公式HPに、Liverpool Echo紙によるディルク・カイトについての記事が掲載されています。全文を訳してみました。
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ディルク・カイトは今までネパールを訪れたことはない。しかし、ヒマラヤのふもとに位置するその国の小さな村に最近建てられた家には、このリバプールのスターを「父」と呼ぶ、8人のエイズに苦しむ子供たちが住んでいる。
彼らはこれからもカイトに会うことはないだろうが、この8人の孤児たちは、カイトと彼の妻ガートルードの寄与のおかげで、人生に新しいチャンスを与えられている。
非常に多くのフットボーラーが、鼻持ちならないとも言えるような過度な浪費の典型を見せる中で、この26歳の選手はその傾向に逆らい、博愛と表現するのにふさわしい態度を示している。
12ヶ月前、カイトは「ディルク・カイト基金」とうい慈善団体を起こした。その基金は、ネパールやガーナのような第3世界で最も貧しい国々の生活を、オランダ国内の都市と同じくらい発展させることを目的としている。
それ以来、ガートルードとカイトの友人であるGert Aandewiel、代理人のRob Jansenのサポートを受けながら基金は体力を増し、ユニセフと彼の祖国オランダの政治家たちから賞賛を受けている。
しかし選手自身は、彼の功績に対して控えめである。「助けになろうとするのはいいことだよ。」と彼は言う。
「自分の好きなことをして高給を得られるんだから、フットボーラーは幸運だ。僕は、可能な時に自分は何かを返すべきだと考えているだけなんだ。全ての人が僕のように幸運なわけじゃないということを理解しているからね。
チャリティの募金を求める人が僕の家のドアを叩けば、いつだって僕は募金をするけど、もっと自分が何かできるんじゃないかと感じていた。5ポンド紙幣を手に取るだけでなく、フットボーラーは1年で何かを起こせるんじゃないかってね。
知り合いのカメラマンが僕にネパールの子供たちのことを教えてくれて、僕は彼らをすぐにでも助けたいと思った。その時点から僕たちは基金の設立に取り掛かり、順調に進んでいるよ。基本的に、僕たちはネパールの子供たちが住むための家を建設する資金を提供していて、僕がその家の"父"になり、ガートルードが"母"になるんだ。」
ほとんどの慈善団体と違い、その基金の資金は一般からの募金集めや様々な献金から成り立っているのではない。その大半をカイトの商業活動から得ている。
彼は語る。「僕はアディダスと契約をしていて、彼らとコマーシャルをやった時はいつでも、その収入は基金に入れている。それからインターネットにディルク・カイトブランドの洋服もあって、Tシャツやキャップやソックスを買えるんだけど、その収益も基金に入れているんだ。」
オランダではディルク・カイト基金は、カイトが生まれ育ったカトワイク村のような場所出身の若者たちのために、彼らが得られなかったかもしれない教育の機会を得ることに使われている。
「教育はとても大事だよ」カイトは言う。「もしも僕がいいフットボール選手でなかったら、全てを勉強に捧げていただろうね。カトワイクは漁村だけど、失業者がたくさんいる。だから基金は大学やカレッジに進みたい子供たちに奨学金を出すことで、彼らを助けようとしている。僕は自分が何か特別なことをやっているとは思っていない。ただお返しをしているだけだよ。」
昨年の8月にリバプールに移籍して以来、カイトは彼の所属するホームと恋に落ちている。それが強いからこそ、彼は既にリバプールのチーフと、その基金の活動をマージーサイドの地域へ拡大することについて話し合いをしている。
「僕はクラブと話し合いをしている。」彼は語る。「そしてうまく行けば、僕たちは何かできると思うよ。僕は既にリバプールを愛している。誰もが本当に僕たちに親切でフレンドリーだ・・・こんな所がそうたくさんあるとは思えない。
僕は長い間ここにいたいと思っているよ。ガートルードと僕には一人娘がいて、ノエルという名前で今2歳なんだけど、彼女はリバプールの保育園に通っている。ガートルードは既に妊娠23週目で、僕たちは本物のベビースカウサーがやって来るのを楽しみにしているんだ。キャラが僕に何を言っているかを通訳してくれる人ができたら便利だろうね!」
現在、サウスリバプールのカイト一家は、息子を見るためにクリスマス直前にやって来た彼の父、Gerritを迎えている。Gerrit Kuytは胃ガンと戦っており、比較的最近まで、この訪問は実現しそうになかった。しかし、胃と食道の一部を除去するという大手術を受けてから、ここ数週間で彼の体調は目覚しく回復した。
「困難な時だったけど、今はずっと良くなったよ。」彼のキャリアの大きな支えとなってきた父親を信頼するカイトは言う。「彼は頑張っているし、今の時点でガンはきれいに無くなっている。今月の終わりに彼は病院に戻るんだけど、うまく行けばもっといいニュースが聞けるだろう。彼はクリスマス前にやって来て、リバプールのここ5試合のホームゲームに来ている。彼と一緒にクリスマスシーズンを過ごすのはすばらしいよ。僕たちにとってはじめての新しい国でのクリスマスで、それを彼と一緒に過ごせるんだから、より一層特別なものになったね。」
彼の父親の健康は回復し、彼の妻はまもなく二人目の子供を出産し、彼はリバプールのためにゴールを続けており、ディルク・カイトにとって人生はこれ以上望めないほどすばらしいものになっている。今の彼の望みの全ては、このすばらしい未来を他の人々と分かち合いたいということだ。
カイトと彼の基金についてのさらなる情報については、
ディルクの公式ウェブサイトをご覧ください。>>>PR