タイムズ紙より、キャプテンのインタビューです。
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インタビューはシティの買収ニュースの当日に行われた。我々(タイムズ紙の記者)は、デイリー・テレグラフに掲載された、マーク・ヒューズが今買えるチームとして、ジェラードがセントラルミッドフィールドに位置し、彼に並んでクリスティアーノ・ロナウド、カカ、リオネル・メッシが入っている記事を持参した。彼は、特に自分が"適切な"ポジションに入っているのを気に入ってこう言った。「この新聞もらっていいかい?」
●キャプテン
(タイムズ紙)「過去数年間は、僕たちはトップ4の位置を確立して来た。その後ろにリーグの中団、それから降格争いをするチーム。より資金力を持つオーナーたちが入って来たことで、より強いチームが増えて、リーグはさらにエキサイティングなものになるだろう。しかしその一方で、外国人オーナーたちはさらに外国人選手を買い、それはイングランドの選手たちのチャンスを減らすだろう。
僕たちはアメリカ人オーナーたちに買収され、全てがバラ色というわけには行っていない。僕たちの競技に入ってくる外国人オーナーは、自分たちが全てではないということをを認識するのが重要だ。クラブが最優先であり、彼らが去った時もクラブはここに存在し続けるだろう。それを理解しなくては、問題が起こる。ここでは気をもむような時期があったし、内輪もめがあれだけ長く続いたら、選手にも影響が出て来るよ。出来ることは何もないのに、自分のクラブを心配してこう思うんだ。『あれやこれが起こったらどうなるんだ?』ってね。差し当っては、オーナーたちは彼らの意見の相異は考えないようにしている。監督は使える資金を与えられているし、状況はちょっと前よりは良くなっているよ。悪い時期は過ぎ去ったのかどうか、僕たちは成り行きを見守らなくてはならないだろう。
(今シーズンの補強は、昨シーズンの4位から順位を上げるのに十分か、と問われて)時間が経てばわかるよ。これまでのパフォーマンスはあまり良くはない。僕たちはまだ、2番目か3番目のギアしか入っていないね。仲間の何人かは100%の状態じゃないし、僕自身もそこからは程遠い。プレシーズンは僕たちは良いプレーをしていたんだけど、いざ本シーズンに入ったら、自分たちが望むレベルにはなかった。期待できるのは、結果は良いってことだよ。(リバプールは3試合終了時点で7ポイントで2位、チャンピオンズリーグではスタンダール・リエージュを下した。)
僕はこの夏はいい休暇を取り、戻って来た時はすばらしい感覚だったよ。それから、トレーニングに入ってすぐに鼠径部がぐずぐず言い始めたんだ。ある日は右側、その翌日は左、そしてプレシーズンの1ヶ月間にそれは深刻な懸念になり始めた。僕は両側を痛めてしまい、それは本来の鼠径部の問題とはまた別の怪我だった。なるべく骨盤の骨の痛みを軽減するためにトレーニングとプレーのやり方を変えて、それが怪我を引き起こしてしまった。
手術の決断は、スタンダール・リエージュとの試合の後にされたよ。試合当日にクラブドクターとミーティングをして、症状はもうプレーが続けられない段階まで来ていると言ったんだ。練習や試合で、2倍、それから3倍の量の痛み止めを使い、試合の間も使うようになっていた。もう痛みを紛らわすことができない段階まで来ていたんだ。僕はドクターにこう言ったよ、『自分の本来のプレーができない、トレーニングが出来なくては100%にはなれないし、しっかり試合ができる状態とは思えない。マックスのプレーができない。』ってね。全力疾走ができなかったし、30ヤード以上のパスが出せず、しっかりシュートも打てなかった。全ての試合に出場したいと思ってはいたけど、イングランドとリバプールのことは忘れて、体調を回復しなくてはならない時もある。
(ユナイテッド戦には間に合いそうか、と聞かれて)それはちょっと早いね。マルセイユとのチャンピオンズリーグ戦には、かなりのチャンスがある。僕は監督と話をしているし、復帰する前にはある程度のトーレーニングをしておきたいと彼に言った。仲間とたった一度のトレーニングセッションをしただけで、大一番に入って行きたくはない。
夏の間に、僕は彼(ラファ)の目を見て、自分はどこでプレーしたいかを言ったよ。それは中盤の真ん中だ。僕は彼に、自分がどんなプレーをしたいかを話した。僕が最大の力を発揮できるのはピッチ中を駆け回る時で、片方のエンドでは守り、タックルを入れ、そしてパスを配球して、ペナルティボックス付近にシュートのためのボールを入れる。他のポジションでは、自分のやりたいようなプレーをするのが難しいとわかるんだ。
