の練習があって、ラファは気分良くやらなきゃいけないから、今日は早く帰るだろうって。
ラファ:彼は練習施設の中で寝るんです。
記者:モロ・・・
モロ:うん・・・部屋の中でね。
記者:ああ、部屋が小さいって言ってましたね。
モロ:小さい?小さい以下だよ。
ぺぺ:最初は寝るのは僕たちだけだったんだけど、そのうちみんな来るようになっちゃって!!
ラファ:シェスタと同じです。午前と午後のトレーニング中は車を使うのを禁止しています。罰ではないですよ、休息を良く取るためです・・・
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スペイン選手&監督 イングランドを語るVol.2へ続く。
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