僕は、監督が僕にこう言うのが大好きなんだよ。『真ん中でプレーして、行って試合を動かして欲しい。』。僕の耳にはそれは音楽だね。ロビー・キーンの移籍が成立した時、ラファは僕にこう言った。彼のプランは、キーンをトーレスの後ろに置いて、僕は一つ真ん中に下がることだってね。僕は今はラファ・ベニテスのことをほとんど誰よりも良く知っているし、いくつかの試合では彼は僕に違う役割でプレーするように言うだろう。しかし、僕が何をやりたいか彼は知っている。
リバプールでジェイミー・レドナップと組んでいた時は、僕は2人の中ではよりディフェンシブな役割でプレーした。でもディディがここに来て、彼は僕にとってまさに夢の選手だったよ。前に出て行って自分を表現するライセンスを彼が僕に与えてくれたおかげで、僕のプレーは次のレベルに上がった。僕にピッチ中を駆け回る自由を与えてくれる、しっかりと守れるミッドフィールダーと組んだ時こそ、僕は最大限の力を発揮できる。もっと深い位置でのプレーもやれるよ・・・ウェンブリーでのブラジルとのイングランド代表戦では、それをやってマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた・・・でも僕は心から楽しめたとは言えない。
ニッキー(バット)の強みは、ペナルティボックスの中に侵入してゴールを決めることではなく、相手のプレーを止めることだった。彼はストッパーだったよ。彼は僕のようなタイプの選手に合う・・・フランク・ランパードやポール・スコールズともきっと合うようにね。
僕は、自分が違うポジションでも悪くない仕事ができることで、そのツケを払って来た。他の選手たちは、それができないからあちこちに廻されることはない。僕は右や左に入ってプレーしても、カカやロナウジーニョにはなれない。そこに入って、100%の力を尽くしてしっかりと仕事をするだけだ。ハードワークをし、ちょっとディフェンシブになってチームを助けるだろう。監督たちが僕をそう起用するのはそれが理由だけど、そのことは僕に影響を与える。ポジションが変ることで僕のプレーは落ちるんだ。僕はセントラルミッドフィールダーで、大一番では真ん中でプレーし、自分があのポジションでは最高の一人であることを証明したい。
リバプールでは、僕はゴールマウスを守る以外の全ての場所でプレーしたよ。コベントリーではセンターバックをやったし、メイン・ロード(シティの以前のスタジアム)では左サイドバックをやり、右サイドバックは40回近くやった。5、6年前には、僕は右や左を情熱を持ってプレーすることには嫌になっていたよ。そういう訳で、試合に向けてしっかりと備えられなくなっていた。そのことで僕は本当に叩きのめされていたんだけど、時間が経つに連れて、違う監督たちの元であれだけ多く同じことが起ったから、そういう気持ちを遮断してできる限りのことをやろうという段階に入らなくてはならなかった。選択肢は二つだ。ピッチに出て行って自分のベストを尽くすか、それとも監督とぶつかるか。どっちの場合でも、勝つのは一人になるだろうね。
(リバプールでは400試合出場中の65%を中盤の真ん中でプレーしたが、イングランド代表では?と聞かれて)ずっと少ないね。イングランド代表では、自分が好きなポジションでプレーしたのは68試合中5回だ。それに何ができるかって?イングランド代表でのトレーニングに挑んで、自分自身を証明しようと毎日頑張るだけだ。今まで僕が一緒にやってきたイングランド代表監督は全員、僕がどこでやりたいかを知っている。でも彼らがフォーメーションを選択し、僕は言われた場所でプレーする。
今シーズンは、僕たちは残り10試合の段階でタイトルレースの中に加わっていなくてはならない。ラファは、リーグ戦に関する限り今回が僕たちにとってビッグシーズンであることを知っている。ファンはそれを求めて叫んでいるし、選手たちもそれを求め、僕たちはそれを実行する必要がある。1月か2月に再びレースから脱落するようなことがあったら、このあたりは不幸な人々で一杯になるだろう。僕自身も含めてね。
イスタンブールの思い出は、僕は墓場まで持って行くだろうね。あのことを考えない日はないけど、僕は思い出以上のものが欲しい。もう一度オープンタイプのバスに乗って、再びリバプールの通りを数え切れないほどの人たちが埋め尽くし、今度はリーグタイトルに喝采を送っている姿が見たい。僕たちがリーグ優勝を果たしたら、この町は爆発するだろうね。僕はそれが自分の引退後に起きて欲しくはない。僕は今28歳で、年月が飛ぶように過ぎて行くことに気がついている。11月にはファーストチームに入って10年になる。まだ自分がデビューしたのはほんの2、3ヶ月前のような気がして、あれはすごく楽しかったよ。28歳から35歳の間にさらに成長したいと思うし、自分のベストの年月はこれからだと感じている。僕は、イスタンブールと2度のFAカップ優勝の思い出だけで引退したくはない。もしもここでリーグ優勝を果たせなかったら、それは個人的には悲劇になるだろう。
僕たちが彼ら(ユナイテッドとチェルシー)と対戦する時は、組織された強力なディフェンスと、その上で前に出て勝利する勇気を持つこと、その二つの間のバランスをしっかりと取らなくてはならない。そういう試合にネガティブになってディフェンシブになりすぎて挑んだら、それでも試合を落としてしまうこともあるんだ。今までの僕たちがそうだったようにね。
カップ戦でのチェルシーとの対戦では、僕たちは彼らが『やった』よりももっと『やった』。しかしリーグ戦では、僕たちはもう少し勝利を目指して攻撃的でなくてはならない。過去2年間、僕たちはユナイテッドとチェルシー戦には、戦術的に非常に組織されて挑んだ・・・そう言いたいなら、ディフェンシブにね・・・そしてそれでも1-0で敗戦した。同じようにディフェンシブに行き、前に出るのがもっとお粗末だったら、また1-0の敗戦になるかもしれない。ああいう試合では、先取点がものすごく大きい。失点したら10回中9回は取り戻せない。ああいうチームとの対戦では、何回かリスクを犯して得点を狙うことが重要なんだ。それが僕たちに心理的な勢いを与えてくれるからね。」
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キャプテンのぶっちゃけトークです。ラファのプランは、キャプテンをCMFに戻してキーンをトップ下で使うことですか・・・そうすると4-4-2か、マスチェラーノが一人アンカーに残る4-1-3-2のような形になるんでしょうか。うーん・・・。
キャプテンは昨シーズンは後半からトップ下、05/06シーズンは右サイドを主戦場として、20ゴール以上を記録しています。昨シーズンはトーレスとの絶妙のコンビネーションが称賛されていましたが、それでも一番やりたいのはCMFのポジションなんですね。しかしどうなんだろう?個人的には、より守備の仕事から解放されて攻撃にシフトした方が、彼の能力が生きると思うんですが・・・。そんなにタックルが好きなのか(笑)?
キャプテンである彼が公にこういう発言をしたことには、おそらく賛否両論が出てくるでしょう。こういう起用に関する発言は監督と彼の間にとどめておくべき、と言われればその通りですが、個人的にはこれを、今シーズンには最高の自分を出したいという強い気持ちの現れと受け止めたいと思います。しかし彼がベストを発揮できることがチームのベストなのか、というとそれは全く別問題です。ラファはキャプテン一人ではなく選手全員を見てベストの形を選択するでしょうし、そうでなくてはなりません。キャプテンがここまで言い切って、万全の体調で実際にCMFに入ったらどんなプレーを見せてチームを引っ張ってくれるか、大いに期待したいし注目したいです。
この記事は何かと物議をかもすかもしれませんが、記事の冒頭からして、物議をかもすインタビューにしたいという記者のそこはかとない意図も感じられます(笑)。
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無題
しかも、4-4-2だとジェラードとトーレスの距離が遠すぎて、一発スルーが入らないんですよね。。ラファもいろいろと大変ですね。
Re:無題
ラファはどんなフォーメーションをベストだと考えてるんでしょうか?早く新戦力を含めた最適なバランスを見つけて欲しいですが、怪我人がいるからなあ・・・。
無題
さきほどシャビ・アロンソの代理人の。1月の移籍もありうるとの発言を読んだばかりです。出場機会が少なければ、出て行ってしまうのでしょうか。そんなのもったいない。
Re:無題
アロンソの移籍のニュース見ました。しかしこの代理人はちょっとしゃべりすぎだと思います・・・この時期にこんな発言をする、その意図は一体何なのか・・・「移籍先募集中」ってアピールしているんでしょうか。
無題
また物凄い具体的に言っちゃいましたね。
アロンソやルーカスは彼の発言をどう捉えたのでしょうか?ぎくしゃくしなければいいですが。
仰るように彼のやりたいポジションがチームにとって最適なのかは別問題として、キャプテンとしては失言に近いような...
でもCMFに下がったとしてもチームの攻撃力は下がらないと思いますし、彼個人のゴール数もそんなに減らないんじゃないかなと思います。
とにかく早く怪我を治して復帰して欲しいです。
ダービーは一体どうなるやら、チームにはガッツを見せて欲しいです。
Re:無題
>チームにはガッツを見せて欲しいです。
はい!本当にその通りです!気合負けだけはするなと!!!